平成29年11月10日

証券取引等監視委員会

株式会社文教堂グループホールディングス社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社文教堂グループホールディングス社員による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    (1)課徴金納付命令対象者(1)について
     課徴金納付命令対象者は、株式会社文教堂グループホールディングス(以下「文教堂GHD」という。)に勤務していた者であるが、同人がその職務に関し、同社の属する企業集団の平成27年9月1日から平成28年8月31日までの事業年度(以下「平成28年8月期」という。)の経常利益の予想値について、平成27年10月15日に公表がされた直近の予想値(経常利益1億5000万円)に比較して、同社が新たに算出した予想値において、投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとなる差異が生じた旨の重要事実を知りながら、同社において新たに算出した平成28年8月期の予想値(経常利益マイナス7200万円)の公表がされた平成28年10月13日より前の同月4日、自己の計算において、文教堂GHD株式合計1万株を売付価額合計610万5800円で売り付けたものである。

     違反行為事実の概要については、別図のとおり。

     課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、270万円である。

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。

  • 4.その他

    本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報も参考として、実態解明を行ったものである。


(別図)

○ 違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
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(別紙)

○ 課徴金の額の計算方法について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(340円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(609円×1,000株+610円×5,400株+611円×1,500株
+612円×1,000株+613円×1,100株)
-340円×10,000株
= 2,705,800円

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、2,700,000円となる。

 

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