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平成29年11月21日

証券取引等監視委員会

引け条件付きの成行注文を利用したセントラル硝子株式外4銘柄に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

 

1.勧告の内容

証券取引等監視委員会は、セントラル硝子株式外4銘柄に係る相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者は、

    (1)  株式会社今仙電機製作所(以下「今仙電機」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成28年4月13日午後1時16分頃から同日午後2時57分頃までの間、引け条件付きの成行(以下「引成」という。)買い注文を大量に入れる方法により、同株式合計7万8200株の買付けの委託を行うとともに,同株式合計6400株を売り付け、

    (2)  株式会社不二越(以下「不二越」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成28年4月14日午前11時9分頃から同日午前11時28分頃までの間、前記同様の方法により、同株式合計48万4000株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計8万1000株を売り付け、

    (3)  セントラル硝子株式会社(以下「セントラル硝子」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成28年4月15日午前11時7分頃から同日午前11時29分頃までの間、前記同様の方法により、同株式合計26万3000株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計9万6000株を売り付け、  

    (4)  リョービ株式会社(以下「リョービ」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成28年4月20日午後2時19分頃から同日午後2時58分頃までの間、前記同様の方法により、同株式35万4000株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計6万5000株を売り付け、

    (5)  東洋ゴム工業株式会社(以下「東洋ゴム」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成28年4月19日午後2時35分頃から同年4月20日午前10時19分頃まで間、前記同様の方法により、同株式合計17万6900株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計2万5100株を売り付けたほか、引成売り注文を大量に発注する方法により、同株式合計2万5000株の売付けの委託を行うとともに、同株式合計5000株を買い付け、

     もって、自己の計算において、今仙電機、不二越、セントラル硝子、リョービ及び東洋ゴム各株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、前記各株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。

    違反行為事実の概要については、別図のとおり。

    課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第174条の2第1項に規定する「第159条第2項第1号の規定に違反する一連の有価証券売買等」及び「その委託等」に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、150万円である。

    計算方法の詳細については、別紙1及び別紙2のとおり。


(別表)

○違反行為状況

違反行為状況
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(別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
(クリックすると拡大されます)
今仙電機の株価及び出来高の推移
(クリックすると拡大されます)
不二越の株価及び出来高の推移
(クリックすると拡大されます)
セントラル硝子の株価及び出来高の推移
(クリックすると拡大されます)
リョービの株価及び出来高の推移
(クリックすると拡大されます)
東洋ゴムの株価及び出来高の推移
(クリックすると拡大されます)

(別紙1)

○課徴金の額の計算方法について

別表の各違反行為に係る課徴金の額の計算の基礎は以下のとおりである。

1.金融商品取引法第174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、

(1) 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

及び

(2) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等又は買付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等又は売付け等の数量を超える場合、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額、又は当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

の合計額として算定。

2.上記1.で算定された課徴金の額につき、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算定。

3.上記2.によりそれぞれ算定した額を合計し、課徴金の額とする。

以上につき、別紙2のとおり。


(別紙2)

別表に掲げる事実につき

  • 1.今仙電機株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、6,400株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(949円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量6,400株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(6,400株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (961円×3,000株+962円×3,200株+963円×200株)
    -949円×6,400株
    =80,400円
     

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額80,400円となる。

     

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、80,000円となる。

     

        
  • 2.不二越株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、81,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(377円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量81,000株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(81,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (381円×4,000株+382円×17,000株+383円×15,000株+384円×10,000株+385円×14,000株+386円×21,000株)
    -377円×81,000株
    =562,000円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額562,000円となる。

     

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、560,000円となる。

     

        
  • 3.セントラル硝子株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、96,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(618円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量96,000株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(96,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (618円×24,000株+619円×11,000株+620円×40,000株
    +621円×15,000株+622円×3,000株+623円×3,000株)
    -618円×96,000株
    =163,000円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額163,000円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、160,000円となる。

     

  • 4.リョービ株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、65,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(435円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量60,000株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(60,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (438円×29,000株+439円×31,000株)
    -435円×60,000株
    =211,000円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(65,000株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(60,000株)を超えていることから、当該超える数量5,000株(65,000株-60,000株)に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最低の価格のうち最も安い価格(383円)に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額
    438円×5,000株
    -383円×5,000株
    =275,000円

    の合計額486,000円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、480,000円となる。

     

  • 5.東洋ゴム株式の取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、25,100株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量5,000株に、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(1,588円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量20,100株を加えた25,100株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(25,100株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
    (1,598円×1,500株+1,599円×21,000株+1,600円×2,600株)
    -(1,588円×20,100株+1,598円×5,000株)
    =227,200円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額227,200円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、220,000円となる。

     

  • 6.上記、1.ないし5.により算定した額の合計
    80,000円+560,000円+160,000円+480,000円+220,000円
    =1,500,000円となる。
     

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