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平成29年12月15日
証券取引等監視委員会

公開買付者の社員及び同人から情報を受領した者によるエヌジェーケー株式に係る内部者取引違反行為並びに当該社員による公開買付けの実施に関する事実に係る伝達違反行為に対する課徴金納付命令の勧告について

1.勧告の内容

証券取引等監視委員会は、公開買付者の社員及び同人から情報を受領した者によるエヌジェーケー株式に係る内部者取引違反行為並びに当該社員による公開買付けの実施に関する事実に係る伝達違反行為について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
 

2.法令違反の事実関係
(1)課徴金納付命令対象者(1)について
  ア.違反行為事実A

課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(以下「NTTデータ」という。)に勤務していた者であるが、同人がその職務に関し、同社の業務執行を決定する機関が、株式会社エヌジェーケー(以下「NJK」という。平成28年8月22日上場廃止。)の株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成28年5月10日より前の同年4月21日及び同月25日、自己の計算において、NJK株式合計400株を買付価額合計19万2100円で買い付けたものである。

  イ.違反行為事実B

課徴金納付命令対象者(1)は、同人がその職務に関し知った、NTTデータの業務執行を決定する機関が、NJKの株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を、課徴金納付命令対象者(2)に対し、上記事実の公表がされる前にNJK株式の買付けをさせることにより同人に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。
 課徴金納付命令対象者(2)は、上記事実の公表がされた平成28年5月10日より前の同年4月21日から同年5月9日までの間、自己の計算において、NJK株式合計1200株を買付価額合計56万7700円で買い付けたものである。

 違反行為事実の概要については、別図のとおり。

 課徴金納付命令対象者(1)が行った
 上記ア.の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等」をした行為に、
 上記イ.の行為は、金融商品取引法第175条の2第2項に規定する「第167条の2第2項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の買付け等若しくは売付け等をすることを勧める」行為に、
該当すると認められる。
 

(2)課徴金納付命令対象者(2)について

 課徴金納付命令対象者(2)は、NTTデータに勤務していた課徴金納付命令対象者(1)から、同人がその職務に関し知った、同社の業務執行を決定する機関が、NJKの株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実の伝達を受けながら、上記事実の公表がされた平成28年5月10日より前の同年4月21日から同年5月9日までの間、自己の計算において、NJK株式合計1200株を買付価額合計56万7700円で買い付けたものである。

違反行為事実の概要については、別図のとおり。

課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等」をした行為に該当すると認められる。
 

3.課徴金の額の計算

上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。
 課徴金納付命令対象者(1)19万円
 課徴金納付命令対象者(2)24万円
 計算方法の詳細については、別紙のとおり。
 

 


 (別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
(クリックすると拡大されます)

 


 (別紙)

○課徴金の額の計算方法について

1. 課徴金納付命令対象者(1)について
(1)違反行為事実Aに係る課徴金の額

ア.金融商品取引法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(677円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

(677円×400株)
-(472円×200株+488円×100株+489円×100株)
=78,700円

イ.金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記ア.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

(2)違反行為事実Bに係る課徴金の額

ア.金融商品取引法第175条の2第2項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該買付けによって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。
 利得相当額とは、同条第4項第2号の規定により、情報受領者等が株券等の買付けをした場合、当該株券等の買付けについて公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(677円)に当該株券等の買付けの数量を乗じて得た額から当該株券等の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

{(677円×1,200株)-(460円×200株+470円×400株+471円×100株
+478円×100株+481円×200株+483円×200株)}×1/2
=122,350円

イ.金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記ア.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

(3)上記(1)及び(2)により算定した額の合計
  70,000円+120,000円=190,000円となる。

 2. 課徴金納付命令対象者(2)について

(1)金融商品取引法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(677円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

(677円×1,200株)
-(460円×200株+470円×400株+471円×100株+478円×100株+481円×200株+483円×200株)
=244,700円

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

 

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