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平成30年1月26日
証券取引等監視委員会

あんしん保証株式会社との契約締結交渉者の役員及びあんしん保証株式会社の役員からの情報受領者による内部者取引並びに同社役員による重要事実に係る伝達違反行為に対する課徴金納付命令の勧告について

1.勧告の内容

証券取引等監視委員会は、あんしん保証株式会社との契約締結交渉者の役員及びあんしん保証株式会社の役員からの情報受領者による内部者取引並びに同社役員による重要事実に係る伝達違反行為について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

2.法令違反の事実関係
(1)課徴金納付命令対象者(1)について 
 課徴金納付命令対象者(1)は、不動産賃貸管理等の事業を営むA社の役員であるが、あんしん保証株式会社(以下「あんしん保証」という。)とA社との家賃決済サービスに係る契約の締結交渉に関し、あんしん保証の業務執行を決定する機関が、イオンクレジットサービス株式会社等との業務上の提携を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成28年7月29日午後3時より前の同年6月24日から同年7月29日午前11時10分頃までの間、自己の計算において、あんしん保証株式合計9300株を買付価額合計980万3900円で買い付けたものである。

 違反行為事実の概要については、別図のとおり。

 課徴金納付命令対象者(1)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
 
(2)課徴金納付命令対象者(2)について

課徴金納付命令対象者(2)は、あんしん保証の役員である課徴金納付命令対象者(3)から、同人がその職務に関し知った、あんしん保証の業務執行を決定する機関が、イオンクレジットサービス株式会社等との業務上の提携を行うことについての決定をした旨の重要事実の伝達を受けながら、上記事実の公表がされた平成28年7月29日午後3時より前の同年7月12日から同月29日午前9時31分頃までの間、自己の計算において、あんしん保証株式合計2万4000株を買付価額合計2952万5500円で買い付けたものである。

違反行為事実の概要については、別図のとおり。

課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

(3)課徴金納付命令対象者(3)について
 課徴金納付命令対象者(3)は、あんしん保証の役員であるが、同人がその職務に関し知った、あんしん保証の業務執行を決定する機関が、イオンクレジットサービス株式会社等との業務上の提携を行うことについての決定をした旨の重要事実を、上記事実の公表がされる前にあんしん保証株式の買付けをさせることにより課徴金納付命令対象者(2)に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。

 課徴金納付命令対象者(2)は、上記事実の公表がされた平成28年7月29日午後3時より前の同年7月12日から同月29日午前9時31分頃までの間、自己の計算において、あんしん保証株式合計2万4000株を買付価額合計2952万5500円で買い付けたものである。

 違反行為事実の概要については、別図のとおり。

 課徴金納付命令対象者(3)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条の2第1項に規定する「第167条の2第1項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の売買等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。  
 
3.課徴金の額の計算

上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。
 課徴金納付命令対象者(1)554万円
 課徴金納付命令対象者(2)1007万円
 課徴金納付命令対象者(3)503万円
 計算方法の詳細については、別紙のとおり。

4.その他

  本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報も参考として、実態解明を行ったものである。


 (別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
(クリックすると拡大されます)

 


 (別紙)

○課徴金の額の計算方法について

1. 課徴金納付命令対象者(1)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(1,650円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

(1,650円×9,300株)
-(900円×2,000株+950円×4,000株+1,266円×400株+1,268円×1,400株
+1,278円×300株+1,279円×200株+1,280円×200株+1,282円×500株
+1,287円×300株)
=5,541,100円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記ア.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

2. 課徴金納付命令対象者(2)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(1,650円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

(1,650円×24,000株)
-(1,150円×3,300株+1,151円×600株+1,170円×100株+1,177円×500株
+1,178円×700株+1,179円×100株+1,180円×5,400株+1,250円×900株
+1,251円×200株+1,252円×900株+1,260円×100株+1,269円×600株
+1,270円×1,000株+1,271円×1,500株+1,275円×1,000株+1,281円×200株
+1,282円×100株+1,284円×100株+1,286円×100株+1,287円×100株
+1,288円×200株+1,289円×100株+1,290円×2,100株+1,294円×600株
+1,295円×2,000株+1,296円×400株+1,297円×100株+1,298円×100株
+1,299円×900株)
= 10,074,500円

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

3. 課徴金納付命令対象者(3)について

(1)金融商品取引法第175条の2第1項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該売買等によって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。
 利得相当額とは、同条第3項の規定により、情報受領者等が特定有価証券等の買付けをした場合、当該特定有価証券等の買付けについて重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(1,650円)に当該特定有価証券等の買付けの数量を乗じて得た額から当該特定有価証券等の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

  {(1,650円×24,000株)
-(1,150円×3,300株+1,151円×600株+1,170円×100株+1,177円×500株
+1,178円×700株+1,179円×100株+1,180円×5,400株+1,250円×900株
+1,251円×200株+1,252円×900株+1,260円×100株+1,269円×600株
+1,270円×1,000株+1,271円×1,500株+1,275円×1,000株+1,281円×200株
+1,282円×100株+1,284円×100株+1,286円×100株+1,287円×100株
+1,288円×200株+1,289円×100株+1,290円×2,100株+1,294円×600株
+1,295円×2,000株+1,296円×400株+1,297円×100株+1,298円×100株
+1,299円×900株)}×1/2
= 5,037,250円

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

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