ラッキーバンク・インベストメント株式会社に対する検査結果に基づく勧告について
1.勧告の内容
関東財務局長がラッキーバンク・インベストメント株式会社(東京都中央区、法人番号3010001160426、資本金2億円、常勤役職員6名、第二種金融商品取引業、以下「当社」という。)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。
2.事実関係
当社は、当社ウェブサイト及びウェブサイト内の会員ページにおいて、法人向けローンを出資対象事業とする匿名組合(以下「ファンド」という。)の出資持分の取得勧誘を行い、その出資金により貸付事業を行っている。貸付先のほとんどは、A代表取締役(以下「A社長」という。)の親族が経営する不動産事業を営むX株式会社(以下「X社」という。)となっており、A社長を含む取締役全員がX社における不動産事業の会議に参加し各事業の進捗状況等の報告を受けているほか、平成28年4月から同29年2月までの間においては、内部管理責任者である取締役をX社の不動産事業部に兼務させるなど、当社とX社は密接な関係の中業務を行っている(平成29年8月末現在、償還期限が到来していないファンドは、185本、出資金約62億円)。
当社を検査した結果、ファンド出資持分の取得勧誘に関して下記の問題が認められた。
○ 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
以上のとおり、当社のウェブサイト上等の表示は、一般の出資者が読んだ場合、当社において、貸付先の信用力を評価するための具体的かつ客観的な内部基準に従った審査が行われるなど、慎重な手続によって貸付先の審査が行われているとの認識を与えやすいと考えられるところ、当社においては、上記のとおり、慎重な手続によって貸付先の審査が行われているとは認められない状況にあり、出資者の投資判断に重大な影響を及ぼすと認められる貸付先の審査について、あたかも、慎重な手続きによって行われているかのような誤解を生ぜしめるべき表示を行ったと認められる。
当社は、X社が保有する不動産に担保を設定して、X社への貸付けを行っているファンド318本のうち252本について、「不動産価格調査報告書」を当社ウェブサイト上の募集要領に掲載しているが、当該報告書は、正式な不動産鑑定評価を行った上で作成されたものではなく、対外的に公表できない不動産価格をウェブサイト上に掲載し、ファンド出資持分の募集を行っている。
以上のとおり、当社は、出資者の投資判断に重大な影響を及ぼすと認められる担保評価について、誤解を生ぜしめるべき表示を行ったと認められる。
当社の上記2.⑴及び⑵の行為は、金融商品取引法第38条第8号(平成26年5月30日法律第44号による改正前は同条第7号)に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に規定する「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽の表示をし、又は重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。
(参考条文)
○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)
一 ~ 七 (略)
○ 金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号)(抄)
一 (略)