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平成30年12月11日
証券取引等監視委員会

ソフトフロント株式外1銘柄に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

 

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、ソフトフロント株式外1銘柄に係る相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

    2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者は、

    (1)  株式会社ソフトフロント(平成28年8月1日株式会社ソフトフロントホールディングスに商号変更。以下「ソフトフロント」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成28年6月13日午前9時34分頃から同日午前9時48分頃までの間及び同日午前10時2分頃から同日午前10時5分頃までの間、自己の同族会社名義の証券口座を用いて、最良買い気配又はその下値に買い注文を大量に発注した後、直前の約定値より高指値の買い注文を発注して株価を引き上げるなどの方法により、同株式合計4万3000株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計1万2000株を買い付ける一方、同株式合計5万4000株を売り付け、

    (2)  株式会社アジアゲートホールディングス(以下「アジアゲート」という。)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成28年7月15日午前9時9分頃から同日午前9時46分頃までの間、自己の同族会社名義の証券口座を用いて、前記同様の方法により、同株式合計2万株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計4万株を買い付ける一方、同株式合計6万5000株を売り付け、

     もって、自己の計算において、ソフトフロント及びアジアゲート各株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、前記各株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託を行ったものである。

    違反行為事実の概要については、別図のとおり。

    課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第174条の2第1項に規定する「第159条第2項第1号の規定に違反する一連の有価証券売買等」に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、79万5000円である。

    計算方法の詳細については、別紙1及び別紙2のとおり。

    4.その他

    課徴金納付命令対象者は、Mipox株式会社の株式につき、下値買い注文を大量に入れたり、売り注文と買い注文を対当させて株価を引き上げるなどの方法を用いた変動操作取引を行って、保有株を売り抜けたことから、当委員会が、平成28年2月2日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対し、同人に対する課徴金納付命令の勧告を行い、同年3月4日、同人は、課徴金納付命令を受けていた。


(別表)

○違反行為状況

違反行為状況
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(別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
(クリックすると拡大されます)

(別紙1)

○課徴金の額の計算方法について

別表の各違反行為に係る課徴金の額の計算の基礎は以下のとおりである。

1.金融商品取引法第174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、

(1) 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

及び

(2) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等又は買付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等又は売付け等の数量を超える場合、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額、又は当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

 の合計額として算定。

2.上記1.で算定された課徴金の額につき、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算定。

3.上記2.で算定された課徴金の額につき、金融商品取引法第185条の7第15項の規定により当該額の1.5倍として算定。

4.上記3.によりそれぞれ算定した額を合計し、課徴金の額とする。

以上につき、別紙2のとおり。


(別紙2)

別表に掲げる事実につき

  • 1.ソフトフロント株式に係る違反行為期間Aの取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、25,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量5,000株に、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(250円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量20,000株を加えた25,000株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(25,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

     (251円×5,000株+252円×20,000株)
    -(250円×20,000株+251円×4,200株+252円×800株)
    = 39,200円

    及び

    イ.当該超える数量が0株であることから、0円

    の合計額39,200円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、30,000円となる。

    (3) 金融商品取引法第185条の7第15項の規定により、上記(2)で計算した額を1.5倍し、45,000円となる。
     

  • 2.ソフトフロント株式に係る違反行為期間Bの取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、29,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量7,000株に、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(264円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量22,400株を加えた29,400株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(29,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

     (265円×14,400株+267円×4,600株+270円×5,000株+271円×5,000株)
    -(264円×29,000株)
    = 93,200円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(29,400株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(29,000株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(718円)に当該超える数量400株(29,400株-29,000株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

     (718円×400株)
    -(271円×400株)
    = 178,800円

    の合計額272,000円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、270,000円となる。

    (3) 金融商品取引法第185条の7第15項の規定により、上記(2)で計算した額を1.5倍し、405,000円となる。
     

  • 3.アジアゲート株式に係る取引について

    (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、65,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量40,000株に、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(107円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量43,500株を加えた83,500株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(65,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

     (107円×1,000株+108円×21,500株+109円×34,500株+110円×8,000株)
    -(107円×61,000株+109円×3,400株+110円×600株)
    = 105,900円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(83,500株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(65,000株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(114円)に当該超える数量18,500株(83,500株-65,000株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

     (114円×18,500株)
    -(107円×18,500株)
    = 129,500円

    の合計額235,400円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、230,000円となる。

    (3) 金融商品取引法第185条の7第15項の規定により、上記(2)で計算した額を1.5倍し、345,000円となる。
     

  • 4.上記、1.ないし3.により算定した額の合計
    45,000円+405,000円+345,000円=795,000円となる。

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