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平成31年3月1日
証券取引等監視委員会

タカタ株式会社社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

1.勧告の内容


 証券取引等監視委員会は、タカタ株式会社社員による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

2.法令違反の事実関係

(1)課徴金納付命令対象者(1)について 
 課徴金納付命令対象者(1)は、タカタ株式会社(以下「タカタ」という。平成29年7月27日上場廃止、平成30年6月21日TKJPに商号変更。)の社員であったが、同人がその職務に関し、タカタの業務執行を決定する機関が、キー・セイフティー・システムズ社(以下「KSS」という。)に対し事業譲渡を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成29年6月26日より前の同月12日、自己の計算において、タカタ株式合計4100株を売付価額合計197万6200円で売り付けたものである。

(2)課徴金納付命令対象者(2)について
 課徴金納付命令対象者(2)は、タカタの社員であったが、同人がその職務に関し、タカタの業務執行を決定する機関が、KSSに対し事業譲渡を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成29年6月26日より前の同年5月19日及び同年6月2日、自己の計算において、タカタ株式合計400株を売付価額合計19万1500円で売り付けたものである。

(3)課徴金納付命令対象者(3)について
 課徴金納付命令対象者(3)は、タカタの社員であったが、同人がその職務に関し、タカタの業務執行を決定する機関が、KSSに対し事業譲渡を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成29年6月26日より前の同月6日、自己の計算において、タカタ株式合計400株を売付価額合計19万4000円で売り付けたものである。

(4)課徴金納付命令対象者(4)について
 課徴金納付命令対象者(4)は、タカタの社員であったが、同人がその職務に関し、タカタの業務執行を決定する機関が、KSSに対し事業譲渡を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成29年6月26日より前の同年5月11日、自己の計算において、タカタ株式合計2800株を売付価額合計114万8000円で売り付けたものである。

(5)課徴金納付命令対象者(5)について
 課徴金納付命令対象者(5)は、タカタの社員であったが、同人がその職務に関し、タカタの業務執行を決定する機関が、KSSに対し事業譲渡を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成29年6月26日より前の同年5月11日、自己の計算において、タカタ株式合計3600株を売付価額合計148万3200円で売り付けたものである。

(6)課徴金納付命令対象者(6)について
 課徴金納付命令対象者(6)は、タカタの社員であったが、同人がその職務に関し、タカタの業務執行を決定する機関が、KSSに対し事業譲渡を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成29年6月26日より前の同年5月17日、自己の計算において、タカタ株式合計400株を売付価額合計16万1600円で売り付けたものである。

(7)課徴金納付命令対象者(7)について
 課徴金納付命令対象者(7)は、タカタの社員であったが、同人がその職務に関し、タカタの業務執行を決定する機関が、民事再生手続開始の申立てを行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成29年6月26日より前の同年5月19日及び同年6月1日、自己の計算において、タカタ株式合計3600株を売付価額合計162万2500円で売り付けたものである。

(8)課徴金納付命令対象者(8)について
 課徴金納付命令対象者(8)は、タカタの社員であったが、同人がその職務に関し、タカタの業務執行を決定する機関が、民事再生手続開始の申立てを行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成29年6月26日より前の同月13日、自己の計算において、タカタ株式合計1000株を売付価額合計48万7000円で売り付けたものである。

(9)課徴金納付命令対象者(9)について
 課徴金納付命令対象者(9)は、タカタの社員であったが、同人がその職務に関し、タカタの業務執行を決定する機関が、民事再生手続開始の申立てを行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、上記事実の公表がされた平成29年6月26日より前の同月12日、自己の計算において、タカタ株式合計1600株を売付価額合計79万2000円で売り付けたものである。

 各違反行為事実の概要については、別図のとおり。

 課徴金納付命令対象者(1)ないし(9)が行った上記の各行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。  

3.課徴金の額の計算


 上記の各違反行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。

 課徴金納付命令対象者(1)191万円
 課徴金納付命令対象者(2) 18万円
 課徴金納付命令対象者(3) 18万円
 課徴金納付命令対象者(4)110万円
 課徴金納付命令対象者(5)142万円
 課徴金納付命令対象者(6) 15万円
 課徴金納付命令対象者(7)156万円
 課徴金納付命令対象者(8) 47万円
 課徴金納付命令対象者(9) 76万円

 計算方法の詳細については、別紙のとおり。

4.その他


 本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報も参考として、実態解明を行ったものである。


 (別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
(クリックすると拡大されます)

 


 (別紙)

○課徴金の額の計算方法について

1. 課徴金納付命令対象者(1)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて、当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(15円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(482円×4,100株)-(15円×4,100株)
=1,914,700円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

2. 課徴金納付命令対象者(2)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて、当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(15円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(475円×300株+490円×100株)-(15円×400株)
=185,500円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

3. 課徴金納付命令対象者(3)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて、当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(15円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(485円×400株)-(15円×400株)
=188,000円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

4. 課徴金納付命令対象者(4)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて、当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(15円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(410円×2,800株)-(15円×2,800株)
=1,106,000円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

5. 課徴金納付命令対象者(5)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて、当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(15円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(412円×3,600株)-(15円×3,600株)
=1,429,200円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

6. 課徴金納付命令対象者(6)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて、当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(15円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(404円×400株)-(15円×400株)
=155,600円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

7. 課徴金納付命令対象者(7)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて、当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(15円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(409円×1,700株+488円×1,900株)-(15円×3,600株)
=1,568,500円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

8. 課徴金納付命令対象者(8)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて、当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(15円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(487円×1,000株)-(15円×1,000株)
=472,000円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

9. 課徴金納付命令対象者(9)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第1号の規定により、当該有価証券の売付けについて、当該有価証券の売付けをした価格にその数量を乗じて得た額から業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も低い価格(15円)に当該有価証券の売付けの数量を乗じて得た額を控除した額。

(495円×1,600株)-(15円×1,600株)
=768,000円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

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