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令和元年11月19日
証券取引等監視委員会
株式会社シーズメンとの契約締結交渉者2名からそれぞれ伝達を受けた者2名による内部者取引及び当該契約締結交渉者2名による重要事実に係る伝達行為に対する課徴金納付命令の勧告について
証券取引等監視委員会は、株式会社シーズメンとの契約締結交渉者2名からそれぞれ伝達を受けた者2名による内部者取引及び当該契約締結交渉者2名による重要事実に係る伝達行為について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
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2.法令違反の事実関係
(1)課徴金納付命令対象者(1)について
課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社シーズメン(以下「シーズメン」という。)と、同社が新たに発行する株式の総数引受契約の締結交渉をしていた課徴金納付命令対象者(2)から、同人が契約締結交渉に関し知った、シーズメンの業務執行を決定する機関が同社の発行する株式を引き受ける者の募集を行うことについての決定をした旨の重要事実の伝達を受けながら、前記重要事実の公表がされた平成30年8月15日より前の、同月3日から9日までの間に、自己の計算において、シーズメン株式合計7400株を買付価額合計498万7600円で買い付けたものである。
違反行為事実の概要については、別図のとおり。
課徴金納付命令対象者(1)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
(2)課徴金納付命令対象者(2)について
課徴金納付命令対象者(2)は、同人が、シーズメンとの、同社が新たに発行する株式の総数引受契約の締結交渉に関し知った、シーズメンの業務執行を決定する機関が同社の発行する株式を引き受ける者の募集を行うことについての決定をした旨の重要事実を、課徴金納付命令対象者(1)に対し、前記重要事実の公表がされる前に、シーズメン株式の買付けをさせることにより、同人に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。
課徴金納付命令対象者(1)は、前記重要事実が公表された平成30年8月15日より前の、同月3日から9日までの間に、シーズメン株式合計7400株を買付価額合計498万7600円で買い付けたものである。
違反行為事実の概要については、別図のとおり。
課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条の2第1項に規定する「第167条の2第1項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の売買等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。
(3)課徴金納付命令対象者(3)について
課徴金納付命令対象者(3)は、シーズメンと、同社が新たに発行する株式の総数引受契約の締結交渉をしていた課徴金納付命令対象者(4)から、同人が契約締結交渉に関し知った、シーズメンの業務執行を決定する機関が、同社の発行する株式を引き受ける者の募集を行うことについての決定をした旨の重要事実の伝達を受けながら、前記重要事実の公表がされた平成30年8月15日より前の、同年7月30日、自己の計算において、シーズメン株式合計1万2000株を買付価額合計853万8100円で買い付けたものである。
違反行為事実の概要については、別図のとおり。
課徴金納付命令対象者(3)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
(4)課徴金納付命令対象者(4)について
課徴金納付命令対象者(4)は、同人が、シーズメンとの、同社が新たに発行する株式の総数引受契約の締結交渉に関し知った、シーズメンの業務執行を決定する機関が、同社の発行する株式を引き受ける者の募集を行うことについての決定をした旨の重要事実の伝達を、課徴金納付命令対象者(3)に対し、前記重要事実の公表がされる前にシーズメン株式の買付けをさせることにより、同人に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。
課徴金納付命令対象者(3)は、前記重要事実の公表がされた平成30年8月15日より前の、同年7月30日、シーズメン株式合計1万2000株を買付価額合計853万8100円で買い付けたものである。
違反行為事実の概要については、別図のとおり。
課徴金納付命令対象者(4)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条の2第1項に規定する「第167条の2第1項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の売買等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。 -
3.課徴金の額の計算
上記の違反行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。
課徴金納付命令対象者(1)185万円
課徴金納付命令対象者(2) 92万円
課徴金納付命令対象者(3)254万円
課徴金納付命令対象者(4)127万円
計算方法の詳細については、別紙のとおり。 -
4.その他
本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報も参考として、実態解明を行ったものである。
○違反行為事実の概要について
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〇課徴金の額の計算について
1.課徴金納付命令対象者(1)について
金融商品取引法第175条第1項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(924円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
(924円×7,400株)
-(665円×500株+668円×700株+669円×1,000株+670円×1,000株
+671円×100株+672円×100株+673円×500株+674円×600株
+675円×500株+677円×500株+679円×300株+680円×300株
+683円×300株+684円×300株+685円×700株)
=1,850,000円
2.課徴金納付命令対象者(2)について
(1)金融商品取引法第175条の2第1項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該買付けによって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。
利得相当額とは、同条第3項第2号の規定により、情報受領者等が特定有価証券等の買付けをした場合、当該特定有価証券等の買付けについて、業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(924円)に当該特定有価証券等の買付けの数量を乗じて得た額から当該特定有価証券等の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
{(924円×7,400株)
-(665円×500株+668円×700株+669円×1,000株+670円×1,000株
+671円×100株+672円×100株+673円×500株+674円×600株
+675円×500株+677円×500株+679円×300株+680円×300株
+683円×300株+684円×300株+685円×700株)}×1/2
=925,000円
(2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。
3.課徴金納付命令対象者(3)について
(1)金融商品取引法第175条第1項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(924円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
(924円×12,000株)
-(681円×300株+683円×200株+689円×100株+690円×100株+691円×100株+709円×100株+710円×100株+711円×1,900株+714円×9,100株)
=2,549,900円
(2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。
4.課徴金納付命令対象者(4)について
(1) 金融商品取引法第175条の2第1項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該買付けによって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。
利得相当額とは、同条第3項第2号の規定により、情報受領者等が特定有価証券等の買付けをした場合、当該特定有価証券等の買付けについて、業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(924円)に当該特定有価証券等の買付けの数量を乗じて得た額から当該特定有価証券等の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
{(924円×12,000株)
-(681円×300株+683円×200株+689円×100株+690円×100株+691円×100株+709円×100株+710円×100株+711円×1,900株+714円×9,100株)}×1/2
=1,274,950円
(2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。