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令和元年11月26日
証券取引等監視委員会

ニュース証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

1.勧告の内容
  関東財務局長がニュース証券株式会社(東京都渋谷区、法人番号1011001036691、代表取締役会長 西川 敏明(にしかわ としあき)、資本金10億円、常勤役職員41名、第一種金融商品取引業、投資運用業、以下「当社」という。)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。
 
2.事実関係
(1) 金融商品取引業等の登録を受けていない者に有価証券の取得勧誘を行わせている状況
  当社営業本部傘下のA営業員及びB部長(以下「当社営業員ら」という。)は、社外の複数の知人ら(金融商品取引業等の登録はない。)に、A営業員が企画した有価証券の取得勧誘を依頼し、この結果、依頼を受けた知人が取得勧誘を行い、当社は、平成28年7月、顧客に有価証券を購入させた。
 
(2) 検査忌避
  当社営業員らは、今回検査において、上記(1)の状況を隠蔽するため、かねて有価証券の取得勧誘を依頼していた知人に対し、当局の質問には顧客に詳しい商品説明はしていない旨答えるよう依頼するなど、正常な検査の進行を妨げる行為を行った。これらの行為は、事実確認を大幅に遅延させており、悪質な行為と認められる。当社経営陣は、検査官から、検査を妨害する行為を行わないよう重ねて要請されていたにもかかわらず、上記の行為を防止していない。
 
(3) 経営管理態勢及び内部管理態勢が不十分な状況
  当社経営陣及び有価証券の取得勧誘の適切性をチェックすべき関連部署は、当社営業員らによる営業活動を漫然と同人ら任せにし、営業結果報告において知人らから顧客紹介を受ける方法に言及された際にも具体的な内容の把握を怠り、顧客説明用資料の広告審査を行った際にも配付方法、配付先等を確認しないなどにより、上記(1)の状況を見過ごしている。また、当社営業員らが開拓した金融商品仲介業者との業務委託契約に際しての審査やそれらの業者による勧誘実態の把握を怠っているほか、当社営業員らが勧誘資料の配分先における具体的な勧誘人数、勧誘資料廃棄実態等を把握しない、私募の人数管理が不十分な状況も生じさせており、経営管理態勢及び内部管理態勢は杜撰なものとなっていた。
 
  当社における上記のような業務運営状況は、金融商品取引法第51条に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。
  また、当社が行った上記(2)の行為は、金融商品取引法第56条の2第1項の規定による検査を拒み、妨げ、忌避するものであり、同法第198条の6第11号及び同法第207条第1項第4号に該当するものと認められる。

(参考条文)
○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(金融商品取引業者に対する業務改善命令)
第五十一条 内閣総理大臣は、金融商品取引業者の業務の運営又は財産の状況に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該金融商品取引業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(報告の徴取及び検査)
第五十六条の二 内閣総理大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、金融商品取引業者等、これと取引をする者、当該金融商品取引業者等(登録金融機関を除く。)がその総株主等の議決権の過半数を保有する銀行等(以下この項において「子特定法人」という。)、当該金融商品取引業者等を子会社(第二十九条の四第四項に規定する子会社をいう。以下この条において同じ。)とする持株会社若しくは当該金融商品取引業者等から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この項において同じ。)に対し当該金融商品取引業者等の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料(当該子特定法人にあつては、当該金融商品取引業者等(登録金融機関を除く。)の財産に関し参考となるべき報告又は資料に限る。)の提出を命じ、又は当該職員に当該金融商品取引業者等、当該子特定法人、当該金融商品取引業者等を子会社とする持株会社若しくは当該金融商品取引業者等から業務の委託を受けた者の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該子特定法人にあつては当該金融商品取引業者等(登録金融機関を除く。)の財産に関し必要な検査に、当該金融商品取引業者等を子会社とする持株会社又は当該金融商品取引業者等から業務の委託を受けた者にあつては当該金融商品取引業者等の業務又は財産に関し必要な検査に限る。)をさせることができる。
(以下、略)
 
第百九十八条の六 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一~十 (略)
十一 第五十六条の二、第五十七条の十第一項、第五十七条の二十三、第五十七条の二十六第二項、第六十条の十一(第六十条の十四第二項において準用する場合を含む。)、第六十三条の六(第六十三条の三第二項において準用する場合を含む。)、第六十六条の二十二、第六十六条の四十五第一項、第六十六条の六十七、第七十五条、第七十九条の四、第百三条の四、第百六条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六条の十六、第百六条の二十第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六条の二十七(第百九条において準用する場合を含む。)、第百五十一条(第百五十三条の四において準用する場合を含む。)、第百五十五条の九、第百五十六条の五の四、第百五十六条の五の八、第百五十六条の十五、第百五十六条の二十の十二、第百五十六条の三十四、第百五十六条の八十、第百五十六条の八十九、第百八十五条の五又は第百八十七条第一項第四号の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
(以下、略)
 
第二百七条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項及び次項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一~三 (略)
四 第百九十八条の六(第八号、第九号、第十二号、第十三号及び第十五号を除く。)又は第百九十九条 二億円以下の罰金刑
(以下、略)

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