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令和元年12月6日
証券取引等監視委員会

日本フォームサービス株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

 
 
1.勧告の内容
 
 証券取引等監視委員会は、日本フォームサービス株式会社(法人番号1011701006077)(以下「当社」という。)における有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
 
 
2.法令違反の事実関係
 
 当社は、当社及び子会社における売上の前倒し計上、仕入除外による売上原価の過少計上及び固定資産の減損損失の先送り等、不適正な会計処理を行った。また、有価証券報告書中の「第一部 企業情報」・「第4 提出会社の状況」・「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」・「(1)コーポレート・ガバナンスの状況」において、実態とは異なる記載を行った。

 この結果、当社は、関東財務局長に対し、金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある以下の有価証券報告書及び四半期報告書を提出したものである(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1‐1のとおり。)。
 
  ・平成27年6月第3四半期四半期報告書(平成27年8月14日提出)
  ・平成27年9月期有価証券報告書(平成27年12月24日提出)
  ・平成28年9月期有価証券報告書(平成28年12月22日提出)
  ・平成28年12月第1四半期四半期報告書(平成29年2月14日提出)
  ・平成29年3月第2四半期四半期報告書(平成29年5月15日提出)
  ・平成29年6月第3四半期四半期報告書(平成29年8月14日提出)
  ・平成29年9月期有価証券報告書(平成29年12月21日提出)
  ・平成29年12月第1四半期四半期報告書(平成30年2月14日提出)
  ・平成30年3月第2四半期四半期報告書(平成30年5月15日提出)
  ・平成30年6月第3四半期四半期報告書(平成30年8月14日提出)
  ・平成30年9月期有価証券報告書(平成30年12月20日提出)
 
 
3.課徴金の額の計算
 
 上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、2,400万円である(計算方法については別紙2のとおり。)。

(参考)公認会計士・監査審査会は、「監査法人大手門会計事務所に対する検査結果に基づく勧告について」を公表しております(監査法人大手門会計事務所は、当社の前監査法人)。




【別紙1‐1】日本フォームサービス株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載内容

番号 開示書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 記載項目 内容(注) 主な事由
平成27年8月14日 第59期第3四半期(平成27年4月1日~平成27年6月30日)に係る四半期報告書 平成26年10月1日~平成27年6月30日の第3四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 四半期純利益が▲6百万円であるところを20百万円と記載 ・売上原価の過少計上
平成27年12月24日 第59期(平成26年10月1日~平成27年9月30日)に係る有価証券報告書 平成26年10月1日~平成27年9月30日の連結会計期間 連結
損益計算書
当期純利益が▲17百万円であるところを44百万円と記載 ・売上の前倒し計上
・売上原価の過少計上
平成28年12月22日 第60期(平成27年10月1日~平成28年9月30日)に係る有価証券報告書 平成27年10月1日~平成28年9月30日の連結会計期間 連結
貸借対照表
連結純資産額が2,129百万円であるところを3,071百万円と記載 ・売上の前倒し計上
・売上原価の過少計上
・固定資産の減損損失の不計上
連結
損益計算書
親会社株主に帰属する当期純利益が▲797百万円であるところを6百万円と記載
【別紙1-2】のとおり、「第一部 企業情報」・「第4 提出会社の状況」・「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」・「(1)コーポレート・ガバナンスの状況」に、実態と異なる記載
平成29年2月14日 第61期第1四半期(平成28年10月1日~平成28年12月31日)に係る四半期報告書 平成28年10月1日~平成28年12月31日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が2,083百万円であるところを2,989百万円と記載 ・過去の固定資産の減損損失の不計上による純資産の過大計上
平成29年5月15日 第61期第2四半期(平成29年1月1日~平成29年3月31日)に係る四半期報告書 平成29年1月1日~平成29年3月31日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が2,210百万円であるところを3,038百万円と記載 ・過去の固定資産の減損損失の不計上による純資産の過大計上
平成29年8月14日 第61期第3四半期(平成29年4月1日~平成29年6月30日)に係る四半期報告書 平成29年4月1日~平成29年6月30日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が2,079百万円であるところを3,041百万円と記載 ・過去の固定資産の減損損失の不計上による純資産の過大計上
平成29年12月21日 第61期(平成28年10月1日~平成29年9月30日)に係る有価証券報告書 平成28年10月1日~平成29年9月30日の連結会計期間 連結
貸借対照表
連結純資産額が1,982百万円であるところを3,035百万円と記載 ・売上の前倒し計上
・売上原価の過少計上
・過去の固定資産の減損損失の不計上による純資産の過大計上
連結
損益計算書
親会社株主に帰属する当期純利益が▲136百万円であるところを▲23百万円と記載
【別紙1-2】のとおり、「第一部 企業情報」・「第4 提出会社の状況」・「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」・「(1)コーポレート・ガバナンスの状況」に、実態と異なる記載
平成30年2月14日 第62期第1四半期(平成29年10月1日~平成29年12月31日)に係る四半期報告書 平成29年10月1日~平成29年12月31日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が1,957百万円であるところを2,976百万円と記載 ・過去の固定資産の減損損失の不計上による純資産の過大計上
平成30年5月15日 第62期第2四半期(平成30年1月1日~平成30年3月31日)に係る四半期報告書 平成30年1月1日~平成30年3月31日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が2,058百万円であるところを3,021百万円と記載 ・過去の固定資産の減損損失の不計上による純資産の過大計上
10 平成30年8月14日 第62期第3四半期(平成30年4月1日~平成30年6月30日)に係る四半期報告書 平成30年4月1日~平成30年6月30日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が2,007百万円であるところを2,955百万円と記載 ・過去の固定資産の減損損失の不計上による純資産の過大計上
11 平成30年12月20日 第62期(平成29年10月1日~平成30年9月30日)に係る有価証券報告書 平成29年10月1日~平成30年9月30日の連結会計期間 連結
貸借対照表
連結純資産額が1,936百万円であるところを2,382百万円と記載 ・過去の固定資産の減損損失の不計上による純資産の過大計上
【別紙1-2】のとおり、「第一部 企業情報」・「第4 提出会社の状況」・「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」・「(1)コーポレート・ガバナンスの状況」に、実態と異なる記載
(注)金額は百万円未満切捨てである。
 

【別紙1‐2】「第一部 企業情報」・「第4 提出会社の状況」・「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」・「(1)コーポレート・ガバナンスの状況」の虚偽記載内容
番号 記載事項 虚偽記載の内容
「②企業統治の体制」の記載 ・「取締役会は有価証券報告書提出日現在、3名の取締役で構成され、原則月1回開催の定例の取締役会を開催し、重要事項はすべて付議され、業績の進捗についても議論し、対策を検討しております。」と記載していたが、当社は、取締役会を年3回しか開催しておらず、また、取締役会において重要事項の大部分が付議されていなかった
「②企業統治の体制」の記載 ・当社の監査役は、「取締役会をはじめ、経営会議、開発会議等の重要な会議に出席し、取締役の業務執行について厳正な監査を行っております」と記載していたが、常勤監査役は、これらの会議に出席してはいるものの、取締役の業務執行に関して何ら監査していないなど、当社の監査役は厳正な監査を行っていなかった
「③コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況」・「ii内部統制システムの整備状況」・「Ⅳ 使用人の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体制/取締役の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体制」の記載 ・当社が実施している内部統制システムの内容について「コンプライアンス担当取締役を任命し、監査室を設け全社のコンプライアンスの取組みを横断的に統括することとし、同部を中心に役職員教育を行う。監査室は、コンプライアンスの状況を監査する。これらの活動は定期的に取締役会及び監査役に報告されるものとする。」と記載していたが、当社は、コンプライアンス担当取締役を任命したことはなく、また、監査室も業務分掌規程で規定したのみで実体がなかった
「③コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況」・「ii内部統制システムの整備状況」・「Ⅷ その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制」の記載 ・当社が実施している内部統制システムの内容について「監査役は、代表取締役社長、監査法人とそれぞれ定期的に意見交換会を開催するものとする。」と記載していたが、当社監査役は、会計監査人との間で意見交換を行ったことがなかった
「③コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況」・「ii内部統制システムの整備状況」・「Ⅸ 株式会社並びにその親会社及び子会社からなる集団における業務の適正を確保するための体制」の記載 ・当社が実施している内部統制システムの内容について「当社は、子会社の内部統制を担当する部署を総務部とし、他の事業部と連携し子会社における内部統制の実効性を高める施策を実施するとともに、必要な子会社への指導・支援を実施する。」と記載していたが、当社は、これらの施策や指導・支援を行っておらず、また、「総務部は子会社の内部統制の状況について、年2回及び必要と判断する都度、当社取締役会に報告する。」と記載していたが、当社は、内部統制の状況について取締役会に報告していなかった
「④内部監査及び監査役監査、会計監査の状況」・「i内部監査及び監査役監査の状況」の記載 ・当社監査役は、「監査人との連携を図るために、決算期並びに必要な都度ミーティングを行い、現状の監査状況及び業務執行に対して意見交換を行っております。」と記載していたが、当社監査役は、会計監査人との間で意見交換を行ったことがなかった



【別紙2】課徴金の計算方法
 
(1) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成27年6月第3四半期四半期報告書及び平成27年9月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(1)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
 ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
  平成27年6月第3四半期四半期報告書    69,022円
  平成27年9月期有価証券報告書       67,323円
が、いずれも
 イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成27年6月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成27年9月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・平成27年6月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、2,000,000円
・平成27年9月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、4,000,000円
 
(2) 金融商品取引法第172条の4第1項の規定により、平成28年9月期有価証券報告書について算出した額は、当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額59,374円が6,000,000円を超えないことから、6,000,000円となる。
 
(3) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成28年12月第1四半期四半期報告書、平成29年3月第2四半期四半期報告書、平成29年6月第3四半期四半期報告書及び平成29年9月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(3)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
 ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
  平成28年12月第1四半期四半期報告書   54,989円
  平成29年3月第2四半期四半期報告書    65,333円
  平成29年6月第3四半期四半期報告書    62,525円
  平成29年9月期有価証券報告書       63,438円
が、いずれも
 イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成28年12月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成29年3月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成29年6月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成29年9月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・平成28年12月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成29年3月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成29年6月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成29年9月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、2,400,000円
 
(4) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成29年12月第1四半期四半期報告書、平成30年3月第2四半期四半期報告書、平成30年6月第3四半期四半期報告書及び平成30年9月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(4)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
 ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
  平成29年12月第1四半期四半期報告書   66,232円
  平成30年3月第2四半期四半期報告書     83,890円
  平成30年6月第3四半期四半期報告書    89,331円
  平成30年9月期有価証券報告書       79,916円
が、いずれも
 イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成29年12月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成30年3月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成30年6月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成30年9月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・平成29年12月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成30年3月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成30年6月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成30年9月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、2,400,000円

 

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