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令和2年2月4日
証券取引等監視委員会

ジェイリース株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

 
 
1.勧告の内容
 
 証券取引等監視委員会は、ジェイリース株式会社(法人番号3320001003867)(以下「当社」という。)における有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
 
 
2.法令違反の事実関係
 
(1)継続開示書類
 
 当社は、家賃債務保証事業から発生した代位弁済立替金に係る貸倒引当金を過少に計上するという不適正な会計処理を行った。

 この結果、当社は、九州財務局長に対し、以下のとおり、金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある以下の有価証券報告書及び四半期報告書を提出した(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1の表の1~14のとおり)。
 
・平成28年3月期有価証券報告書(平成28年6月30日提出)
・平成28年6月第1四半期四半期報告書(平成28年8月8日提出)
・平成28年9月第2四半期四半期報告書(平成28年11月8日提出)
・平成28年12月第3四半期四半期報告書(平成29年2月7日提出)
・平成29年3月期有価証券報告書(平成29年6月30日提出)
・平成29年6月第1四半期四半期報告書(平成29年8月9日提出)
・平成29年9月第2四半期四半期報告書(平成29年11月8日提出)
・平成29年12月第3四半期四半期報告書(平成30年2月7日提出)
・平成30年3月期有価証券報告書(平成30年6月28日提出)
・平成30年6月第1四半期四半期報告書(平成30年8月7日提出)
・平成30年9月第2四半期四半期報告書(平成30年12月14日提出)
・平成30年12月第3四半期四半期報告書(平成31年2月6日提出)
・平成31年3月期有価証券報告書(令和元年6月27日提出)
・令和元年6月第1四半期四半期報告書(令和元年8月14日提出)
 
(2)発行開示書類
 
 当社は、九州財務局長に対し、平成28年5月18日、金融商品取引法第172条の2第1項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある発行開示書類を提出し、当該有価証券届出書に基づく募集により、平成28年6月21日、150,000株の有価証券を395,250,000円で取得させたものである(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1の表の15のとおり)。
 
3.課徴金の額の計算
 
 上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、4,478万円である(計算方法については別紙2のとおり。)。



【別紙1】有価証券報告書の虚偽記載内容
番号 対象書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 記載項目 主な内容(注) 主な事由
平成28年6月30日 第13期(平成27年4月1日~平成28年3月31日)に係る有価証券報告書 平成27年4月1日~平成28年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
親会社株主に帰属する当期純利益が65,649千円であるところを87,467千円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成28年8月8日 第14期第1四半期(平成28年4月1日~平成28年6月30日)に係る四半期報告書 平成28年4月1日~平成28年6月30日の第1四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が▲4,988千円であるところを10,497千円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成28年11月8日 第14期第2四半期(平成28年7月1日~平成28年9月30日)に係る四半期報告書 平成28年4月1日~平成28年9月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が▲3,700千円であるところを38,828千円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成29年2月7日 第14期第3四半期(平成28年10月1日~平成28年12月31日)に係る四半期報告書 平成28年4月1日~平成28年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が10,273千円であるところを71,897千円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成29年6月30日 第14期(平成28年4月1日~平成29年3月31日)に係る有価証券報告書 平成28年4月1日~平成29年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
親会社株主に帰属する当期純利益が81,972千円であるところを220,459千円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成29年8月9日 第15期第1四半期(平成29年4月1日~平成29年6月30日)に係る四半期報告書 平成29年4月1日~平成29年6月30日の第1四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が27,003千円であるところを69,886千円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成29年11月8日 第15期第2四半期(平成29年7月1日~平成29年9月30日)に係る四半期報告書 平成29年7月1日~平成29年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結貸借対照表 連結純資産額が935,341千円であるところを1,181,524千円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成29年4月1日~平成29年9月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が25,169千円であるところを111,047千円と記載
平成30年2月7日 第15期第3四半期(平成29年10月1日~平成29年12月31日)に係る四半期報告書 平成29年10月1日~平成29年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結貸借対照表 連結純資産額が905,625千円であるところを1,191,049千円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成29年4月1日~平成29年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が15,851千円であるところを140,971千円と記載
平成30年6月28日 第15期(平成29年4月1日~平成30年3月31日)に係る有価証券報告書 平成29年4月1日~平成30年3月31日の連結会計期間 連結
貸借対照表
連結純資産額が829,493千円であるところを1,304,486千円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
・貸倒引当金繰入額の過少計上
連結
損益計算書
親会社株主に帰属する当期純利益が▲63,544千円であるところを251,144千円と記載
10 平成30年8月7日 第16期第1四半期(平成30年4月1日~平成30年6月30日)に係る四半期報告書 平成30年4月1日~平成30年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結貸借対照表 連結純資産額が799,530千円であるところを1,331,715千円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成30年4月1日~平成30年6月30日の第1四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が5,199千円であるところを62,391千円と記載
11 平成30年12月14日 第16期第2四半期(平成30年7月1日~平成30年9月30日)に係る四半期報告書 平成30年7月1日~平成30年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結貸借対照表 連結純資産額が578,588千円であるところを795,762千円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成30年4月1日~平成30年9月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が▲196,299千円であるところを20,874千円と記載
12 平成31年2月6日 第16期第3四半期(平成30年10月1日~平成30年12月31日)に係る四半期報告書 平成30年10月1日~平成30年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結貸借対照表 連結純資産額が554,803千円であるところを814,436千円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
・貸倒引当金繰入額の過少計上
平成30年4月1日~平成30年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が▲220,168千円であるところを39,464千円と記載
13 令和元年6月27日 第16期(平成30年4月1日~平成31年3月31日)に係る有価証券報告書 平成30年4月1日~平成31年3月31日の連結会計期間 連結
貸借対照表
連結純資産額が625,799千円であるところを893,112千円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
・貸倒引当金繰入額の過少計上
連結
損益計算書
親会社株主に帰属する当期純利益が▲149,938千円であるところを117,374千円と記載
14 令和元年8月14日 第17期第1四半期(平成31年4月1日~令和元年6月30日)に係る四半期報告書 平成31年4月1日~令和元年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結貸借対照表 連結純資産額が646,014千円であるところを916,482千円と記載 ・貸倒引当金の過少計上
15 平成28年5月18日 有価証券届出書(株券の募集)   「第二部 企業情報」・「第5 経理の状況」・「1 連結財務諸表等」・「(2)その他」 平成27年4月1日~平成28年3月31日の連結会計期間に係る経営成績の概要として記載すべき親会社株主に帰属する当期純利益が65,649千円であるところを87,467千円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過少計上
(注)金額は千円未満切捨てである。


【別紙2】課徴金の計算方法
 
(1) 金融商品取引法第172条の4第1項の規定により、平成28年3月期有価証券報告書について算出した額は、当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に相当する額に10万分の6を乗じて得た額17,013円が6,000,000円を超えないことから、6,000,000円となる。
 
(2) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成28年6月第1四半期四半期報告書、平成28年9月第2四半期四半期報告書、平成28年12月第3四半期四半期報告書及び平成29年3月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(2)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
 ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
  平成28年6月第1四半期四半期報告書    211,237円
  平成28年9月第2四半期四半期報告書    206,604円
  平成28年12月第3四半期四半期報告書   236,988円
  平成29年3月期有価証券報告書       226,981円
が、いずれも
 イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成28年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成28年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成28年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成29年3月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した下記の金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・平成28年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成28年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成28年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成29年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、2,400,000円
 
(3) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成29年6月第1四半期四半期報告書、平成29年9月第2四半期四半期報告書、平成29年12月第3四半期四半期報告書及び平成30年3月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(3)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
 ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
  平成29年6月第1四半期四半期報告書    241,001円
  平成29年9月第2四半期四半期報告書    342,561円
  平成29年12月第3四半期四半期報告書   450,629円
  平成30年3月期有価証券報告書       375,953円
が、いずれも
 イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成29年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成29年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成29年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成30年3月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した下記の金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・平成29年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成29年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成29年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成30年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、2,400,000円
 
 
(4) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成30年6月第1四半期四半期報告書、平成30年9月第2四半期四半期報告書、平成30年12月第3四半期四半期報告書及び平成31年3月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(4)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
 ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
  平成30年6月第1四半期四半期報告書    403,357円
  平成30年9月第2四半期四半期報告書    381,173円
  平成30年12月第3四半期四半期報告書   287,909円
  平成31年3月期有価証券報告書       320,110円
が、いずれも
 イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成30年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成30年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成30年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成31年3月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した下記の金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・平成30年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成30年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成30年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成31年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、2,400,000円
 
(5) 金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、令和元年6月第1四半期四半期報告書について算出した額は、当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額177,610円が 6,000,000円を超えないことから、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円となる。
 
(6) 金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、当社の平成28年5月18日提出の有価証券届出書(株券の募集)に係る課徴金の額は、
重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券の発行価額の総額395,250,000円の100分の4.5に相当する額である17,786,250円
に、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、
17,780,000円
となる。
 

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