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令和2年6月16日
証券取引等監視委員会

グローム・ホールディングス株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

 
 
1.勧告の内容
 
 証券取引等監視委員会は、グローム・ホールディングス株式会社(法人番号7012801003743)(以下「当社」という。)における有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
 
 
2.法令違反の事実関係
 
(1)継続開示書類
 
 当社は、子会社において、実態のないコンサルティング業務や商品販売等に係る売上の過大計上、商業施設収用に関して受領する補償金に係る利益の前倒し計上等、不適正な会計処理を行った。
 この結果、当社は、関東財務局長に対し、以下のとおり、金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある以下の有価証券報告書及び四半期報告書を提出した(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1の表の1~5のとおり)。
 
・平成27年3月期有価証券報告書(平成27年6月26日提出)
・平成27年6月第1四半期四半期報告書(平成27年8月14日提出)
・平成27年9月第2四半期四半期報告書(平成27年11月13日提出)
・平成27年12月第3四半期四半期報告書(平成28年2月12日提出)
・平成28年3月期有価証券報告書(平成28年6月28日提出)
 
 
(2)発行開示書類
 
 当社は、関東財務局長に対し、平成28年2月22日、金融商品取引法第172条の2第1項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある発行開示書類を提出し、当該有価証券届出書に基づく募集により、平成28年3月11日、412,200株の有価証券を710,220,600円で取得させたものである(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1の表の6のとおり)。
 
 
 
3.課徴金の額の計算
 
 上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、4,395万円である(計算方法については別紙2のとおり。)。

【別紙1】有価証券報告書の虚偽記載内容
番号 対象書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 記載項目 主な内容(注) 主な事由
平成27年6月26日 第23期(平成26年4月1日~平成27年3月31日)に係る有価証券報告書 平成26年4月1日~平成27年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
当期純利益が
82,270千円であるところを
323,873千円と記載
・売上の過大計上
・利益の前倒し計上
平成27年8月14日 第24期第1四半期(平成27年4月1日~同年6月30日)に係る四半期報告書 平成27年4月1日~同年6月30日の第1四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 営業利益が
108,516千円であるところを
179,467千円と記載
親会社株主に帰属する四半期純利益が
▲56,250千円であるところを
30,432千円と記載
・利益の前倒し計上
平成27年11月13日 第24期第2四半期(平成27年7月1日~同年9月30日)に係る四半期報告書 平成27年4月1日~同年9月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 営業利益が
78,610千円であるところを
151,119千円と記載
・利益の前倒し計上
平成28年2月12日 第24期第3四半期(平成27年10月1日~同年12月31日)に係る四半期報告書 平成27年4月1日~同年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 営業利益が
▲5,063千円であるところを
69,005千円と記載
・利益の前倒し計上
平成28年6月28日 第24期(平成27年4月1日~平成28年3月31日)に係る有価証券報告書 平成27年4月1日~平成28年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
営業利益が
▲73,457千円であるところを
216,872千円と記載
経常利益が
▲706,198千円であるところを
▲360,116千円と記載
・売上の過大計上
平成28年2月22日 有価証券届出書(株券の募集)   「第四部 組込情報」 番号1に掲げる第23期に係る有価証券報告書及び番号4に掲げる第24期第3四半期に係る四半期報告書を組み込み ・売上の過大計上
・利益の前倒し計上
(注)金額は千円未満切捨てである。


【別紙2】課徴金の計算方法
 
(1) 金融商品取引法第172条の4第1項の規定により、平成27年3月期有価証券報告書について算出した課徴金の額は、当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に相当する額に10万分の6を乗じて得た額101,156円が6,000,000円を超えないことから、6,000,000円となる。
 
(2) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成27年6月第1四半期四半期報告書、平成27年9月第2四半期四半期報告書、平成27年12月第3四半期四半期報告書及び平成28年3月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(2)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
 ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
  平成27年6月第1四半期四半期報告書    162,430円
  平成27年9月第2四半期四半期報告書    294,616円
  平成27年12月第3四半期四半期報告書   227,202円
  平成28年3月期有価証券報告書       237,185円
が、いずれも
 イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成27年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成27年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成27年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成28年3月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した下記の金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・平成27年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成27年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成27年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成28年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、2,400,000円
 
(3) 金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、当社の平成28年2月22日提出の有価証券届出書(株券の募集)に係る課徴金の額は、
重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券の発行価額の総額710,220,600円の100分の4.5に相当する額である31,959,927円
に、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、
31,950,000円
となる。
 
 

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