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令和2年11月13日
証券取引等監視委員会

クリエイトジャパン株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

1.勧告の内容

 関東財務局長がクリエイトジャパン株式会社(東京都中央区、法人番号5010001141300、代表取締役社長 井尾 義夫(いお よしお)、資本金3.03億円、常勤役職員53名、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取業、以下「当社」という。)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

2.事実関係

○ 経営管理態勢等が極めて杜撰であることにより、長期間にわたり、継続的かつ恒常的に多数の営業員により法令違反行為が行われている状況

(1)法令違反行為が行われている状況

 当社は、取引所為替証拠金取引を取り扱っているところ、平成31年1月から令和2年1月までの期間において、当社営業員32名が行った見込顧客74名に対する新規口座開設に向けた当該取引に係る電話勧誘の状況について検証した結果、以下の事実が認められた。

ア 勧誘受諾意思確認義務違反
 営業員10名は、見込顧客から新規口座開設に向けた勧誘を拒絶され、勧誘を行うことができなくなることを避けるため、18名の見込顧客に対し、当該勧誘に先立って、勧誘受諾意思の有無を確認することなく勧誘行為を行っていた。
イ 再勧誘の禁止違反
 営業員30名は、40名の見込顧客から勧誘継続の拒絶の意思表示を受けたにもかかわらず、営業員自身の営業成績の向上を優先し、後日、電話を架けて再び勧誘行為を行っていた。
 

 当社における上記アの行為は、金融商品取引法第38条第5号に該当するものと認められる。また、当社における上記イの行為は、同法第38条第6号に該当するものと認められる。

(2)経営管理態勢等が極めて杜撰な状況

 上記(1)のような状況は、遅くとも平成28年4月以降、継続的かつ恒常的に認められており、これらが是正されなかった原因として、以下の業務運営上の問題点があると認められた。

  • ア 代表取締役社長は、顧客からの苦情等がなければ法令等遵守に問題はないと安易に認識しているほか、営業面の推進や管理を担当役員に任せきりにし、電話営業を主体とする当社のビジネスモデルに応じたリスクを管理すべきとの認識はなく、社内でこれらに関する検討・議論を行わせていなかった。
  • イ 営業責任者であった担当役員は、当社業容の維持・拡大のため、上記(1)の法令違反行為が行われることをむしろ容認し、多数の営業員に法令違反を顧みない営業を行わせていた。
  • ウ 内部管理担当役員は、日々の営業員の営業活動をモニタリングする必要性を認識していないため、当該モニタリングによって法令等遵守を実践するための管理態勢の整備を怠っていた。
 

 以上のとおり、当社経営陣は、当社の収益獲得を優先するあまり、法令等遵守を蔑ろにし、社内で広く法令違反行為が行われることによって業務を持続させており、当社の経営管理態勢等は極めて杜撰であると認められる。

 

(注)上記(2)における代表取締役社長等については、検査基準日(令和2年1月24日)時点の役職名にて記載。

 

(参考条文)

  ○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

  (禁止行為)
第三十八条 金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。(略)
一~四 (略)
五 金融商品取引契約(当該金融商品取引契約の内容その他の事情を勘案し、投資者の保護を図ることが必要なものとして政令で定めるものに限る。)の締結につき、その勧誘に先立つて、顧客に対し、その勧誘を受ける意思の有無を確認することをしないで勧誘をする行為
六 金融商品取引契約(当該金融商品取引契約の内容その他の事情を勘案し、投資者の保護を図ることが必要なものとして政令で定めるものに限る。)の締結の勧誘を受けた顧客が当該金融商品取引契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続する行為
(以下、略)

  ○ 金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号)(抄)

  (不招請勧誘等が禁止される契約)
第十六条の四 (略)
2 法第三十八条第五号及び第六号に規定する政令で定めるものは、前項各号に掲げる契約又は次に掲げる契約とする。
一 顧客のために市場デリバティブ取引のうち次に掲げる取引の媒介、取次ぎ(有価証券等清算取次ぎを除く。)若しくは代理を行うこと又はこれらの取引の委託の媒介、取次ぎ若しくは代理を行うことを内容とする契約
イ 売買の当事者が将来の一定の時期において金融商品(法第二条第二十四項第二号若しくは第三号に掲げるもの又は同項第五号に掲げるもの(同項第二号に掲げるものに係るものに限る。)に限る。以下この号において同じ。)及びその対価の授受を約する売買であつて、当該売買の目的となつている金融商品の転売又は買戻しをしたときは差金の授受によつて決済することができる取引
(以下、略)

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