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令和3年1月29日
証券取引等監視委員会

ユー・エム・シー・エレクトロニクス株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

 
1.勧告の内容
 
 証券取引等監視委員会は、ユー・エム・シー・エレクトロニクス株式会社(法人番号1030001044117)(以下「当社」という。)における金融商品取引法に基づく開示規制の違反について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
 
 
2.法令違反の事実関係 

(1)継続開示書類

 当社の連結子会社は、売上の過大計上、買掛金の過少計上による売上原価の過少計上、在庫の過大計上による売上原価の過少計上等の不適正な会計処理を行った。
 この結果、当社は、関東財務局長に対し、金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある以下の有価証券報告書及び四半期報告書を提出した(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1の表の番号1から番号13のとおり)。

・平成28年3月期有価証券報告書(平成28年6月29日提出)
・平成28年6月第1四半期四半期報告書(平成28年8月12日提出)
・平成28年9月第2四半期四半期報告書(平成28年11月14日提出)
・平成28年12月第3四半期四半期報告書(平成29年2月14日提出)
・平成29年3月期有価証券報告書(平成29年6月28日提出)
・平成29年6月第1四半期四半期報告書(平成29年8月10日提出)
・平成29年9月第2四半期四半期報告書(平成29年11月13日提出)
・平成29年12月第3四半期四半期報告書(平成30年2月13日提出)
・平成30年3月期有価証券報告書(平成30年6月27日提出)
・平成30年6月第1四半期四半期報告書(平成30年8月10日提出)
・平成30年9月第2四半期四半期報告書(平成30年11月13日提出)
・平成30年12月第3四半期四半期報告書(平成31年2月14日提出)
・平成31年3月期有価証券報告書(令和元年6月28日提出)


(2)発行開示書類

ア 当社は、関東財務局長に対し、平成28年2月9日、金融商品取引法第172条の2第1項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある有価証券届出書(株券の募集)を提出し、当該有価証券届出書に基づく募集により、平成28年3月14日、1,613,000株の株券を4,113,150,000円で取得させた(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1の表の番号14のとおり)。
イ 当社は、関東財務局長に対し、平成30年5月24日、上記(1)の重要な事項につき虚偽の記載がある平成29年3月期有価証券報告書、平成29年6月第1四半期四半期報告書、平成29年9月第2四半期四半期報告書及び平成29年12月第3四半期四半期報告書を参照情報とする金融商品取引法第172条の2第1項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある有価証券届出書(株券の募集)を提出し、当該有価証券届出書に基づく募集により、平成30年6月11日、3,032,400株の株券を8,367,240,672円で取得させた(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1の表の番号15のとおり)。
 

3.課徴金の額の計算
 
 上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、3億9,615万円である(計算方法については別紙2のとおり。)。
 

【別紙1】有価証券報告書等の虚偽記載内容
 
番号 対象書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 記載項目 主な内容(注) 主な事由
平成28年6月29日 第49期(平成27年4月1日~平成28年3月31日)に係る有価証券報告書 平成27年4月1日~平成28年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
親会社株主に帰属する当期純利益が
1,195百万円であるところを1,814百万円と記載
売上の過大計上
連結
貸借対照表
連結純資産額が
11,403百万円であるところを15,963百万円と記載
当期の売上の過大計上、当期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成28年8月12日 第50期第1四半期(平成28年4月1日~同年6月30日)に係る四半期報告書 平成28年4月1日~同年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
9,845百万円であるところを14,261百万円と記載
当四半期の売上の過大計上、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成28年11月14日 第50期第2四半期(平成28年7月1日~同年9月30日)に係る四半期報告書 平成28年7月1日~同年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
10,017百万円であるところを14,494百万円と記載
当四半期の売上の過大計上、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成29年2月14日 第50期第3四半期(平成28年10月1日~同年12月31日)に係る四半期報告書 平成28年10月1日~同年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
11,783百万円であるところを16,435百万円と記載
当四半期の売上の過大計上、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成29年6月28日 第50期(平成28年4月1日~平成29年3月31日)に係る有価証券報告書 平成28年4月1日~平成29年3月31日の連結会計期間 連結
貸借対照表
連結純資産額が
11,698百万円であるところを16,636百万円と記載
当期の売上原価の過少計上、当期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成29年8月10日 第51期第1四半期(平成29年4月1日~同年6月30日)に係る四半期報告書 平成29年4月1日~同年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
12,278百万円であるところを16,910百万円と記載
当四半期の売上の過大計上、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成29年11月13日 第51期第2四半期(平成29年7月1日~同年9月30日)に係る四半期報告書 平成29年7月1日~同年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
12,977百万円であるところを17,673百万円と記載
当四半期の売上の過大計上、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成30年2月13日 第51期第3四半期(平成29年10月1日~同年12月31日)に係る四半期報告書 平成29年10月1日~同年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
12,929百万円であるところを18,197百万円と記載
当四半期、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成30年6月27日 第51期(平成29年4月1日~平成30年3月31日)に係る有価証券報告書 平成29年4月1日~平成30年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
親会社株主に帰属する当期純利益が
512百万円であるところを1,518百万円と記載
売上原価の過少計上
連結
貸借対照表
連結純資産額が
12,381百万円であるところを18,208百万円と記載
当期の売上原価の過少計上、当期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
10 平成30年8月10日 第52期第1四半期(平成30年4月1日~同年6月30日)に係る四半期報告書 平成30年4月1日~同年6月30日の第1四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
親会社株主に帰属する四半期純利益が
▲925百万円であるところを▲50百万円と記載
・売上の過大計上
・売上原価の過少計上
平成30年4月1日~同年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
18,637百万円であるところを25,746百万円と記載
当四半期、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
11 平成30年11月13日 第52期第2四半期(平成30年7月1日~同年9月30日)に係る四半期報告書 平成30年4月1日~同年9月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
親会社株主に帰属する四半期純利益が
▲1,045百万円であるところを489百万円と記載
・売上の過大計上
・売上原価の過少計上
平成30年7月1日~同年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が18,448百万円であるところを
26,447百万円と記載
当四半期、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
12 平成31年2月14日 第52期第3四半期(平成30年10月1日~同年12月31日)に係る四半期報告書 平成30年4月1日~同年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
親会社株主に帰属する四半期純利益が
▲1,682百万円であるところを688百万円と記載
・売上の過大計上
・売上原価の過少計上
平成30年10月1日~同年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
17,651百万円であるところを26,185百万円と記載
当四半期、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
13 令和元年6月28日 第52期(平成30年4月1日~平成31年3月31日)に係る有価証券報告書 平成30年4月1日~平成31年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
親会社株主に帰属する当期純利益が
▲2,098百万円であるところを858百万円と記載
・売上の過大計上
・売上原価の過少計上
連結
貸借対照表
連結純資産額が
17,444百万円であるところを26,588百万円と記載
当期、当期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
14 平成28年2月9日 有価証券届出書(株券の募集) 平成25年4月1日~平成26年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
当期純利益が904百万円であるところを1,396百万円と記載 売上の過大計上
連結
貸借対照表
連結純資産額が4,479百万円であるところを7,744百万円と記載 当期の売上の過大計上、当期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成26年4月1日~平成27年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
当期純利益が1,027百万円であるところを1,525百万円と記載 売上の過大計上
連結
貸借対照表
連結純資額が7,023百万円であるところを11,388百万円と記載 当期の売上の過大計上、当期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
平成27年4月1日~同年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する四半期純利益が672百万円であるところを1,249百万円と記載 売上の過大計上
平成27年10月1日~同年12月31日の第3四半連結会計期間 四半期連結貸借対照表 連結純資産額が7,095百万円であるところを11,897百万円と記載 当四半期の売上の過大計上、当四半期前の売上の過大計上及び売上原価の過少計上による純資産の過大計上
15 平成30年5月24日 有価証券届出書
(株券の募集)
  「第三部 
参照情報」
番号5~8に掲げる第50期に係る有価証券報告書並びに第51期第1四半期、第2四半期及び第3四半期に係る四半期報告書を参照 番号5~8参照









(注)金額は百万円未満切捨てである。


【別紙2】課徴金の計算方法
 
(1) 金融商品取引法第172条の4第1項の規定により、平成28年3月期有価証券報告書について算出した課徴金の額は、
 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額1,078,694円が6,000,000円を超えないことから、6,000,000円
となる。

(2) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成28年6月第1四半期四半期報告書、平成28年9月第2四半期四半期報告書、平成28年12月第3四半期四半期報告書及び平成29年3月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(2)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
・平成28年6月第1四半期四半期報告書に係る額     1,056,713円
・平成28年9月第2四半期四半期報告書に係る額       1,219,085円
・平成28年12月第3四半期四半期報告書に係る額      1,298,198円
・平成29年3月期有価証券報告書に係る額          1,275,419円
が、いずれも
イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成28年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成28年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成28年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成29年3月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した下記の金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・平成28年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成28年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成28年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成29年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、2,400,000円


(3) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成29年6月第1四半期四半期報告書、平成29年9月第2四半期四半期報告書、平成29年12月第3四半期四半期報告書及び平成30年3月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(3)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
・平成29年6月第1四半期四半期報告書に係る額  1,514,436円
・平成29年9月第2四半期四半期報告書に係る額    1,912,634円
・平成29年12月第3四半期四半期報告書に係る額   2,535,337円
・平成30年3月期有価証券報告書に係る額         2,212,257円
が、いずれも
イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成29年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成29年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成29年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成30年3月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した下記の金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・平成29年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成29年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成29年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成30年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、2,400,000円


(4) 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成30年6月第1四半期四半期報告書、平成30年9月第2四半期四半期報告書、平成30年12月第3四半期四半期報告書及び平成31年3月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(4)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た下記の額
・平成30年6月第1四半期四半期報告書に係る額   2,953,534円
・平成30年9月第2四半期四半期報告書に係る額   2,653,000円
・平成30年12月第3四半期四半期報告書に係る額    2,507,476円
・平成31年3月期有価証券報告書に係る額        2,536,512円
が、いずれも
イ 6,000,000円
を超えないことから、
・平成30年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成30年9月第2四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成30年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円、
・平成31年3月期有価証券報告書については、6,000,000円、
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、
・平成30年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成30年9月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成30年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,200,000円
・平成31年3月期有価証券報告書については、2,400,000円
となるが、平成31年3月期有価証券報告書については、金融商品取引法第26条第1項の規定による検査等が行われる前に、課徴金の減額に係る報告書が提出されていることから、金融商品取引法第185条の7第14項の規定により、
・平成31年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、2,400,000円に100分の50を乗じて得た額に相当する額である1,200,000円
となる。


(5) 金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、当社の平成28年2月9日提出の有価証券届出書(株券の募集)に係る課徴金の額は、
重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券の発行価額の総額4,113,150,000円の100分の4.5に相当する額である185,091,750円
に、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、
185,090,000円
となる。


(6) 金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、当社の平成30年5月24日提出の有価証券届出書(株券の募集)に係る課徴金の額は、
重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券の発行価額の総額8,367,240,672円の100分の4.5に相当する額である376,525,830円
に、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、376,520,000円となるが、平成30年5月24日提出の有価証券届出書(株券の募集)については、金融商品取引法第26条第1項の規定による検査等が行われる前に、課徴金の減額に係る報告書が提出されていることから、金融商品取引法第185条の7第14項の規定により、
376,520,000円に100分の50を乗じて得た額に相当する額である188,260,000円
となる。

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