令和3年6月18日
証券取引等監視委員会

イズミ株式外6銘柄に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

 

1.勧告の内容

証券取引等監視委員会は、イズミ株式外6銘柄に係る相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

2.法令違反の事実関係

課徴金納付命令対象者は、

(1)  住友大阪セメント株式会社の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成30年12月12日午後1時37分頃から同日午後1時48分頃までの間、先に、最良買い気配に複数の買い注文を発注した上で、最良売り気配に複数の売り注文を発注して売り板を厚くすることで既に発注していた自らの買い注文を約定させ、次に、最良買い気配に複数の買い注文を発注して買い板を厚くすることで、売り板を厚くしていた自らの売り注文を約定させることを繰り返すなどの方法により、同株式合計8300株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計3万700株を買い付ける一方、同株式合計1万2800株の売付けの委託を行うとともに、同株式合計3万300株を売り付け、

(2)  九州旅客鉄道株式会社の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成30年12月20日午前9時12分頃から同日午前9時22分頃までの間、上記同様の方法により、同株式合計3万6100株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計4万400株を買い付ける一方、同株式合計3万2400株の売付けの委託を行うとともに、同株式合計4万3000株を売り付け、

(3)  株式会社バンダイナムコホールディングスの株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成31年1月10日午前9時16分頃から同日午後2時3分頃までの間、上記同様の方法により、同株式合計3万1000株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計5万8400株を買い付ける一方、同株式合計3万2300株の売付けの委託を行うとともに、同株式合計6万2000株を売り付け、

(4)  株式会社イズミの株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成31年2月5日午前10時6分頃から同日午前10時17分頃までの間、上記同様の方法により、同株式合計200株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計3万4900株を買い付ける一方、同株式合計1万4000株の売付けの委託を行うとともに、同株式合計3万5100株を売り付け、

(5)  大成建設株式会社の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、令和元年6月28日午前9時9分頃から同日午前9時53分頃までの間、上記同様の方法により、同株式合計6万4300株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計4万300株を買い付ける一方、同株式合計3万7500株の売付けの委託を行うとともに、同株式合計3万5400株を売り付け、

(6)  AGC株式会社の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、令和元年7月1日午前9時57分頃から同日午後1時48分頃までの間、上記同様の方法により、同株式合計5万2500株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計8万8100株を買い付ける一方、同株式合計10万7100株の売付けの委託を行うとともに、同株式合計8万6200株を売り付け、

(7)  株式会社小糸製作所の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、令和元年8月21日午前10時51分頃から同日午前11時4分頃までの間、上記同様の方法により、同株式合計1万1200株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計3万2600株を買い付ける一方、同株式合計1万7900株の売付けの委託を行うとともに、同株式合計3万5700株を売り付け、

もって、それぞれ、自己の計算において、上記各株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、上記各株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。

違反行為事実の概要については、別図のとおり。

課徴金納付命令対象者が行った上記の各行為は、金融商品取引法第174条の2第1項に規定する「第159条第2項第1号の規定に違反する一連の有価証券売買等」に該当すると認められる。

3.課徴金の額の計算

上記の違反行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、698万円である。

計算方法の詳細については、別紙のとおり。

4.その他

本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報も参考として、実態解明を行ったものである。


(別表)

○違反行為状況

違反行為状況
(クリックすると拡大されます)

(別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
(クリックすると拡大されます)

(別紙)

○課徴金の額の計算方法について

1.別表の各違反行為に係る課徴金の額の計算の基礎は以下のとおりである。

  • (1) 金融商品取引法第174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量を超える場合、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額

    又は

      当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量を超える場合、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

    の合計額として算定。

    (2) 上記(1)で算定された課徴金の額につき、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算定。

    (3) 上記(2)によりそれぞれ算定した額を合計し、課徴金の額とする。

2.別表に掲げる住友大阪セメント株式に係る取引について

  • (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、30,700株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、実際の売付け等の数量30,300株に、金融商品取引法第174条の2第7項及び金融商品取引法施行令第33条の12第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(4,710円)で売付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に売付けをしている有価証券の数量1,600株を加えた31,900株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(30,700株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (4,695円×4,500株+4,700円×2,000株+4,710円×23,400株
    +4,715円×800株)
    -(4,690円×2,500株+4,695円×1,800株+4,700円×1,000株
    +4,705円×25,000株+4,710円×300株+4,715円×100株)
    = 128,000円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(31,900株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(30,700株)を超えていることから、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格(4,247円)に当該超える数量1,200株(売付け等の数量31,900株-買付け等の数量30,700株)を乗じて得た額を控除した額

      (4,695円×500株+4,705円×700株)
    -(4,247円×1,200株)
    = 544,600円
     
    の合計額672,600円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、670,000円となる。

3.別表に掲げる九州旅客鉄道株式に係る取引について

  • (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は43,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は40,400株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(40,400株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (3,755円×1,800株+3,765円×1,900株+3,770円×4,200株
    +3,780円×20,000株+3,790円×12,500株)
    -(3,750円×1,500株+3,755円×1,500株+3,765円×600株+3,770円×300株
    +3,775円×13,500株+3,785円×22,000株+3,790円×1,000株)
    = 51,500円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(43,000株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(40,400株)を超えていることから、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格(3,495円)に当該超える数量2,600株(売付け等の数量43,000株-買付け等の数量40,400株)を乗じて得た額を控除した額

      (3,755円×2,600株)
    -(3,495円×2,600株)
    = 676,000円
     
    の合計額727,500円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、720,000円となる。

4.別表に掲げるバンダイナムコホールディングス株式に係る取引について

  •   当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は62,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は58,400株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(58,400株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (4,680円×21,000株+4,690円×3,000株+4,695円×100株
    +4,705円×900株+4,735円×17,800株+4,740円×4,200株
    +4,745円×2,400株+4,755円×9,000株)
    -(4,675円×19,000株+4,685円×2,000株+4,700円×1,400株
    +4,710円×2,000株+4,715円×600株+4,730円×16,400株
    +4,750円×17,000株)
    = 82,000円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(62,000株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(58,400株)を超えていることから、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格(4,455円)に当該超える数量3,600株(売付け等の数量62,000株-買付け等の数量58,400株)を乗じて得た額を控除した額

      (4,735円×3,600株)
    -(4,455円×3,600株)
    = 1,008,000円
     
    の合計額1,090,000円となる。

5.別表に掲げるイズミ株式に係る取引について

  •   当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、35,100株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量34,900株に、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(5,530円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量300株を加えた35,200株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(35,100株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (5,540円×14,000株+5,560円×21,100株)
    -(5,530円×6,000株+5,540円×3,600株+5,550円×25,500株)
    = 227,000円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(35,200株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(35,100株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(5,580円)に当該超える数量100株(買付け等の数量35,200株-売付け等の数量35,100株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (5,580円×100株)
    -(5,550円×100株)
    = 3,000円
     
    の合計額230,000円となる。

6.別表に掲げる大成建設株式に係る取引について

  • (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は40,300株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は35,400株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(35,400株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (3,890円×6,600株+3,900円×4,100株+3,905円×1,200株
    +3,910円×23,500株)
    -(3,885円×4,300株+3,895円×3,500株+3,905円×27,600株)
    = 119,000円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(40,300株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(35,400株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(4,180円)に当該超える数量4,900株(買付け等の数量40,300株-売付け等の数量35,400株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (4,180円×4,900株)
    -(3,885円×4,900株)
    = 1,445,500円
     
    の合計額1,564,500円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、1,560,000円となる。

7.別表に掲げるAGC株式に係る取引について

  • (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、88,100株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、実際の売付け等の数量86,200株に、金融商品取引法第174条の2第7項及び金融商品取引法施行令第33条の12第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(3,740円)で売付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に売付けをしている有価証券の数量4,700株を加えた90,900株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(88,100株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (3,740円×38,400株+3,745円×2,500株+3,770円×14,000株
    +3,775円×11,700株+3,780円×21,500株)
    -(3,735円×26,500株+3,740円×3,800株+3,745円×3,500株
    +3,750円×7,100株+3,770円×10,000株+3,775円×37,200株)
    = 144,000円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(90,900株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(88,100株)を超えていることから、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格(3,088円)に当該超える数量2,800株(売付け等の数量90,900株-買付け等の数量88,100株)を乗じて得た額を控除した額

      (3,775円×2,800株)
    -(3,088円×2,800株)
    = 1,923,600円
     
    の合計額2,067,600円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、2,060,000円となる。

8.別表に掲げる小糸製作所株式に係る取引について

  • (1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、35,700株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量32,600株に、金融商品取引法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(4,935円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している有価証券の数量600株を加えた33,200株であることから、

    ア.当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(33,200株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (4,940円×1,600株+4,945円×22,400株+4,950円×9,200株)
    -(4,935円×600株+4,940円×20,000株+4,945円×11,400株
    +4,950円×1,200株)
    = 138,000円

    及び

    イ.当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(35,700株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(33,200株)を超えていることから、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金融商品取引法第67条の19又は第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格(4,740円)に当該超える数量2,500株(売付け等の数量35,700株-買付け等の数量33,200株)を乗じて得た額を控除した額

      (4,945円×1,200株+4,950円×1,300株)
    -(4,740円×2,500株)
    = 519,000円
     
    の合計額657,000円となる。

    (2) 金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、650,000円となる。

9.上記、2.ないし8.により算定した額の合計

  •   670,000円+720,000円+1,090,000円+230,000円+1,560,000円
    +2,060,000円+650,000円
    =6,980,000円となる。


 

サイトマップ

ページの先頭に戻る