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令和3年11月19日
証券取引等監視委員会
前田建設工業株式会社役員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、前田建設工業株式会社役員による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
課徴金納付命令対象者は、前田建設工業株式会社(以下「前田建設工業」という。令和3年9月29日上場廃止。)の役員であった者であるが、
たものである。
違反行為事実の概要については、別図のとおり。
課徴金納付命令対象者が行った行為のうち、
上記(1)及び(3)の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
上記(2)の行為は、同法第175条第2項に規定する「第167条第1項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等をした」行為に該当すると認められる。
上記の違反行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、402万円である。
計算方法の詳細については、別紙のとおり。
本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報等を参考として、実態解明を行ったものである。
○違反行為事実の概要について

○課徴金の額の計算方法について
1.違反行為事実Aに係る課徴金の額(1)金融商品取引法第175条第1項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(1,176円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から、当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
-(1,058円×600株+1,061円×200株)
=93,800円
(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。
2.違反行為事実Bに係る課徴金の額(1)金融商品取引法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(3,899.9円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から、当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
-(2,640円×300株+2,642円×100株+2,690円×400株+2,693円×900株
+2,710円×400株+2,715円×600株)
=3,260,830円
(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。
3.違反行為事実Cに係る課徴金の額(1)金融商品取引法第175条第1項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(2,340円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から、当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
-(1,985円×500株+2,004円×500株+2,006円×1,000株)
=679,500円
(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。
4.上記1ないし3により算定した額の合計90,000円+3,260,000円+670,000円=4,020,000円となる。