English version新しいウィンドウで開きます
令和4年9月2日
証券取引等監視委員会

株式会社関西みらいフィナンシャルグループ社員による
内部者取引及び取引推奨行為並びに当該社員から伝達を受けた者による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について

1.勧告の内容


 証券取引等監視委員会は、株式会社関西みらいフィナンシャルグループ社員による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

2.法令違反の事実関係

(1)課徴金納付命令対象者(1)について 

課徴金納付命令対象者⑴は、株式会社関西みらいフィナンシャルグループ(以下「関西みらいFG」という。令和3年3月30日上場廃止。)の社員であるが、その職務に関し、①関西みらいFGの社員甲がその職務に関し株式会社りそなホールディングス(以下「りそなHD」という。)からの伝達により知った、りそなHDの業務執行を決定する機関が関西みらいFG株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実及び②関西みらいFGの業務執行を決定する機関が、りそなHDを完全親会社とし、関西みらいFGを完全子会社とする株式交換を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、

ア.違反行為事実A
 上記各事実の公表がされた令和2年11月10日より前の同年10月9日から同月15日までの間、第三者名義の証券口座で自己の計算において、関西みらいFG株式合計1万317株を買付価額合計452万2705円で買い付け

イ.違反行為事実B
 令和2年10月4日、被推奨者乙に対し、上記各事実の公表がされる前に、関西みらいFG株式の買付けをさせることにより同人に利益を得させる目的をもって、同株式の買付けをすることを勧めたものである。
 被推奨者乙は、上記各事実の公表がされた同年11月10日より前の同年10月9日から同月16日までの間、関西みらいFG株式合計5200株を買付価額合計226万4760円で買い付けたものである。

 違反行為事実の概要については、別図のとおり。

 課徴金納付命令対象者⑴が行った上記ア.の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為及び同法第175条第2項に規定する「第167条第1項の規定に違反して、同条第1項に規定する、特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等をした」行為に該当すると認められる。
 上記イ.の行為は、金融商品取引法第175条の2第1項に規定する「第167条の2第1項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の売買等をすることを勧める」行為及び同条第2項に規定する「第167条の2第2項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の買付け等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。

 (2)課徴金納付命令対象者⑵について

課徴金納付命令対象者⑵は、関西みらいFGに勤務していた課徴金納付命令対象者⑴から、同人がその職務に関し知った、①関西みらいFGの社員甲がその職務に関しりそなHDからの伝達により知った、りそなHDの業務執行を決定する機関が関西みらいFG株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実及び②関西みらいFGの業務執行を決定する機関が、りそなHDを完全親会社とし、関西みらいFGを完全子会社とする株式交換を行うことについての決定をした旨の重要事実の伝達を受けながら、上記各事実の公表がされた令和2年11月10日より前の同月9日、第三者名義の証券口座で、自己の計算において、関西みらいFG株式合計2000株を買付価額合計81万4000円で買い付けたものである。

 違反行為事実の概要については、別図のとおり。

 課徴金納付命令対象者⑵が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為及び同法第175条第2項に規定する「第167条第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等をした」行為に該当すると認められる。

3.課徴金の額の計算


 上記の違反行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、
下記の通りである。
 課徴金納付命令対象者⑴ 163万円
 課徴金納付命令対象者⑵  31万円

 計算方法の詳細については、別紙のとおり。 

4.その他


 本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報等を参考として、実態解明を行ったものである。


 (別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
(クリックすると拡大されます)

 


 (別紙)

○課徴金の額の計算方法について

1. 課徴金納付命令対象者(1)について
(1)違反行為事実Aに係る課徴金の額
①金融商品取引法第175第1項第2号及び同条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、業務等に関する重要事実及び公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(565円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から、当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
ア.自己の計算による買付け
 (565円×5,000株)
-(443.9円×200株+444円×700株+445円×4,100株)
=600,920円

及び

イ.自己及び自己以外の者の計算による買付けが混和している買付け
 (565円×5,317株注1)
-{(423円×4000株+435円×2,200株+435.9円×700株+436円×3,600株+440円×2,000株
×(2,300,000円/5,406,961円)}注2
=705,480円

(注1)自己の計算による買付けの数量は、自己及び自己以外の者の計算による買付けの数量12,500株に、自己が当該有価証券の買付けのために拠出した額2,300,000円/自己及び自己以外の者の計算による委託手数料を含めた買付けの額5,406,961円を乗じて得た数量(1株未満端数切捨て)

(注2)自己の計算による買付けの額は、自己及び自己以外の者の計算による買付けの額5,403,730円に、自己が当該有価証券の買付けのために拠出した額2,300,000円/自己及び自己以外の者の計算による委託手数料を含めた買付けの額5,406,961円を乗じて得た額(1円未満端数切捨て)

の合計額1,306,400円となる。

②金融商品取引法第176条2項の規定により、上記①で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、1,300,000円となる。

(2)違反行為事実Bに係る課徴金の額
①金融商品取引法第175条の2第1項第3号及び同条第2項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該買付けによって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。
利得相当額とは、同条第3項第2号及び同条第4項第2号の規定により、情報受領者等が特定有価証券等の買付けをした場合、当該特定有価証券等の買付けについて、業務等に関する重要事実及び公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(565円)に当該特定有価証券等の買付けの数量を乗じて得た額から、当該特定有価証券等の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
 {(565円×5,200株)
-(419.7円×100株+419.8円×100株+434円×3,000株+436円×1,000株+442.7円×200株+442.8円×500株+442.9円×300株)}×1/2
=336,620円

②金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記①で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、330,000円となる。

(3)上記(1)ないし(2)により算定した額の合計   1,300,000円+330,000円=1,630,000円となる。

2.課徴金納付命令対象者⑵について

(1)金融商品取引法第第175条第1項第2号及び同条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、業務等に関する重要事実及び公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(565円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から、当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
 (565円×2,000株)
-(407円×2,000株)
=316,000円

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(3)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、310,000円となる。

サイトマップ

ページの先頭に戻る