English version 新しいウィンドウで開きます
令和5年8月4日
証券取引等監視委員会

株式会社ディー・ディー・エスが提出した虚偽開示書類に係る特定関与行為に対する課徴金納付命令勧告について

1.勧告の内容
 
 証券取引等監視委員会は、課徴金納付命令対象者における株式会社ディー・ディー・エス(法人番号7180001046613)(以下「DDS」という。)が提出した虚偽開示書類に係る特定関与行為について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

2.法令違反の事実関係
 
 DDSは、平成30年12月に行った外国法人に対する売掛金の過大計上等の発覚を免れるため、令和2年7月から8月にかけて、過大に算定された同外国法人の株式価値を前提とした引受価額で当該株式を引き受け、前記売掛金の全額を現物出資するなどの取引により同外国法人を子会社化するなどの一連の行為を行った上で、これを基礎としたのれん等の過大計上等の不適正な会計処理を行い、金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある以下の有価証券報告書及び四半期報告書(以下、併せて「本件虚偽開示書類」という。)を提出した(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1の表の番号1から3のとおり)。
 
・令和2年9月第3四半期四半期報告書(令和2年11月13日提出)
・令和2年12月期有価証券報告書(令和3年3月26日提出)
・令和3年3月第1四半期四半期報告書(令和3年5月14日提出)
 
 課徴金納付命令対象者は、DDSが前記一連の行為を行った際、引受価額が正当な根拠に基づくものであることを装うために利用されることを知りながら、令和2年7月27日、DDSから前記外国法人の株式価値算定業務の依頼を受け、同日以降、真実は同外国法人株式には引受価額に相当する価値がなかったにもかかわらず、引受価額以上となるように同外国法人株式の1株当たりの株式価値を過大に算定し、これに基づき、同年8月21日、同外国法人に係る株式価値算定書を作成してDDSに提出し、DDSによる前記一連の行為に利用させ、もって、本件虚偽開示書類を提出することを容易にすべき行為であって、本件虚偽開示書類の作成に必要な会計処理の基礎となるべき事実の一部を仮装するための一連の行為の一部であることを知りながら、当該仮装するための一連の行為の一部を行ったものである。
 
 課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第172条の12第1項及び第2項に規定する「特定関与行為」に該当すると認められる。
 
3.課徴金の額の計算
 
 上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、1,500,000円である(計算方法については別紙2のとおり)。
 

【別紙1】DDSが提出した有価証券報告書等の虚偽記載内容
 
番号 対象書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 記載項目 主な内容(注) 主な事由
令和2年
11月13日
第26期第3四半期(令和2年7月1日~同年9月30日)に係る四半期報告書 令和2年7月1日~同年9月30日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
2,087,838千円であるところを2,756,914千円と記載
貸倒引当金の過少計上、のれんの過大計上
令和3年
3月26日
第26期(令和2年1月1日~同年12月31日)に係る有価証券報告書 令和2年1月1日~同年12月31日の連結会計期間 連結
貸借対照表
連結純資産額が
2,258,912千円であるところを2,936,909千円と記載
貸倒引当金の過少計上、のれん等の過大計上
令和3年
5月14日
第27期第1四半期(令和3年1月1日~同年3月31日)に係る四半期報告書 令和3年1月1日~同年3月31日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が
2,160,382千円であるところを2,805,842千円と記載
貸倒引当金の過少計上、のれん等の過大計上


    (注)金額は千円未満切捨てである。
 

 
【別紙2】課徴金の計算方法
 
 金融商品取引法第172条の12第1項及び金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令第1条の8の2第1項第1号の規定により、課徴金納付命令対象者が行った特定関与行為に係る課徴金の額は、同人に対し、特定関与行為の手数料、報酬その他の対価として支払われ、又は支払われるべき金銭その他の財産の価額の総額である1,500,000円となる。
 



 

サイトマップ

ページの先頭に戻る