令和6年12月3日
証券取引等監視委員会

株式会社ヤマウラにおける有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

1.勧告の内容

 証券取引等監視委員会は、株式会社ヤマウラ(法人番号6100001021418)(以下「当社」という。)における金融商品取引法に基づく開示規制の違反について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

2.法令違反の事実関係

 当社の連結子会社は、長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額の不計上等の不適正な会計処理を行った。
 ※主な不適正な会計処理の概要については、別図へジャンプ別図のとおり。

 この結果、当社は、関東財務局長に対し、金融商品取引法第172条の4第1項及び令和5年法律第79号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の4第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載」がある以下の有価証券報告書及び四半期報告書を提出した(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1の表の番号1から番号7までのとおり)。
・令和2年6月第1四半期四半期報告書(令和2年8月7日提出)
・令和2年12月第3四半期四半期報告書(令和3年2月12日提出)
・令和3年3月期有価証券報告書(令和3年6月28日提出)
・令和3年12月第3四半期四半期報告書(令和4年2月14日提出)
・令和4年3月期有価証券報告書(令和4年6月27日提出)
・令和4年6月第1四半期四半期報告書(令和4年8月10日提出)
・令和4年12月第3四半期四半期報告書(令和5年2月14日提出)  

3.課徴金の額の計算

 上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、1800万円である(計算方法については別紙2のとおり)。
 
【別紙1】有価証券報告書等の虚偽記載内容

対象書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 記載項目 主な内容(注) 主な事由
令和2年
8月7日
第62期第1四半期(令和2年4月1日~同年6月30日)に係る四半期報告書 令和2年4月1日~同年6月30日の第1四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する
四半期純利益が
▲25,282千円であるところを
63,155千円と記載
長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額の不計上
令和3年
2月12日
第62期第3四半期(令和2年10月1日~同年12月31日)に係る四半期報告書 令和2年4月1日~同年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する
四半期純利益が
701,482千円であるところを
1,154,893千円と記載
長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額の不計上
令和3年
6月28日
第62期(令和2年4月1日~令和3年3月31日)に係る有価証券報告書 令和2年4月1日~令和3年3月31日の連結会計年度 連結
損益計算書
親会社株主に帰属する
当期純利益が
579,767千円であるところを
1,142,428千円と記載
長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額の不計上
令和4年
2月14日
第63期第3四半期(令和3年10月1日~同年12月31日)に係る四半期報告書 令和3年4月1日~同年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する
四半期純利益が
699,162千円であるところを
1,328,799千円と記載
長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額の不計上
令和4年
6月27日
第63期(令和3年4月1日~令和4年3月31日)に係る有価証券報告書 令和3年4月1日~令和4年3月31日の連結会計年度 連結
損益計算書
親会社株主に帰属する
当期純利益が
775,313千円であるところを
1,495,043千円と記載
長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額の不計上
令和4年
8月10日
第64期第1四半期(令和4年4月1日~同年6月30日)に係る四半期報告書 令和4年4月1日~同年6月30日の第1四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する
四半期純利益が
▲23,169千円であるところを
232,799千円と記載
長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額の不計上
令和5年
2月14日
第64期第3四半期(令和4年10月1日~同年12月31日)に係る四半期報告書 令和4年4月1日~同年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結損益計算書 親会社株主に帰属する
四半期純利益が
876,208千円であるところを
1,602,429千円と記載
長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額の不計上
  (注)金額は千円未満切捨てである。  


【別紙2】課徴金の計算方法
 
(1) 金融商品取引法第172条の4第1項及び旧金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、令和2年6月第1四半期四半期報告書、令和2年12月第3四半期四半期報告書及び令和3年3月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(1)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額
・令和2年6月第1四半期四半期報告書に係る額      983,306円
・令和2年12月第3四半期四半期報告書に係る額    1,157,444円
・令和3年3月期有価証券報告書に係る額        1,100,438円
が、いずれも
イ 6,000,000円
を超えないことから、
・令和2年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
・令和2年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
・令和3年3月期有価証券報告書については、6,000,000円
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、旧金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した下記の金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・令和2年6月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,500,000円
・令和2年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、1,500,000円
・令和3年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、3,000,000円
となる。
 
(2) 金融商品取引法第172条の4第1項及び旧金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、令和3年12月第3四半期四半期報告書及び令和4年3月期有価証券報告書ごとに算出した額(以下(2)において「個別決定ごとの算出額」という。)は、
ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額
・令和3年12月第3四半期四半期報告書に係る額  1,186,515円
・令和4年3月期有価証券報告書に係る額    1,189,121円
が、いずれも
イ 6,000,000円
を超えないことから、
・令和3年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
・令和4年3月期有価証券報告書については、6,000,000円
となる。
 ここで、これらの開示書類が同一の事業年度に係るものであることから、旧金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した下記の金額が、これらの開示書類に係る課徴金の額となる。
・令和3年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は、2,000,000円
・令和4年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、4,000,000円
となる。
 
(3) 旧金融商品取引法第172条の4第2項の規定により、令和4年6月第1四半期四半期報告書及び令和4年12月第3四半期四半期報告書ごとに算出した額は、
ア 当社が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額
・令和4年6月第1四半期四半期報告書に係る額 1,181,462円
・令和4年12月第3四半期四半期報告書に係る額  1,250,458円
が、いずれも
イ 6,000,000円
を超えないことから、
・令和4年6月第1四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
・令和4年12月第3四半期四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
となる。

 
【別図】主な不適正な会計処理の概要
主な不正行為の概要
(クリックすると拡大されます。)

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