平成28年6月23日
証券取引等監視委員会
証券取引等監視委員会の活動状況の公表について
証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」という。)は、金融庁設置法第22条の規定に基づき、毎年、活動状況等を公表しています。今回は、その24回目として、平成27年度(平成27年4月1日~同28年3月31日)の「証券取引等監視委員会の活動状況」を公表します。
公表内容の主なポイント
1.金融行政方針を踏まえた取組み
-
(1)市場規律の強化
-
連携対象の拡大・深化:国税、警察、取引所等に加え、監査役協会、大手証券会社経営陣等との意見交換等の実施
-
証券監視委の存在の「見える化」:近畿財務局での開催(平成27年11月)
-
市場規律強化のための情報発信の強化:事案の意義・特徴や発生原因等のわかりやすい説明に努めた。
-
財務局監視官部門等との連携強化
-
-
(2)マクロ的視点、時代の先を見た(Forward looking)市場監視
-
内外金融・資本市場を巡る動向、資源エネルギー価格の下落に伴うリスク要因等に着目
-
-
(3)市場の構造的変化への対応
-
増大するクロスボーダー取引に対する海外証券当局との連携による迅速な対応
-
アルゴリズム取引等の実態把握
-
複雑化・巧妙化する不公正取引等に対する調査手法の高度化への対応(デジタル・フォレンジックの有効な活用等、HFTのシステム面での対応強化)
-
2.証券監視委が実施した勧告案件等の事例を掲載(以下は主なもの)
-
社債発行会社の財務状況の実態を意図的に秘匿・隠蔽したまま、顧客に対して自ら社債販売を継続するとともに、複数の地場証券に対しても社債販売を継続させていた事例
-
インサイダー取引における情報伝達者への初の課徴金適用
-
グローバルに活動する上場企業に係る有価証券報告書等の虚偽記載
-
複雑化・巧妙化した犯則事例(相場操縦や風説の流布・偽計の組み合わせ等)
3.今後の取組み方針
-
調査・検査で把握した問題点の共通課題の抽出、適時・的確な情報発信
-
ビジネスモデル等に一層着目したリスクアセスメントを強化し、オンサイト・オフサイト一体となったモニタリングを実施。地場証券のビジネスモデルの実態やその持続可能性等について検証
-
上場企業の経営環境の変化に伴う開示規制違反の潜在的リスクに着目した情報収集・分析