【金融ここが聞きたい!】

  • このコーナーは、大臣の記者会見における質疑・応答(Q&A)などの中から、時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。

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〔大手生保決算〕

Q: 大手生保の3月期決算が出揃いました。全体としては、2年ぶりの減収ということですけれども、この決算全体の状況について、どのようにご覧になっておられますでしょうか。

A: まず、大手生保9社が公表された3月期決算を見ますと、いくつかの特徴があろうというように思っております。まず1つは、運用の改善等による利息及び配当金等の収入増加、これでございます。人口構造やニーズの変化というようなものを背景としまして、保険の商品についてのニーズが変化しております。具体的に申し上げれば、死亡保障ニーズから生存給付ニーズへのシフト等によります契約高の減少が、引き続き続いているというような傾向がみられ、保険料収入が減少しておりまして、基礎収入は1.5兆円、おっしゃるとおり減少しているわけでございます。他方、団体年金の代行返上による保険金等支払金が減少したことなどから、基礎費用は1.7兆円減少しております。差し引き、結果としまして、保険本業の利益である基礎利益は、18年3月と比べ、増加をしているわけであります。基礎利益が過去最高を記録する社も見られて、総じてみれば好調な決算ということが言えるかと思います。しかしながら、運用が改善したのは日本経済のマクロ環境が好転しているという面もございまして、経営の足腰の強さという観点からは、契約高減少の継続など、保険会社を取り巻く構造的な変化は、なお厳しいものが続いていると、そう理解しております。従いまして、保険会社を取り巻くマクロ的な経済環境が良好であるという好機を利用し、将来を見据えた課題の克服、経営の改革に取り組むことが重要であろうと考えております。各社におきましては、経営基盤の強化等に努めていただくとともに、魅力ある商品の開発、販売チャネルの改革、ガバナンスの強化などに取り組んでいただきたいと思いますし、さらには、保険契約者等の保護、利用者利便の向上、これにも是非努めていただきたいというように考えております。

【平成19年6月1日(金)閣議後記者会見】

〔地銀決算〕

Q: 地銀の決算が出て、過去の体力の格差の広がりが明らかになるような結果となりましたが、これについてどういったご所見を持たれておられるでしょうか。

A: 上場地銀の15%が減益となっておりますし、不良債権比率も4%台で高止まりといったような報道もございます。そういった点、いわゆる状況のばらつきがございます。今後、こうした傾向が続くかどうか注目しながらやっていきたいと思いますが、全体として見れば、不良債権の比率も低減しておりますし、好調ではないかというように思いますので、今後、こうした経営的な懸念のあるところにおきましては、健全な経営について、しっかりとしたご判断を頂きながら、地域事業会社とともに発展するように期待しております。

【平成19年6月5日(火)閣議後記者会見】

〔投資信託の銀行窓販〕

Q: 最近、投信の取扱いが銀行でも増えているようですが、説明不足というか、一部の顧客の中には、預金より利回りのいい商品、元本割れのリスクに対する認識が不十分という面もあるやに、色々な所で指摘されていますが、その辺の問題について、大臣はどのようにお考えで、金融庁としてどう対応していく方針でしょうか。

A: 銀行の皆さんとも、公式の場でも非公式の場でも協議をしたこともございます。その点において、窓販における重要事項説明に重点を置いていただきたいとお願いを申し上げました。特に決算発表でもございますように、本来業務純益の頭打ち状況という現象の中で、決算が良好な原因の一つに、役務益がございます。いわばこの株式の上がり基調の中で、いわば投信についての好調性という背景から、投信が売れているという事実があるように思っております。従いまして、今のように右肩上がりの投信の相場観というのは結構な話でございますけれども、景気動向等ございますので、下がり基調になったときの覚悟を、敢えて私も銀行関係者に申し上げたことでもございます。そんな意味におきまして、各銀行がそれぞれ経営判断の中で非常に工夫を凝らしておられるところもございまして、いわば支店の方がコンプライアンスの一環の中で窓販を見るのではなくて、本社から派遣された窓口監督者を置いてみたり、或いは突然支店をお訪ねになられて窓販の販売状況を監督するというような臨時検問的なスタイルを採るところ、それぞれ各社各行、経営の中でコンプライアンスについて大変創意工夫を凝らしているところでもございます。そんな意味におきまして、今後、そうした販売のノウハウ、或いはコンプライアンスにおける工夫を積み重ねていただけるものと期待するところです。

【平成19年6月8日(金)閣議後記者会見】

〔三菱東京UFJ銀行に対する行政処分〕

Q: 6月11日の三菱UFJグループの業務改善命令のことですが、投信販売では特に顧客軽視のような感じも見られたと思いますが、大臣の考え方をお願いします。

A: まず、昨年12月以降、当グループに対する処分がございました。米国当局による業務改善命令、マネロンの件でございます。今年に入りまして、1月、法人関係情報に基づいて、自己の計算において有価証券の売買をする行為というので処分をいたしました。2月には法人向営業拠点の淡路支社で反社会的な勢力に関与したということで処分をしております。そして、6月11日に海外事案及び投信販売業務事案でございます。度重なっておりますので、緊張感を持って、特に正に信用第一の金融機関でございますし、日本でメガのトップを走っているわけでございますので、なおの努力や研鑽を積んで頂きたいと強く思う次第でございます。

【平成19年6月12日(火)閣議後記者会見】

Q: 三菱主導の強引な合併作業にやや無理があったのではないかという指摘があると思うのですが、その当たりについては、投資の販売ルールについて、三菱側に寄せたということに問題があるという指摘があったのですが、この合併の事務の弊害について大臣はどうお考えになるでしょうか。

A: この合併と、直接こうした、いわば、行政処分をおこなわざるを得ない事態が発生したこととが、強く関連しているかどうかについては、一般的には言えないだろうというようには思います。しかし、この三菱東京UFJ銀行が、そうした一般的な話ではなくて、この個別銀行の当該合併について言えるのであるならば、まさに経営判断についての、いわば過去から遡って、反省に立って、改善してもらわなければならないわけでありまして、その意味では、よく検討いただかなければならない点かもしれません。しかしながら、一般的に合併をすることで処分が度重なるということはないわけでありますので、その点において、我々としましては、当該金融機関に猛省を促したいというように思っております。

【平成19年6月12日(火)閣議後記者会見】

〔金融・資本市場の国際化〕

Q: 6月13日に、金融市場の国際化に関する論点整理がまとまりましたが、どのようにお考えでしょうか。

A: かなり精力的にスタディを重ねていただきました結果、課徴金制度の見直しや銀行・証券間のファイアーウォール規制のあり方の検討、都市インフラの整備など、規制当局をはじめ政府として取り組むべきものに加え、民間が自主的に取り組むべきものも含まれておりまして、関係者が自らの課題に真摯に取り組んでいくことが今後期待されております。東京市場の国際化は、いわば日本の成長戦略の基軸の真ん中であろうと思いますので、実効の点を配慮していきたいと思っております。

【平成19年6月15日(金)閣議後記者会見】

〔大和都市管財訴訟〕

Q:大和都市管財の訴訟ですけれども、国の対応について大臣のご所 見をお聞かせください。

A: 本件につきまして、関係当局と協議した結果、6月19日、午後に控訴状が提出される予定と承知をしているところでございます。控訴の理由について申し上げますと、本判決は金融商品の取引から生じた損害につきまして、規制権限不行使による国の責任が認められた初めての判決でございます。このような重大な法律問題につきましては、上級審の判断を求めるのが相当と考えるところでございます。また、今回の訴訟には、引当金の算定基準や登録業者に対する検査・監督のあり方など今後の金融監督行政にとっても、重要な論点が多々含まれておりまして、上級審の判断を求めることが適当と考えたものでございます。なお、具体的な主張内容につきましては、訴訟継続中でございますために、コメントは差し控えさせて頂きます。

【平成19年6月19日(火)閣議後記者会見】

Q: 被害者からは控訴しないで欲しいという思いが強いようですが、 それについてはどのようにお考えでしょうか。

A: 被害者の皆様の苦境、お苦しみというのは、察するに余りあるものがございまして、同情の念に耐えません。また逆に、こうした窮地に陥れた犯罪者、大和都市管財そのものに対しても、怒りを禁じ得ないところでございます。また、そうしたことが再び起こらないように、しっかりとした対応が、国としての重要な責務だと考えておりますので、そういったことも含めまして、この大和都市管財の訴訟に対応して参りたいと考えるところでございます。

【平成19年6月19日(火)閣議後記者会見】


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