証券取引等監視委員会メ-ルマガジン (第51号)  平成27年2月2日
証券監視委ウェブサイト http://www.fsa.go.jp/sesc/index.htm

<目次>

1.新着情報

2.市場へのメッセージ

3.コラム


1.新着情報


◎株式会社太陽商会に係る虚偽有価証券報告書提出事件の告発について

http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2015/2015/20150202-1.htm

2.市場へのメッセージ


◆証券検査における最近の主な指摘事項について◆

証券監視委の証券検査課及び財務局等の証券取引等監視官部門では、金融商品取引業者などに対する証券検査を担っています。その検査対象業者数は全体で延べ約8,000 社にも達し、金融商品取引業者などが関与する商品・取引も多様化・複雑化する中で、限られた人的資源を的確かつ有効に活用し効率的・効果的で実効性ある検査を実施するため、リスク・ベースで検査対象先を選定し、証券検査を行なっているところです。証券検査の結果、問題点が認められた場合には、問題点を指摘し、改善を求めるほか、重大な法令違反行為等が認められた場合には、金融庁長官等に対して行政処分等を求める勧告を行なっています。今回のメルマガでは、証券検査における最近の主な指摘事項についていくつかご紹介したいと思います。

(注)証券検査の主な指摘事項は、四半期毎に証券監視委ウェブサイトにおいて公表。

http://www.fsa.go.jp/sesc/kensa/shitekijikou.htm

  • 1第一種金融商品取引業者に対する指摘事例(1件)

    この業者は証券会社ですが、日経平均株価等の銘柄入替え日の前日などには引値保証取引などのために市場の公正な価格形成を歪める取引が行われる可能性があるにもかかわらず、特定日の取引に着目した売買審査や大引け間際の発注手法や特定時間帯の関与率に着目した売買審査を行っていないなど、売買審査態勢に不備が認められました。こうした状況は、公正な価格形成を阻害する恐れがある行為への対応状況の不備と考えられ、内部管理態勢に関連して、売買管理・審査態勢の整備が必要との指摘を検査終了通知において行なったところです。

  • 2投資運用業者に対する指摘事例(2件)

    • (1)この投資運用会社については、ファンドオブファンズ形式の投資信託の商品開発・設定に当たり、一部の投資対象ファンドについて運用内容を大枠で確認するだけで、運用方針を目論見書等で確認しないまま商品内容を最終決定しており、商品開発態勢に不備が認められました。このため、商品内容の最終決定後に投資対象ファンドの運用方針が変更となり、当該投資信託の商品性に影響を及ぼしかねない状況が生じたと考えられ、役員等の認識及び役割に関連して、商品開発態勢に係る不備があるとの指摘を検査終了通知において行なったところです。

    • (2)この投資運用会社については、自社で設定・運用する投資信託の販売用資料(販売会社が顧客の勧誘に使用するための資料)の作成・審査に当たり、投資信託の商品性・運用手法等に関して専門的な知識等を有している運用担当者等が組織的に関与して記載内容の正確性・適切性を検証するようにしておらず、販売用資料の審査態勢に不備が認められました。このため、一部の販売用資料において、投資信託の信用リスクについて投資者のリスク認識・投資判断を誤らせかねない表示をしていたと考えられ、広告審査等の状況に関連して投資信託の販売会社が顧客の勧誘に使用するための販売用資料に関する審査態勢の不備があるとの指摘を検査終了通知において行なったところです。

上記の指摘事例はいずれも金融庁に対する行政処分の勧告にまでは至っておりませんが、1の証券会社に対する指摘では、昨年3月に公表した平成26年度証券検査基本指針において「不公正取引の防止の観点から実効的な売買審査が行われているか、特に、公募増資価格の値決め日等の特定日及び大引け間際等の特定の時間帯又は市場の価格形成に影響を与えるような大量の発注等を繰り返す特定の顧客等に着目した審査が行われているか」として、重要検証事項の一つとして掲げており、こうした公正な価格形成を阻害するおそれのある行為の是正のために問題点として指摘すべきと考えたところです。また、2の投資運用会社に対する指摘も、昨年9月に公表された金融庁の金融モニタリング基本方針において「顧客ニーズに応える経営」が重点施策として掲げられているという観点からも必要な指摘であると考えています。

このように、証券監視委としては、引き続き、市場の公正性・透明性の確保及び投資者の保護の観点から証券検査に取り組んでまいります。


3.コラム

[日本証券業協会からの寄稿]


◆インターネット取引における自主規制のあり方に関する懇談会 中間報告書を取りまとめました◆

  • ○本協会では、高齢顧客によるインターネット取引における自主規制のあり方等について検討を行うため、昨年(2014年)6月に「インターネット取引における自主規制のあり方に関する懇談会」を設置いたしました。

  • ○本懇談会は、昨年7月~10月の間に計3回開催され、高齢顧客によるインターネット取引における適合性の原則の適用等(インターネット取引における本人確認のあり方等)やインターネットにおける表示や運用のあり方等(ホームページや取引画面における表示のあり方等)について検討を行いました。

  • ○本懇談会設置の経緯を含め、本懇談会において議論になった論点などに関して中間報告書として取りまとめましたのでご覧ください。

  • ○中間報告書は日本証券業協会のホームページでご覧いただけます。

  • ○本件に関するお問い合わせ先:日本証券業協会 自主規制企画部

    (TEL 03-3667-8470)

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