証券取引等監視委員会メ-ルマガジン (第65号) 平成28年3月22日
証券監視委ウェブサイト http://www.fsa.go.jp/sesc/index.htm

<目次>

市場へのメッセージ


市場へのメッセージ


◆最近の取引調査に基づく勧告について◆

証券取引等監視委員会は、取引調査の結果に基づいて、以下の事案について課徴金納付命令勧告を行いました。

  • H28.3.4
ミクシィ株式に係る相場操縦
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2016/2016/20160304-1.htm

【事案の概要】

本件は、オーストラリアに本店を置き、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)に登録された資産運用会社が、東証マザーズ市場に上場されているミクシィ株について見せ玉等を用いて相場操縦を行った事案でした。

この資産運用会社(違反行為者)は、当時、大量の売りポジションを有していたミクシィ株式の株価が上昇を続けたことにより発生することとなった多額の評価損の圧縮等を図るため、

(1)ストップ高となる値段に約定させる意思のない大量の売り指値注文(いわゆる見せ玉)を発注し、

(2)その後、成行の売り注文を連続して発注・約定させて株価を引き下げるとともに、

(3)上値の複数の価格帯に大量の売り見せ玉を発注することにより、他の投資者の安値の売り注文を誘い、

(4)(1)から(3)により誘引された他の投資者の安値の売り注文を自ら買い付け、

(5)株価が上昇に転じた段階で、場に晒していた売り見せ玉を取り消す、

といった行為を繰り返し行っており、違反行為者は、売買差益を獲得するとともに、保有する売りポジションに生じていた評価損の圧縮にも成功していました。

当日のミクシィ株式の株価動向を見ると、前日の終値より110円高の14,150円で始まり、一時16,940円まで上昇しましたが、違反行為者による大量の成行売り注文や売り見せ玉の発注により15,930円(▲1,010円。違反行為期間中の最安値)まで急落した後、違反行為者による買戻しや売り見せ玉の取消し等により株価は急騰に転じ、最終的にはストップ高の17,040円で取引を終了しています。本件は、ミクシィの株価が、わずか半日足らずの間に乱高下したため、「個人を惑わす消えた注文」として新聞でも取り上げられた事案でもありました。

本件は、オーストラリアに所在する資産運用会社が、投資運用契約に基づき運用していた3つのファンドを利用して行った相場操縦行為の疑いがあったことから、同国の市場監視当局であるASICの支援・協力を仰ぎながら取引実態の調査等を行っており、ASICの協力を得て課徴金勧告を行った初の事案となります。

証券監視委では、我が国証券市場における海外投資家の取引が増加していることを踏まえ、本件のようなクロスボーダー取引を利用した不公正取引についても、各国の市場監視当局と情報交換枠組み(MOU)等を通じて緊密な連携・協力関係を構築しながら積極的に調査を行うこととしており、仮に、問題が認められた場合には厳正に対応してまいりたいと考えております。


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