証券取引等監視委員会メ－ルマガジン （第95号）
＜目次＞
市場へのメッセージ
市場へのメッセージ
１．株式会社みんなのクレジットに対する検査結果及び勧告について
２．最近の取引調査に基づく勧告について
Prospect Asset Management, Inc.によるトライステージ株式に係る内部者取引に対する課徴金納付命令勧告
１．株式会社みんなのクレジットに対する検査結果及び勧告について
証券取引等監視委員会（以下、「証券監視委」といいます。）は、平成29年３月24日、株式会社みんなのクレジット（以下「当社」といいます。）に対して、金融庁に行政処分を行うよう勧告いたしました（詳細は下記リンク参照）。
平成29年３月24日 株式会社みんなのクレジットに対する検査結果及び勧告について
（ http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2017/2017/20170324-1.htm ）
【事案の概要等】
当社は、貸付型クラウドファンディング事業を行う会社であり、平成28年11月末現在、償還期限が到来していないファンドは、56本、出資金約17億6000万円でした。
今回の検査において、当社の業務運営の状況を検証したところ、上記公表文に記載のとおり、以下のような問題が認められました。
（１）金融商品取引契約の締結又は勧誘において重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
（２）当社の業務運営について投資者保護上問題が認められる状況
今後も投資家保護上問題のある業務運営については厳正に対処していきます。なお、当社に対しては、平成29年３月30日に関東財務局長から業務停止命令及び業務改善命令の行政処分が発出されています。
２．最近の取引調査に基づく勧告について
証券監視委は、取引調査の結果に基づいて、以下の事案について課徴金納付命令勧告を行いました。
平成29年３月22日 Prospect Asset Management, Inc.によるトライステージ株式に係る内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について
（ http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2017/2017/20170322-1.htm ）
【事案の概要】
本件は、Prospect Asset Management, Inc.（以下「PAMI」という。）による株式会社トライステージ（以下「トライステージ」という。）株式に係る内部者取引を海外の運用拠点より行っていたクロスボーダー事案です。
【取引の概要】
| （１） | PAMIは、米国ハワイ州に本店を置くハワイの会社です。 |
| （２） | PAMIは、英国領ケイマン諸島籍のリミテッド・パートナーシップ形態のファンドに出資された資産の運用権限を実質的に有していたものです。 |
| （３） | PAMIは、その運用担当者において、トライステージとの契約の締結交渉に関し、同社の業務執行を決定する機関が、自己の株式の取得を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、 |
| （４） | 出資された資産の運用として、同重要事実が公表された平成27年10月20日より前の平成27年９月25日から同年10月19日までの間、トライステージ株式合計３万６５００株を買付価額合計7476万7600円で買い付け、 |
| （５） | PAMIの親会社等の出資割合である約66％相当については自己の計算において、 |
| （６） | それ以外の約33％相当については他人（出資者）の計算において、 |
| （７） | トライステージ株式を買い付けたものです。 |
【事案の特徴】
今回の違反行為の勧告を通じ、一般の投資家と比較して、重要事実に触れる機会が多い、いわゆるアクティビスト一般に対しても、警鐘を鳴らすものです。
本件については、米国証券取引委員会（U.S. Securities and Exchange Commission）より支援がなされております。
証券監視委では、海外の投資ファンド等によるクロスボーダー取引を通じた違法行為に対して、その実態解明に積極的に取り組むべく、海外監視当局と情報交換枠組み（ＭＭＯＵ）等を通じた緊密な協力関係を構築しており、今後とも、市場の信頼を高めていくために、海外当局との一層の連携強化を図り、我が国証券市場における不公正取引に対して、厳正に対処してまいります。
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<発 行>
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（情報公開・個人情報保護係）
〒100-8922
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