証券取引等監視委員会メ-ルマガジン (第106号)

平成30年2月13日
証券監視委ウェブサイト http://www.fsa.go.jp/sesc/index.htm


<目次>
1)新着情報
2)市場へのメッセージ
 1.最近の取引調査に基づく勧告について
 2.最近の開示検査に基づく勧告について


1)新着情報



◎刊行物等への掲載を更新しました
http://www.fsa.go.jp/sesc/keisai/keisai29.htm
 


2)市場へのメッセージ


1.最近の取引調査に基づく勧告について

 証券取引等監視委員会(以下、「証券監視委」といいます。)は、取引調査の結果に基づいて、以下の事案について課徴金納付命令勧告を行いました。
 
平成30年1月16日 アセットデザイン株式会社による株式会社エボラブルアジア株式に係る相場操縦
         ( http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2018/2018/20180116.htm )

【事案の概要】
 投資運用業者であるアセットデザインの運用担当者は、同社の業務に関し、当時、東証マザーズ市場に上場されていた(株)エボラブルアジアの株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、平成29年2月16日の午後2時53分頃から午後3時の大引けまでの約7分間において、最良売り気配付近に大量の売り注文を発注する方法により、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同市場における同株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託を行いました。
 本件は、予め売りポジションを保有していた違反行為者が、その後の株価の上昇を抑えるために、大引けにかけて大量の売り注文を発注し、大引け後に、同日終値を基準とした価格で行われたブロックトレード(*)にて、大口の買付けを行った事案となります。

*ブロックトレードとは、大口の売買を希望する機関投資家等が、証券会社を通じて、相対で売買する立会外取引のことをいいます。

【当日の違反行為者の取引の流れ】

(1)違反行為直前までに、約11万株の売りポジションを作る

(2)午後2時53分頃から大引け間際にかけて最良売り気配付近に売り注文を25本、合計7万2,000株発注
・・・(上値抑え)

(3)午後3時、終値:3,395円、(2)のうち、5万9,500株の売り注文が未約定のまま失効
・・・(約定率:17.3%)

(4)午後5時8分頃、ブロックトレードにて、3,225.25円(終値の5%ディスカウント)で45万株を買付け


【本事案の特徴】

(a)プロの投資運用業者がファンドの運用の一環として行った不公正取引。

(b)大引け間際の7分間における大量の売り注文により、売り優勢の状況を作り出し、他の投資者を誘引し、上値を抑えたもの。同日の終値を基準として算出された価格において、(株)エボラブルアジア株式の大口の買付けが行われている。

(c)本事案では、大引けにかけて上値を抑える目的で約定可能性の低い大量の売り注文を行った点が相場操縦行為と認定された。


 証券監視委では、こうした内外のプロ投資家等による不公正な疑いのある取引についても、積極的に調査を行うこととしており、問題が認められた場合には、厳正に対応してまいりたいと考えております。
 

2.最近の開示検査に基づく勧告について
 
 証券監視委は、平成29年12月19日、ピクセルカンパニーズ株式会社(以下「当社」といいます。)に係る四半期報告書の虚偽記載についての開示検査を行い、その結果、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して課徴金納付命令勧告を行いました。
 
平成29年12月19日 ピクセルカンパニーズ株式会社に係る四半期報告書の虚偽記載
          ( http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2017/2017/20171219-2.html )
 
【事案の概要】
 当社の連結子会社(以下「A社」といいます。)は、他の会社(以下「B社」といいます。)に対する太陽光発電設備等(以下「発電設備」といいます。)の売買代金支払請求権(以下「代金債権」といいます。)を別の会社(以下「C社」といいます。)に債権譲渡する取引を行い、C社からの債権譲渡代金としての入金をもって売上計上しました。しかしながら、発電設備はB社に引き渡されていなかったため、当社は本来連結売上高に計上することができないにもかかわらず、C社からの債権譲渡代金を当該連結売上高に過大計上しました。
 この結果、当社は金融商品取引法第172条の4第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」四半期報告書を提出しました。
 
【不適正な会計処理】

(1)A社は、太陽光発電事業者であるB社との間で、「A社はB社に対して太陽光発電事業を譲渡する旨」、「A社は特定の期日までにB社に発電設備を完工して引き渡す旨」、「B社は同設備の引渡しを受けてからA社に対して代金を支払う旨」等を内容とする契約書(以下「原契約」といいます。)を作成しました。

(2)続いて、A社は、C社との間で、「原契約によりA社がB社に対して有する代金債権をC社に対して債権譲渡する旨」、「C社による代金債権の回収期日」等を内容とする契約を締結し、C社から債権譲渡代金が入金されたことを受け、同額をC社に対する発電設備の売上として計上しました。

(3)その後、C社による代金債権の回収期日経過後においても、A社からのB社への発電設備の引渡し及びB社によるC社への代金債権の弁済は完了しませんでした。

 


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