市場へのメッセージ(令和3年9月30日)
~当委員会では、活動状況や問題意識等を簡潔かつ分かりやすくまとめて「市場へのメッセージ」として配信しています~

<概要>

 今回は、「令和3事務年度 証券モニタリング基本方針」の公表について掲載しました。近年の金融商品取引業者等を取り巻く環境等を踏まえ、令和3事務年度における証券モニタリングの業態横断的な検証事項、規模・業態別の主な検証事項等について取りまとめたものですのでぜひご覧ください。

<目次>

  1. 「令和3事務年度 証券モニタリング基本方針」について

1. 「令和3事務年度 証券モニタリング基本方針」について

 証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」といいます。)は、令和3年8月6日に、「令和3事務年度 証券モニタリング基本方針」(以下「基本方針」といいます。)を公表しました

〇 金融商品取引業者等(以下「金商業者等」といいます。)を取り巻く環境、金商業者等を取り巻く規制の枠組み等の変更、昨事務年度の証券モニタリングを通じて判明した事項を踏まえつつ、金融庁の「金融行政方針」等も念頭に置きながら、金融庁関連部局等と連携し、証券モニタリングを実施していきます。

〇 業態横断的な検証事項

 業態横断的な検証事項として、次の6つを掲げています。

① 新型コロナウイルス感染症の影響下における顧客対応
② 適合性原則の明確化を踏まえた適正な投資勧誘等に重点を置いた内部管理態勢の構築や、顧客本位の業務運営の定着状況
③ 少子高齢化、デジタライゼーションの進展等を踏まえたビジネスモデルや市場の変化と、それに対応した内部管理態勢の構築
④ サイバーセキュリティ対策の十分性やデジタライゼーションの進展に伴うシステムリスク管理の対応状況
⑤ マネー・ローンダリング対策、テロ資金供与対策に係る内部管理態勢の定着状況
⑥ 内部監査の結果及び自主規制機関の監査等で指摘された事項に係る改善策及び再発防止策の取組状況

  上記のほか、金商業者等を取り巻く環境の変化等に応じて、機動的にその他の事項の検証についても取り組みます。
  また、銀証ファイアーウォール規制の見直しに伴うモニタリングのあり方について関係部署と連携し検討します。
  
〇 規模・業態別の主な検証事項

 規模・業態別の主な検証事項の一部を紹介します。詳細はPDF ファイルを開きます基本方針を参照してください。
 
  • 大手証券会社グループ:国内外の業務展開を支えるガバナンスやリスク管理態勢の整備状況等
  • 外国証券会社:バックオフィス業務の海外委託の進展等に対応した内部管理態勢やシステムリスク管理態勢の整備状況等
  • ネット系証券会社:委託手数料無料化の動き、取扱金融商品の増大、金融商品仲介業者を活用した対面営業への進出・拡大等のビジネスモデルの変化を踏まえた内部管理態勢の整備状況等
  • 準大手証券・地域証券会社等:適合性原則への対応も含めた投資者保護の観点からの不適切な勧誘行為等
  • FX業者:広告規制、販売・勧誘規制に対する適正な内部管理態勢の整備状況等
  • 投資運用業者:運用の実態把握、運用管理態勢(外部委託運用に対するものを含む)、利益相反管理態勢の整備状況等
  • 投資助言・代理業者:顧客に誤解を生じさせる広告手法、虚偽の説明による勧誘等
  • 第二種金融商品取引業者、適格機関投資家等特例業務届出者:高利回りを掲げたファンドや出資対象事業の実在性等
  • 金融商品仲介業者:投資勧誘等の適正性、所属金融商品取引業者による管理態勢の十分性
  • 無登録業者:裁判所への違反行為の禁止命令等の申立てに係る調査権限の積極的な活用、無登録業者の名称・代表者名・法令違反行為等の公表等を含めた情報発信の強化等

〇 証券モニタリングの進め方
 
  • 証券モニタリングの対象業者について、金融庁関連部局等と連携し、ビジネスモデル等を含めた多角的な観点でリスクアセスメントを行い、リスクベースで検査対象先を選定、以下のような場合を中心に検査を実施します。

① 個別の法令違反事項の発生や業務運営態勢に懸念があり、早期に深度ある検証が必要な状況
② リスクの所在が不明確な金融商品を取り扱い、その勧誘実態等の検証が必要な状況
③ モニタリングによる情報分析だけでは業務運営等の実態が必ずしも把握できない状況(検査未実施期間が長期化している場合を含む)
④ 分別管理が適切に行われていないなど、投資者保護上、重大な問題が懸念される状況
 
  • 検査では、単に問題点を指摘し行政処分勧告等を行うにとどまらず、問題の全体像を把握し、発生原因を究明することにより、実効性のある再発防止策につなげていきます。さらに、問題が顕在化していないものの、業務運営態勢等について改善が必要であると認められた場合には、証券監視委の問題意識を検査対象先と共有し、実効性ある内部管理態勢の構築等を促していきます。
  • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から、当分の間は、リモート会議システム等を活用するなど、感染防止策に最大限配慮します。

〇 関係機関との連携・検査結果の情報発信
 
  • 各財務局等とは、モニタリングや検査の計画策定から緊密に連携し、必要に応じて合同検査も実施します。また、財務局間の情報の集約・共有や証券モニタリング手法の検討等を行うとともに、各財務局が必要とする研修にも注力します。
  • 自主規制機関と引き続き緊密に連携し、タイムリーな情報共有により、証券モニタリングを効果的・効率的に進めます。
  • 証券監視委の問題意識等が対外的にも的確に伝わるよう、「証券モニタリング概要・事例集」等により、具体的で分かりやすい情報発信に努めます。

 

<発行>
証券取引等監視委員会 事務局 総務課
    (情報公開・個人情報保護係)
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東京都千代田区霞が関3-2-1
中央合同庁舎第7号館
電話番号:03-3506-6000(代表)

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