平成24年6月8日
証券取引等監視委員会
東京電力株式会社の契約締結交渉先の社員からの情報受領者による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について
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1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、東京電力株式会社の契約締結交渉先の社員からの情報受領者による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
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2.法令違反の事実関係
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(1)First New York Securities L.L.C.は、米国証券取引委員会に登録をしている証券会社であるが、同社の自己の資産の運用を行っていた同社所属のトレーダーが、東京電力株式会社と株式引受契約の締結に向けた交渉を行っていた証券会社の社員甲から、同証券会社の他の社員乙らが交渉に関して知り、甲がその職務に関し知った、東京電力株式会社の業務執行を決定する機関が株式の募集を行うことについての決定をした事実の伝達を受け、この事実が公表された平成22年9月29日午後3時50分より以前の平成22年9月28日に、First New York Securities L.L.C.の計算において、東京電力株式会社株式合計3万5000株を総額8051万8900円で売り付けたものである。
First New York Securities L.L.C.が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、自己の計算において同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
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(2)課徴金納付命令対象者Xは、東京電力株式会社と株式引受契約の締結に向けた交渉を行っていた証券会社の社員甲から、同証券会社の他の社員乙らが交渉に関して知り、甲がその職務に関し知った、東京電力株式会社の業務執行を決定する機関が株式の募集を行うことについての決定をした事実の伝達を受け、この事実が公表された平成22年9月29日午後3時50分より以前の平成22年9月27日から同月29日までの間に、自己の計算において、東京電力株式会社株式合計200株を総額44万3100円で売り付けたものである。
課徴金納付命令対象者Xが行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、自己の計算において同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
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3.課徴金の額の計算
上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、以下のとおりである。
- First New York Securities L.L.C.につき、1468万円
- 課徴金納付命令対象者Xにつき、6万円
計算方法の詳細については、別紙のとおり。
別紙
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(1)金融商品取引法第175条第1項に基づき、課徴金の額は、
(売付価格)×(売付株数)-(重要事実が公表された後2週間における最も低い価格)×(売付株数)
となる。
したがって、重要事実の公表後2週間における東京電力の最も低い株価は、平成22年10月13日の1881円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。
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①First New York Securities L.L.C.について
(2,291円×5,000株+2,301円×5,000株+2,302円×20,000株+2,303円×1,100株+2,304円×3,900株)
-(1,881円×35,000株)
=14,683,900円
⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、1468万円 -
②課徴金納付命令対象者Xについて
(2,336円×100株+2,095円×100株)-(1,881円×200株)
=66,900円
⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、6万円
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(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。