平成28年4月22日

証券取引等監視委員会

オーシャン・ブルー合同会社に対する検査結果について

  • 1.検査結果

    証券取引等監視委員会がオーシャン・ブルー合同会社(所在地 東京都中央区、法人番号4021003002770、資本金10万円、役職員1名、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「当社」という。)(注)を検査した結果、下記のとおり、当該適格機関投資家等特例業務届出者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、金融庁長官に対して、適切な措置を講じるための情報提供を行った。

    (注)当社の業務については、実態として、事務受託者としてAが業務全てを行っている。

  • 2.事実関係

    当社は、平成23年8月に適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)の届出を行い、特例業務として、その運用する青龍投資事業有限責任組合(以下「青龍LPS」という。)について、他の特例業務届出者(以下「届出業者」という。)が運用している匿名組合又は投資事業有限責任組合(以下「ファンド」という。)に適格機関投資家として出資(以下「適格機関投資家出資」という。)を行っており、これまで届出業者11者が運用する13本のファンド(以下「本件出資先ファンド」という。)に出資を行っている。

    そのような中、当社の業務運営状況等を検証したところ、以下の問題点が認められた。

    なお、届出業者の特例業務については、適格機関投資家が出資を行って、自己のためにファンドに関与することで、ファンドの適正性がある程度確保されることも期待されたものと考えられている。

    • (1)適格機関投資家出資と評価し得ない出資

      当社は、本件出資先ファンドのうち、届出業者10者が運用する12本のファンドについて、ファンド組成の支援を行うことなどを内容とする契約を締結することを求めているが、その際、当該届出業者に対し、当該届出業者が青龍LPSの出資額に相当する金銭(以下「出資相当額」という。)を負担するものとして、当該報酬に出資相当額を上乗せした金銭を受領し、又は出資相当額を含めた報酬を要求してこれを受領し、これを青龍LPSからの適格機関投資家出資として、当該ファンドに出資を行っていた。

      したがって、当社が青龍LPSにより当該ファンドに行った上記出資は、実質的には、当社が負担することなく、当該届出業者の負担により行われた実態のないものと認められ、適格機関投資家出資であるとは到底評価し得ないものである。

      上記のような当社の行為は、届出業者の特例業務について、適格機関投資家出資を要件とする金融商品取引法の趣旨をないがしろにし、届出業者に特例業務の要件を充足しないまま違法にファンド持分の取得勧誘や出資金の運用を行わせることとなり得るものと認められる。

      そして、本件出資先ファンドを運用する他の届出業者の中には、投資者保護上重大な問題がある業務運営がなされ、投資者被害をもたらす事態等を招いたなどの問題が認められている(別紙参照)。

      以上のとおり、当社の業務運営は、他の届出業者の違法又は不当な行為等を助長するものであり、投資者保護上、重大な問題がある。

    • (2)投資運用業に係る無登録営業

      当社は特例業務として青龍LPSを運用しているが、青龍LPSに適格機関投資家として出資しているとされている投資事業有限責任組合は、当社とAのみが出資し、当社が運用しており、青龍LPSの運営者である当社との関係において、実質的に同一視できる関係であることから、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第63条の「適格機関投資家」とは評価することができない。したがって、当社による青龍LPSに係る自己運用業務は、金商法第63条第1項第2号に規定する特例業務の上記要件を充足していない。

      当社による上記の行為は、金商法第28条第4項に規定する「投資運用業」に該当し、当社が同法第29条に基づく登録を受けることなく、上記行為を行うことは、同条に違反するものと認められる。


(別紙)

当社が適格機関投資家として出資を行ったファンドの届出業者のうち問題が認められたもの

  • 1.金融庁の「問題があると認められた届出業者リスト」に掲載されている業者

届出業者名 管轄財務局等 届出日 備考

株式会社ワンプラスワン

関東財務局

H22.8.26

※警告書(無登録)を発出しました。

※警告書(投資者保護上問題あり)を発出しました。

※実態のない会社への投資を持ちかけ現金を騙し取ることに深く関与したとして、前代表者に詐欺幇助の罪で有罪判決(実刑)が言い渡されています(平成26年4月11日)。

(金融庁「問題があると認められた届出業者リスト」(平成28年3月末日現在)より抜粋)

参考資料(PDF:207.3KB)


(参考条文)

○金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(登録)

第二十九条金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

(適格機関投資家等特例業務)(平成27年法律第32号による改正前のもの)

第六十三条次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。

一(略)

二第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利(同一の出資対象事業(同項第五号に規定する出資対象事業をいう。)に係る当該権利を有する者が適格機関投資家等(前号イからハまでのいずれにも該当しないものに限る。)のみであるものに限る。)を有する適格機関投資家等から出資され、又は拠出された金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)の運用を行う同条第八項第十五号に掲げる行為

(以下、略)

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