平成30年6月26日

証券取引等監視委員会

海外居住の個人投資家による株式会社ココカラファイン株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、海外居住の個人投資家による株式会社ココカラファイン株式に係る相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者(中華人民共和国に居住)は、東京証券取引所市場第一部に上場されている株式会社ココカラファインの株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成27年7月8日午前9時6分頃から同月14日午前9時10分頃までの間、合計5取引日において、約定させる意思がないのに、最良買い気配値と同値又はその下値に多数の買い注文を発注するなどの方法により、同株式合計79万700株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計11万6200株を売り付ける一方、最良売り気配値と同値又はその上値に多数の売り注文を発注するなどの方法により、同株式合計105万4100株の売付けの委託を行うとともに、同株式合計11万6400株を買い付けるなどし、もって、自己の計算において、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、東京証券取引所市場第一部における同株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。

    違反行為事実の概要等については、別紙1のとおり。

    課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第174条の2第1項に規定する「第159条第2項第1号の規定に違反する一連の有価証券売買等」及び「委託等」に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為について金商法に基づき算定される課徴金の額は、493万円である。

    計算方法の詳細については、別紙2のとおり。

  • 4.特記事項
    本件については、中国証券監督管理委員会(China Securities Regulatory Commission)から支援がなされている。


(別表)


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(別紙1)

○違反行為事実の概要について


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(別紙2)

○ 課徴金の額の計算方法について
 
1.金商法第174条の2第1項に基づき、課徴金の額は、

(1) 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(注1)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

(注1)売買対当数量:当該違反行為に係る有価証券の売付け等数量と買付け等数量のうち、いずれか少ない数量をいう。

及び、

当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量を超える場合、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

の合計額として算定。

(2) 上記(1)で算出された各違反行為期間における課徴金の額につき、金商法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てる。

(3) 上記(2)によりそれぞれ算定した額を合計し、別表の各違反行為に係る課徴金の額(合計額)とする。

2.本件における課徴金の額は、

 

(1) 平成27年7月8日の違反行為期間について

当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、27,500株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量も27,500株であることから、

① 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(27,500株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

(有価証券の売付け等の価額:114,531,200円)-(有価証券の買付け等の価額:113,224,950円)=1,306,250円

② 金商法第176条第2項の規定により、上記①で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、1,300,000円となる。

(2) 平成27年7月9日の違反行為期間について

当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、37,400株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、37,600株であることから、

① 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(37,400株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

(有価証券の売付け等の価額:149,440,550円)-(有価証券の買付け等の価額:147,684,900円)=1,755,650円

及び

② 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(37,600株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(37,400株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の、各日における当該違反行為に係る売付け等についての金商法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち、最も高い価格(6,220円)に当該超える数量200株(37,600株-37,400株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

(6,220円×200株)-(3,985円×200株)=447,000円

の合計額2,202,650円となる。

③ 金商法第176条第2項の規定により、上記①及び②で計算した額の合計額の1万円未満の端数を切捨て、2,200,000円となる。

(3) 平成27年7月10日の違反行為期間について

当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、28,700株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量も28,700株であることから、

① 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(28,700株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

(有価証券の売付け等の価額:116,725,010円)-(有価証券の買付け等の価額:115,719,650円)=1,005,360円

② 金商法第176条第2項の規定により,上記①で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、1,000,000円となる。

(4) 平成27年7月13日の違反行為期間について

当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、6,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量も6,000株であることから、

① 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(6,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

(有価証券の売付け等の価額: 24,352,000円)-(有価証券の買付け等の価額: 24,246,500円)=105,500円

② 金商法第176条第2項の規定により、上記①で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、100,000円となる。

(5) 平成27年7月14日の違反行為期間について

当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、16,600株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量も16,600株であることから、

① 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(16,600株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

(有価証券の売付け等の価額: 69,439,000円)-(有価証券の買付け等の価額: 69,106,200円)=332,800円

② 金商法第176条第2項の規定により、上記①で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、330,000円となる。

※ 各違反行為期間における売付け等の価額及び買付け等の価額の詳細については、別紙3を参照。

3.課徴金の額(合計額)

 

上記2.(1)ないし(5)により算定した額の合計

1,300,000円+2,200,000円+1,000,000円+100,000円+330,000円=4,930,000円となる。

(例)

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