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令和元年6月18日
証券取引等監視委員会

株式会社ファインドエッジに対する検査結果に基づく勧告について

1.勧告の内容
  近畿財務局長が株式会社ファインドエッジ(大阪市北区、法人番号1120901018128、代表取締役 土居 純(どい じゅん)、資本金200万円、常勤役職員1名、旧法特例業務届出者、金融商品取引業の登録はない。)を検査した結果、下記のとおり、当該旧法特例業務届出者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。
 
2.事実関係
○ ファンドに係る杜撰な業務運営
  株式会社ファインドエッジ(以下「当社」という。)は、検査基準日(平成30年12月3日)において、5本のファンドの運用を行っているが、平成27年10月頃から、ファンドの運用業務を縮小し、現在は清算に向けた業務を行っている。こうした中、今回検査において、ファンドの清算状況を検証したところ、以下の問題が認められた。
 
ア ファンド出資金を他のファンドの償還等へ流用している状況
  当社は、平成27年頃から、当社が運用する甲ファンドの出資金の一部について、カンボジア国内で外国為替証拠金取引業務を行うとする法人を設立する資金に投資していたが、同事業が失敗したことから、同29年5月12日に、同事業に投資された出資金約4500万円のうち約508万円相当が暗号資産により当社に返還された。
 しかしながら、当社は、返還された出資金を甲ファンドの出資者への償還に充てることなく、他のファンドの出資者のうち当社代表と親しい関係にある者等に対する償還金や、当社代表の私的費用等の一部として流用していた。
 
 上記の行為は、金融商品取引法の一部を改正する法律(平成27年法律第32号。以下「平成27年改正法」という。)附則第2条第2項及び金融商品取引法第63条第11項によって適用される金融商品取引法第42条第1項に規定する忠実義務に違反するものと認められる。
 
イ 報告徴取命令に対する虚偽報告
  当社は、ファンドの清算を行う中、近畿財務局長より、平成28年2月22日付けで出資者への返済原資に係る報告徴取命令を受け、これに対する報告書において、3本のファンドの返済資金は、経営コンサルティング業を営むとされる法人に対する貸付金を原資とする旨の報告を行っている。
 しかしながら、実際には、当該法人は平成28年2月17日に清算結了しており、当社代表は当該事実を知っていたにもかかわらず、当社は、当該法人が未だに存続しているものとして、近畿財務局長に対し、虚偽の報告を行っていた。
 
 上記の行為は、平成27年法律第32号による改正前の金融商品取引法第63条第7項に規定する報告徴取命令に違反し、平成27年改正法附則第2条第2項によって適用される金融商品取引法第63条の5第1項に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。
 
(参考条文)
○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)
(権利者に対する義務)
第四十二条 金融商品取引業者等は、権利者(次の各号に掲げる業務の区分に応じ当該各号に定める者をいう。以下この款において同じ。)のため忠実に投資運用業を行わなければならない。
一・二 (略)
三 第二条第八項第十五号に掲げる行為を行う業務 同号イからハまでに掲げる権利その他同号に規定する政令で定める権利を有する者
2 (略)
 
(適格機関投資家等特例業務)
第六十三条 次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。
一 (略)
二 第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利(同一の出資対象事業(同項第五号に規定する出資対象事業をいう。)に係る当該権利を有する者が適格機関投資家等(前号イからハまでのいずれにも該当しないものに限る。)のみであるものに限る。)を有する適格機関投資家等から出資され、又は拠出された金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)の運用を行う同条第八項第十五号に掲げる行為(投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定めるものを除く。)
2~10 (略)
11 特例業務届出者が適格機関投資家等特例業務を行う場合においては、当該特例業務届出者を金融商品取引業者とみなして、第一節第五款、第三十六条第一項、第三十六条の三、第三十七条、第三十七条の三、第三十七条の四、第三十八条(第一号、第二号及び第九号に係る部分に限る。)、第三十九条(第四項及び第六項を除く。)、第四十条、第四十条の三、第四十条の三の二、第四十二条、第四十二条の二、第四十二条の四、第四十二条の七及び第四十五条並びにこれらの規定に係る第八章及び第八章の二の規定を適用する。
(以下、略)
 
(特例業務届出者に対する監督上の処分等)
第六十三条の五 内閣総理大臣は、特例業務届出者の業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該特例業務届出者に対し、業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(以下、略)
 
○ 附 則 (平成二七年六月三日法律第三二号) 抄
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の金融商品取引法(以下この項において「旧法」という。)第六十三条第一項第二号に掲げる行為に係る同条第二項に規定する適格機関投資家等特例業務(この法律による改正後の金融商品取引法(以下「新法」という。)第六十三条第一項第二号に掲げる行為に係るものを除く。以下この項において「旧法第二号適格機関投資家等特例業務」という。)を行っている旧法特例業務届出者(旧法第六十三条第三項に規定する特例業務届出者をいう。次項及び次条第一項において同じ。)及び旧法届出金融商品取引業者等(旧法第六十三条の三第一項の規定による届出をした金融商品取引業者等(旧法第三十四条に規定する金融商品取引業者等をいう。)をいう。第三項及び次条第一項において同じ。)は、当該旧法第二号適格機関投資家等特例業務(この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に取得の申込みの勧誘を開始した権利に係るものに限る。以下この条において「旧法適格機関投資家等特例投資運用業務」という。)が終了するまでの間は、新法第二十九条の規定にかかわらず、引き続き旧法適格機関投資家等特例投資運用業務を行うことができる。
2 前項の規定により旧法特例業務届出者が引き続き旧法適格機関投資家等特例投資運用業務を行う場合においては、当該旧法特例業務届出者を新法第六十三条第五項に規定する特例業務届出者とみなして、同項から同条第八項まで及び同条第十一項から第十三項まで並びに新法第六十三条の二、第六十三条の四から第六十三条の七まで、第六十五条の二、第六十五条の四、第百八十八条並びに第百九十四条の七第二項及び第三項の規定並びにこれらの規定に係る新法第八章及び第八章の二の規定を適用する。
(以下、略)
3 (略)
 
○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)
(平成27年法律第32号による改正前)(抄)
(適格機関投資家等特例業務)
第六十三条 (略)
2~6(略)
7 内閣総理大臣は、特例業務届出者の業務に係る状況を確認するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該特例業務届出者、これと取引をする者又は当該特例業務届出者から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。次項において同じ。)に対し第二項の届出に関し参考となるべき報告又は資料の提出を命ずることができる。
(以下、略)

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