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令和元年6月25日
証券取引等監視委員会

株式会社アドバンスト・メディア社員から伝達を受けた者による内部者取引及び当該社員による重要事実に係る伝達行為に対する課徴金納付命令の勧告について

1.勧告の内容

証券取引等監視委員会は、株式会社アドバンスト・メディア社員から伝達を受けた者による内部者取引及び当該社員による重要事実に係る伝達行為について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

2.法令違反の事実関係
(1)課徴金納付命令対象者(1)について 
 課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社アドバンスト・メディア(以下「アドバンスト」という。)の社員である課徴金納付命令対象者(2)から、同人がその職務に関し知った、同社の属する企業集団の平成29年4月1日から平成30年3月31日までの事業年度の経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益(以下「当期純利益」という。)について、平成30年2月9日に公表がされた直近の予想値(経常利益2億7000万円、当期純利益2億4000万円)に比較して、同社が新たに算出した予想値において、投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとなる差異が生じた旨の重要事実の伝達を受けながら、同社において新たに算出した同事業年度の予想値(経常利益6億円、当期純利益5億円)の公表がされた平成30年4月18日午後0時頃より前の同日午前9時頃、自己の計算において、アドバンスト株式合計2500株を買付価額合計452万7500円で買い付けたものである。

 違反行為事実の概要については、別図のとおり。

 課徴金納付命令対象者(1)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。  

(2)課徴金納付命令対象者(2)について
 課徴金納付命令対象者(2)は、アドバンストの社員であるが、同人がその職務に関し知った、同社の属する企業集団の平成29年4月1日から平成30年3月31日までの事業年度の経常利益及び当期純利益について、平成30年2月9日に公表がされた直近の予想値(経常利益2億7000万円、当期純利益2億4000万円)に比較して、同社が新たに算出した予想値において、投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとなる差異が生じた旨の重要事実を、課徴金納付命令対象者(1)に対し、同社において新たに算出した同事業年度の予想値(経常利益6億円、当期純利益5億円)の公表がされる前にアドバンスト株式の買付けをさせることにより、同人に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。
 課徴金納付命令対象者(1)は、上記重要事実の公表がされた平成30年4月18日午後0時頃より前の同日午前9時頃、アドバンスト株式合計2500株を買付価額合計452万7500円で買い付けたものである。

 違反行為事実の概要については、別図のとおり。

 課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条の2第1項に規定する「第167条の2第1項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の売買等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。  

3.課徴金の額の計算

上記の違反行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。

 課徴金納付命令対象者(1)69万円
 課徴金納付命令対象者(2)34万円

 計算方法の詳細については、別紙のとおり。

4.その他

 本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報を参考として、実態解明を行ったものである。


 (別図)

○違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
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 (別紙)

○課徴金の額の計算方法について

1. 課徴金納付命令対象者(1)について

(1)金融商品取引法第175条第1項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(2,088円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

(2,088円×2,500株)
-(1,811円×2,500株)
=692,500円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

2. 課徴金納付命令対象者(2)について

(1)金融商品取引法第175条の2第1項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該買付けによって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。
 利得相当額とは、同条第3項第2号の規定により、情報受領者等が特定有価証券等の買付けをした場合、当該特定有価証券等の買付けについて、業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(2,088円)に当該特定有価証券等の買付けの数量を乗じて得た額から当該特定有価証券等の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

{(2,088円×2,500株)
-(1,811円×2,500株)}×1/2
=346,250円
 

(2)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

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