株式会社ストリームメディアコーポレーションとの契約締結交渉者の社員から情報伝達を受けた者による内部者取引及び当該社員による重要事実に係る伝達行為に対する課徴金納付命令の勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、株式会社ストリームメディアコーポレーションとの契約締結交渉者の社員から情報伝達を受けた者による内部者取引及び当該社員による重要事実に係る伝達行為について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
2.法令違反の事実関係
(1)課徴金納付命令対象者(1)について
課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社ストリームメディアコーポレーション(以下「SMC」という。)と株式会社エスエム・エンタテインメント・ジャパン(以下「SMジャパン」という。)の子会社として設立される株式会社SMEJの合併にかかる契約の締結の交渉をしていたSMジャパンに勤務していた課徴金納付命令対象者(2)から、同人が上記契約締結の交渉に関し知った、SMCの業務執行を決定する機関が合併を行うことについての決定をした旨の重要事実の伝達を受けながら、上記重要事実の公表がされた令和2年5月29日より前の同年4月1日から5月12日までの間、自己名義及び第三者名義の証券口座で、自己の計算において、SMC株式合計3万9720株を買付価額合計524万7410円で買い付けたものである。
違反行為事実の概要については、下記概要図のとおり。
課徴金納付命令対象者(1)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。
(2)課徴金納付命令対象者(2)について
課徴金納付命令対象者(2)は、SMCとSMジャパンの子会社として設立される株式会社SMEJの合併にかかる契約の締結の交渉をしていたSMジャパンに勤務していた者であるが、同人が上記契約締結の交渉に関し知った、SMCの業務執行を決定する機関が合併を行うことについての決定をした旨の重要事実を、課徴金納付命令対象者(1)に対し、上記重要事実の公表がされる前にSMC株式の買付けをさせることにより同人に利益を得させる目的をもって、伝達したものであり、これにより伝達を受けた同人が、上記重要事実の公表がされた同年5月29日より前の同年4月1日から5月12日までの間、SMC株式合計3万9720株を買付価額合計524万7410円で買い付けたものである。
違反行為事実の概要については、下記概要図のとおり。
課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条の2第1項に規定する「第167条の2第1項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の買付け等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。
3.課徴金の額の計算
上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。課徴金納付命令対象者(1)912万円
課徴金納付命令対象者(2)456万円
計算方法の詳細については、別紙のとおり。
4.その他
本件については、大韓民国の金融委員会(Financial Services Commission)及び金融監督院(Financial Supervisory Service)から支援を受けている。
また、日本取引所自主規制法人から提供された情報等も参考として、実態解明を行ったものである。