令和7年12月18日

証券取引等監視委員会

不正アクセス行為を手段とした相場操縦事件の告発について

 証券取引等監視委員会は、本日、金融商品取引法違反(相場操縦)の嫌疑で、嫌疑法人1社及び嫌疑者1名を東京地方検察庁に告発した。告発の対象となった犯則事実については下記のとおり。

1.告発の対象となった犯則事実

 犯則嫌疑法人株式会社L&H(以下「犯則嫌疑法人」という。)は、貴金属の輸出入及び株式・有価証券等の売買等を目的とする会社、犯則嫌疑者Aは、犯則嫌疑法人の代表取締役としてその業務全般を統括管理していたものであるが、Aは、氏名不詳者らと共謀の上、犯則嫌疑法人の業務又は財産に関し、財産上の利益を得る目的で、東京都中央区日本橋兜町2番1号所在の株式会社東京証券取引所が開設する有価証券市場に上場されているウィルソン・ラーニングワールドワイド株式会社の株券について、その株価の高値形成を図ろうと企て、令和7年3月17日、同市場において、同株券の売買を誘引する目的をもって、犯則嫌疑法人ほか10名義で、証券会社2社を介し、連続した高指値注文を行って高値を買い上がるなどの方法により、同株券合計139万4300株を買い付け、さらに、犯則嫌疑法人名義で、証券会社1社を介し、下値買い注文を大量に入れるなどの方法により、同株券合計49万4100株の買付けの委託を行い、もって同株券の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同市場における同株券の相場を変動させるべき一連の株券売買及びその委託をするとともに、同株券の売買が繁盛に行われていると他人に誤解させるなど同株券の売買の状況に関し他人に誤解を生じさせる目的をもって、同株券について、証券会社1社を介し、犯則嫌疑法人名義で売り付けると同時期に、これと同価格において、証券会社1社を介し、Bほか8名義で買い付けることをあらかじめ通謀の上、同株券合計52万7600株の売付け及び買付けをし、同株券の株価を上昇させた上、同日、同市場において、その上昇させた株価により、犯則嫌疑法人名義で、証券会社1社を介し、同株券合計72万2900株を売り付けたものである。
 なお、犯則嫌疑法人以外の証券口座は、利用権者のいる証券口座を不正アクセス行為により不正に利用した口座である。

2.関連条文

金融商品取引法
同法第197条第2項第1号、同条第1項第5号(令和4年法律第68号による改正前のもの)、第159条第2項第1号、同条第1項第4号、同項第5号
犯則嫌疑法人につき、更に第207条第1項第1号
犯則嫌疑者につき、更に刑法第60条

法定刑:
法人につき 7億円以下の罰金
個人につき 10年以下の懲役及び3000万円以下の罰金

3.その他

本件については、日本取引所自主規制法人により支援がなされている。

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