令和8年3月31日
証券取引等監視委員会

株式会社BANK INNOVATION及び株式会社プロスペリティアシュアランス並びにこれらの役員1名による金融商品取引法違反行為に係る裁判所への禁止及び停止命令発出の申立てについて

1.申立ての内容等

 証券取引等監視委員会が、株式会社BANK INNOVATION(大阪府大阪市、法人番号6120001196191、資本金1000万円、金融商品取引業の登録等はない。以下「BANK社」という。)及び株式会社プロスペリティアシュアランス(大阪府大阪市、法人番号2120001228428、資本金1000万円、金融商品取引業の登録等はない。以下「プロスペリティ社」という。)に対して金融商品取引法(以下「金商法」という。)第187条第1項に基づく調査を行った結果、下記2.の事実が認められたことから、本日、証券取引等監視委員会は、金商法第192条第1項に基づき、大阪地方裁判所に対し、BANK社、プロスペリティ社及びこれらの代表取締役である安藤正一郎(あんどうしょういちろう、以下「安藤」といい、BANK社及びプロスペリティ社と併せて「当社ら」という。)を被申立人として、金商法違反行為(下記ア及びイ)の禁止及び停止を命ずるよう申立てを行った。
ア 無登録で、金商法第2条第2項第5号又は第6号に掲げる権利について、募集又は私募の取扱いを業として行うこと
イ 無登録で、投資一任契約の締結の媒介を業として行うこと
 

2.事実関係

 BANK社は、損害保険代理及び生命保険募集に関する業務、ファイナンシャルプランナー養成に関わるセミナーの企画及び運営業務等を目的として、平成28年に設立された株式会社である。
 プロスペリティ社は、ファイナンシャルプランニング事業等を目的として、令和2年に設立された株式会社であり、BANK社の下位代理店として活動している者である。
 
 当社らは、金商法第29条所定の登録を受けずに、米国籍の金融持株会社ITA International Holdings LLCを最上位とするITAグループの保険会社等が組成する「S&P500インデックス」及び「エボリューション」等の集団投資スキームの持分(金商法第2条第2項第6号)に該当する海外投資商品に関し、下記(1)のとおり、集団投資スキーム持分の募集又は私募の取扱いを業として行い、また、下記(2)のとおり、顧客とGOO PROPERTY SINGAPORE PTE.LTD.(シンガポール共和国籍、以下「GOO社」という。)との間の投資一任契約の締結の媒介を業として行っている。
 
(1) 集団投資スキーム持分の募集又は私募の取扱い
 BANK社において、ITAグループの日本国内の総代理店の位置付けにあるGOO社と業務委託契約を締結しているところ、当社らは、ITAグループのイントロデューサー登録(ITAグループの投資商品を扱うための資格)を受けた上で、オフショア商品に関心を示した一般投資家に対してITAグループの投資商品であるS&P500インデックス及びエボリューション等の商品概要や特長、これに投資した場合に見込まれる収益等を説明するなどして出資を促しているほか、当該商品への出資を希望する顧客に対し、その出資契約締結に関して各種書類の案内及び作成の補助等を行っている。また、当社らは、上記のとおり、自らITAグループの投資商品の販売に係る業務を行う一方、同業務を委託する下位代理店の営業活動によっても収益を図っており、BANK社においては、プロスペリティ社を含む下位代理店(約120者)を管理・指導するなどして当該業務を主導している。
 これにより、当社らは、令和7年12月までに、延べ5824名の一般投資家に対し、合計約66億円の出資をさせている。
 当社らの上記行為は、無登録で外国の法令に基づく集団投資スキーム持分の募集又は私募の取扱いを業として行うものとして、金商法第28条第2項第2号に規定する「第二種金融商品取引業」に該当し、無登録でこれを行うことは、同法第29条に違反する。
 
(2) 投資一任契約の締結の媒介
 当社らは、当社ら自身又は下位代理店を通じ、上記(1)の募集又は私募の取扱いに際し、エボリューション等の投資商品に係る出資契約を締結した顧客のうち、出資金に係る運用ポートフォリオの選定及び変更等に係る権限をGOO社に一任する顧客について、当該投資判断の一任を内容とするアドバイザリーサービス合意書の書式を顧客に提供し、その内容を説明した上、当該合意書の作成を指示するなど、当該投資一任契約の締結のために尽力し、もって、当該顧客とGOO社との間の投資一任契約の締結の媒介を行っている。
 当社らの上記行為は、金商法第28条第3項第2号に規定する「投資助言・代理業」に該当し、無登録でこれを行うことは、同法第29条に違反するものである。
 
 当社らは、上記金商法違反行為を今後も行う蓋然性が高いことから、これを可及的速やかに禁止・停止させる必要がある。
 

【顧客の皆様へ】

証券取引等監視委員会は、大阪地方裁判所に対して、当社らが金融商品取引法違反行為(無登録金商業)を行うことの禁止及び停止を命ずるよう申立てを行いました(令和8年3月31日)。
 
(注)本件申立ては、当社らによる金商法違反行為の禁止及び停止を命ずるよう裁判所に求めるものであり、顧客への投資資金の返金の禁止を求めるものではありません。
 
当社らは、いずれも金融商品取引業の登録等を受けた業者ではありません。
 
〇 証券取引等監視委員会の調査の結果によれば、当社らは、S&P500インデックスについて、満期まで契約を継続した場合には、積立元本に対し、10年なら100パーセント、15年なら140パーセント、20年なら160パーセントの配当を約束する「元本確保」型商品であること、エボリューションについて、顧客が投資対象及び投資割合を選択した最大10個の外部ファンド等により運用することができ、外部ファンドとしてビットコインの現物を投資対象とした上場型投資信託商品にも投資することができるなど、ITAグループの投資商品の優位性を説明し、これらの商品への出資の勧誘を行い、出資を希望する顧客に対して出資契約の締結等のサポートを行っていました。
 
〇 当社らは、当該商品の提案、勧誘を行うに当たり、顧客に対して、利回りが確保されるなどを謳った説明を行っていますが、当該商品の運用成果を保証するものではありません。
 
〇 【一般投資家の皆様へ】も、併せてご確認ください。 

【一般投資家の皆様へ】

〇 無登録業者が、実際には契約内容のとおりの取引を行っていなかったなどのトラブルが多発しています。無登録業者には、金融庁の監督権限が及ばず、投資者保護規定に基づく処分等が行えませんので、ご注意ください。
 
〇 仮に、海外当局の登録を受けた業者であったとしても、当該海外当局は、他国民との取引について監督指導等を行わないことや、金融庁と同等の監督権限がないことなどがあります。海外当局の登録を受けたことをもって日本と同等の投資者保護を担保するものではありません。
 
一般に、無登録業者は、実際には契約内容のとおりの取引を行っていない商品であったとしても、返金等を希望する顧客に対し、他の顧客の投資資金を交付することで、返金等に応じることがあります。これまでに返金等を受けることができていたとしても、そのことをもって、直ちに当該商品が信頼できるとは言えませんので、ご注意ください。
 
〇 日本で登録を受けずに金融商品取引業を行うことは違法です。取引の相手方が登録を受けているか、こちら新しいウィンドウで開きます / open new windowでご確認ください。
  また、無登録で金融商品取引業を行っているとして、金融庁(財務局)が警告を行った者の名称等は、こちら新しいウィンドウで開きます / open new windowをご確認ください。
 
〇 その他、投資の際に留意すべき点等については、こちらをご確認ください。
 

本件事案の概要図

(クリックすると拡大されます。)
金融商品取引法違反に係る裁判所への申立てについて
(クリックすると拡大されます。)

参考条文

第二種金融商品取引業、投資助言・代理業
 
金融商品取引法(抄)
 
(定義)
第二条 この法律において「有価証券」とは、次に掲げるものをいう。
 一~二十一 (略)
2 前項第一号から第十五号までに掲げる有価証券(略)であつて内閣府令で定めるものに表示されるべき権利(以下この項及び次項において「有価証券表示権利」と総称する。)は、有価証券表示権利について当該権利を表示する当該有価証券が発行されていない場合においても、当該権利を当該有価証券とみなし(略)次に掲げる権利は、証券又は証書に表示されるべき権利以外の権利であつても有価証券とみなして、この法律の規定を適用する。
一~四 (略)
五 民法(略)第六百六十七条第一項に規定する組合契約、商法(略)第五百三十五条に規定する匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律(略)第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約又は有限責任事業組合契約に関する法律(略)第三条第一項に規定する有限責任事業組合契約に基づく権利、社団法人の社員権その他の権利(外国の法令に基づくものを除く。)のうち、当該権利を有する者(以下この号において「出資者」という。)が出資又は拠出をした金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)を充てて行う事業(以下この号において「出資対象事業」という。)から生ずる収益の配当又は当該出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利であつて、次のいずれにも該当しないもの(略)
イ~ニ (略)
六 外国の法令に基づく権利であつて、前号に掲げる権利に類するもの
七 (略)
3~7  (略)
8 この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(略)のいずれかを業として行うことをいう。
一~八 (略)
九 有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱い
十~十二 (略)
十三 投資顧問契約又は投資一任契約の締結の代理又は媒介
十四~十八 (略)
9~45 (略)
 
第二十八条 (略)
2 この章において「第二種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。
一 (略)
二 第二条第二項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利についての同条第八項第一号から第三号まで、第五号、第八号又は第九号に掲げる行為
三・四 (略)
3 この章において「投資助言・代理業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。
一 (略)
二 第二条第八項第十三号に掲げる行為
4~8 (略)
 
(登録)
第二十九条 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。
 
第百九十七条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一~十の三 (略)
十の四 第二十九条の規定に違反して内閣総理大臣の登録を受けないで金融商品取引業を行つた者
十の五~十五 (略)
 
第二百七条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項及び次項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 (略)
二 第百九十七条の二(第十一号及び第十二号を除く。)又は第百九十七条の三 五億円以下の罰金刑
三~六 (略)
2・3 (略)
 
〇緊急差止命令に係る申立て
 
金融商品取引法(抄)
 
(審問等に関する調査のための処分)
第百八十七条 内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣は、この法律の規定による審問、この法律の規定による処分に係る聴聞又は第百九十二条の規定による申立てについて、必要な調査をするため、当該職員に、次に掲げる処分をさせることができる。
一 関係人若しくは参考人に出頭を命じて意見を聴取し、又はこれらの者から意見書若しくは報告書を提出させること。
二 鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。
三 関係人に対し帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。
四 関係人の業務若しくは財産の状況又は帳簿書類その他の物件を検査すること。
2 (略)
 
(裁判所の禁止又は停止命令)
第百九十二条 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、当該各号に定める行為を行い、又は行おうとする者に対し、その行為の禁止又は停止を命ずることができる。
一 緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であるとき この法律又はこの法律に基づく命令に違反する行為
二 (略)
2~4 (略)
 
第百九十八条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一~七 (略)
八 第百九十二条第一項又は第二項の規定による裁判所の命令に違反したとき。
2 (略)
 
第二百七条 法人(略)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一・二 (略)
三 第百九十八条第一項(第五号を除く。)又は第百九十八条の三から第百九十八条の五まで 三億円以下の罰金刑
四~六 (略)
2・3 (略)
 

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