開示規制違反に係る課徴金額の算定方法等

  • (1)有価証券届出書の不提出等(金融商品取引法第172条)

    • (課徴金の対象となる者)

      • (a)届出を必要とする有価証券の募集等について、届出が受理されていないのに募集等をした者(第1項)

        「募集等」とは募集、自己所有の有価証券の売出し、自己所有の有価証券の適格機関投資家取得有価証券一般勧誘又は自己所有の有価証券の特定投資家等取得有価証券一般勧誘をいう。

      • (b)届出の効力が発生する前に募集又は売出しにより有価証券を取得させた発行者、または自己の所有する有価証券を売り付けた者(第2項)

      • (c)目論見書を交付しないで売出しにより自己の所有する既に開示された有価証券を売り付けた者(第3項)

      • (d)発行登録追補書類の提出前に募集又は売出しにより有価証券を取得させ、または売り付けた者(第4項)

    • (課徴金額の算定方法)

      募集・売出し総額の2.25%(有価証券が株券等の場合は4.5%)

      当該有価証券が新株予約権証券の場合は、新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。

  • (2)発行開示書類の虚偽記載等(金融商品取引法第172条の2)

    • (課徴金の対象となる者)

      • (a)虚偽記載等のある発行開示書類を提出し、当該発行開示書類に基づく募集・売出しにより有価証券を取得させ、または売り付けた発行者(第1項)

        「虚偽記載等」とは、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることをいう。以下において同じ。

      • (b)虚偽記載等のある発行開示書類を提出した発行者の役員等であって、当該発行開示書類に虚偽記載等があることを知りながら、その提出に関与し、当該発行開示書類に基づく売出しにより当該役員等が所有する有価証券を売り付けた者(第2項)

        「役員等」とは、当該発行者の役員、代理人、使用人その他の従業者をいう。以下において同じ。

      • (c)虚偽記載等のある目論見書を使用した売出しにより自己の所有する既に開示された有価証券を売り付けた発行者(第4項)

      • (d)虚偽記載等のある目論見書を使用した発行者の役員等であって、当該目論見書に虚偽の記載があることを知りながら、その作成に関与し、当該目論見書に係る売出しにより当該役員等が所有する有価証券を売り付けた者(第5項)

      • (e)発行開示訂正書類を提出しなければならない場合において、発行開示訂正書類を提出しないで募集又は売出しにより有価証券を取得させ、または売り付けた発行者(第6項)

    • (課徴金額の算定方法)

      募集・売出し総額の2.25%(有価証券が株券等の場合は4.5%)

      当該有価証券が新株予約権証券の場合は、新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。

  • (3)継続開示書類等の不提出(金融商品取引法第172条の3)

    • (課徴金の対象となる者)

      • (a)有価証券報告書の提出義務がありながら有価証券報告書を提出しない発行者(第1項)

      • (b)四半期報告書又は半期報告書の提出義務がありながら四半期報告書又は半期報告書を提出しない発行者(第2項)

    • (課徴金額の算定方法)

      • (a)の課徴金額

        提出すべきであった有価証券報告書に係る事業年度の直前事業年度における監査報酬額に相当する額。ただし、監査証明を受けるべき直前事業年度がない場合又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める場合(金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令第1条の2第1項)は、400万円

      • (b)の課徴金額

        提出すべきであった四半期報告書又は半期報告書に係る期間の属する事業年度等の直前事業年度等における監査報酬額の2分の1に相当する額。ただし、監査証明を受けるべき直前事業年度等がない場合又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める場合(金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令第1条の2第2項)は、200万円

  • (4)継続開示書類の虚偽記載等(金融商品取引法第172条の4)

    • (課徴金の対象となる者)

      • (a)虚偽記載等のある有価証券報告書等を提出した発行者(第1項)

        「有価証券報告書等」とは、有価証券報告書及びその添付書類又はそれらの訂正報告書をいう。

      • (b)虚偽記載等のある四半期・半期・臨時報告書等を提出した発行者(第2項)

        「四半期・半期・臨時報告書等」とは、四半期報告書、半期報告書、臨時報告書又はそれらの訂正報告書をいう。

      • (c)臨時報告書のうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼすものとして内閣府令で定める事項を記載すべきものを提出しない発行者(第3項)

    • (課徴金額の算定方法)

      • (a)の課徴金額

        当該発行者が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額の10万分の6又は600万円のいずれか高い額

        「算定基準有価証券」とは、株券、優先出資法に規定する優先出資証券その他これらに準ずるものとして政令で定める有価証券をいう。以下において同じ。

      • (b)及び(c)の課徴金額

        (a)で算定した額の2分の1に相当する額

  • (5)公開買付開始公告の不実施(金融商品取引法第172条の5)

    • (課徴金の対象となる者)

      • (a)公開買付けによって株券等の買付け等を行わなければならない場合において、公開買付開始公告を行わないで株券等の買付け等をした発行者以外の者

        「株券等」とは、法第27条の2第1項に規定する株券等をいう。第172条の6において同じ。「買付け等」とは、法27条の2第1項に規定する買付け等をいう。

      • (b)公開買付けによって上場株券等の買付け等を行わなければならない場合において、公開買付開始公告を行わないで上場株券等の買付け等をした発行者

        「上場株券等」とは、法第24条の6第1項に規定する上場株券等をいう。第172条の6において同じ。「買付け等」とは、法27条の22の2第1項に規定する買付け等をいう。

    • (課徴金額の算定方法)

      当該公開買付開始公告を行わないでした株券等(発行者による買付け等の場合には上場株券等)の買付け総額の25%

  • (6)公開買付届出書等の虚偽記載等(金融商品取引法第172条の6)

    • (課徴金の対象となる者)

      • (a)虚偽表示等のある公開買付開始公告等を行った者又は虚偽記載等のある公開買付届出書等を提出した者(第1項)

        「虚偽表示等」とは、重要な事項につき虚偽の表示があり、又は記載すべき重要な事項の表示が欠けていることをいう。「公開買付開始公告等」とは、公開買付開始公告又は公開買付開始公告の内容を訂正する公告若しくは公表をいう。「公開買付届出書等」とは、公開買付届出書、その訂正届出書、対質問回答報告書又はその訂正報告書をいう。

      • (b)公開買付訂正届出書等の提出義務がありながら、提出しない者(第2項)

        「公開買付訂正届出書等」とは、公開買付届出書、訂正届出書、対質問回答報告書又は訂正報告書をいう。

    • (課徴金額の算定方法)

      公開買付開始公告を行った日の前日における当該公開買付けに係る株券等(発行者による買付け等の場合には上場株券等)の最終の価格に、当該公開買付けにより買付け等をした数量を乗じて得た額の25%

  • (7)大量保有報告書等の不提出(金融商品取引法第172条の7)

    • (課徴金の対象となる者)

      大量保有報告書等の提出義務がありながら大量保有報告書等を提出しない者

      「大量保有報告書等」とは、大量保有報告書及び変更報告書をいう。以下において同じ。

    • (課徴金額の算定方法)

      提出すべき大量保有報告書等に係る株券等の発行者が発行する株券又は外国の者の発行する証券若しくは証書で株券の性質を有するもの又は投資証券等の当該提出すべき大量保有報告書等の提出期限の翌日における最終の価格に、当該翌日における発行者の発行済株式総数又は発行済投資口総数を乗じた額の10万分の1

  • (8)大量保有報告書等の虚偽記載等(金融商品取引法第172条の8)

    • (課徴金の対象となる者)

      虚偽記載等のある大量保有報告書等を提出した者

    • (課徴金額の算定方法)

      大量保有報告書等に係る株券等の発行者が発行する株券又は外国の者の発行する証券若しくは証書で株券の性質を有するもの又は投資証券等の当該大量保有報告書等の提出日の翌日における最終の価格に当該翌日における発行者の発行済株式総数又は発行済投資口総数を乗じた額の10万分の1

  • (9)特定証券情報の不提供(金融商品取引法第172条の9)

    • (課徴金の対象となる者)

      有価証券の発行者が特定証券情報を提供又は公表していないのに特定勧誘等をした者

      「特定勧誘等」とは、法第27条の31に規定する特定取得勧誘及び特定売付け勧誘等をいう。以下において同じ。特定売付け勧誘等をした者については、自己の所有する有価証券に関して特定売付け勧誘をした者に限る。

    • (課徴金額の算定方法)

      特定勧誘等により取得等させた有価証券の発行価額の総額の2.25%(有価証券が株券等の場合は4.5%)

      当該有価証券が新株予約権証券の場合は、新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。

  • (10)特定証券等情報の虚偽等(金融商品取引法第172条の10)

    • (課徴金の対象となる者)

      • (a)虚偽等のある特定証券等情報を提供等し、当該虚偽等のある特定証券等情報に係る特定勧誘等より有価証券等を取得等させた発行者(第1項)

        「虚偽等」とは、重要な事項につき虚偽の情報があり、又は提供し、若しくは公表すべき重要な事項に関する情報が欠けているものをいう。以下において同じ。「提供等」とは、提供又は公表をいう。以下において同じ。

      • (b)虚偽等のある特定証券等情報を提供等した発行者の役員等であって、虚偽等があることを知りながら当該特定証券等の提供等に関与し、当該虚偽等のある特定証券等情報に係る特定売付け勧誘等によって自己が所有する有価証券を売り付けた者(第2項)

    • (課徴金額の算定方法)

      • (a)当該特定証券等情報が公表されている場合

        特定勧誘等によって取得等させた有価証券の発行価額の総額の2.25%(有価証券が株券等の場合は4.5%)

        当該有価証券が新株予約権証券の場合は、新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。

      • (b)当該特定証券等情報が公表されていない場合

        (a)で算定した額×当該虚偽等のある特定証券等情報の提供を受けた者の数÷当該特定加入等の相手方の数

  • (11)発行者等情報の虚偽等(金融商品取引法第172条の11)

    • (課徴金の対象となる者)

      虚偽等のある発行者等情報を提供等した発行者

    • (課徴金額の算定方法)

      • (a)当該発行者等情報が公表されている場合

        当該発行者が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額の10万分の6又は600万円のいずれか高い額

      • (b)当該発行者等情報が公表されていない場合

        (a)で算定した額×当該虚偽等のある発行者等情報の提供を受けた者の数÷発行者等情報を提供すべき相手方の数

  • (12)虚偽開示書類等の提出に加担(金融商品取引法第172条の12)

    • (課徴金の対象となる者)

      開示書類提出者等が虚偽開示書類等を提出、提供、公表することを容易にすべき行為(特定関与行為)を行なった者

    • (課徴金額の算定方法)

      当該特定関与行為に関し手数料、報酬その他の対価として支払われるべき金銭その他の財産の価額に相当する額として内閣府令で定める額

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