アクセスFSA 第75号(2009年2月)

金融庁月刊オンライン広報誌 アクセスFSA 第75号(2009年2月)

就任記者会見を行う与謝野新大臣(2月17日) 年度末金融の円滑化に関する意見交換会で挨拶する与謝野新大臣(2月24日)
就任記者会見を行う与謝野新大臣(2月17日) 年度末金融の円滑化に関する意見交換会で
挨拶する与謝野新大臣(2月24日)

目次


【談話・講演等】

※ このコーナーは、大臣、副大臣、大臣政務官、金融庁幹部が行った談話・講演等についての情報をお届けするものです。


【特集】

第5回国際コンファレンスの開催について
決済システムの強化を考える
―アジアにおける決済の円滑化と資金循環の活発化―

金融庁金融研究研修センターでは、金融をめぐる実践的なテーマについて産学官の国際コンファレンスを開催しています。第5回目の今回は、「決済システムの強化を考える-アジアにおける決済の円滑化と資金循環の活発化-」をテーマとして、アジア開発銀行研究所及び慶應義塾大学グローバルCOEとの共催により、2月10日に開催しました。国内外の研究者、政府・中央銀行関係者、金融機関、在京各国大使館関係者など、約220名の参加がありました。

決済システムは、金融・資本市場を支える重要な社会的基盤の一つであり、時代の変化に対応してその安全性・効率性・利便性の向上を図ることが重要です。近年、情報通信技術を背景に、我が国をはじめとする様々な国々で、電子マネー等の新しい決済ビジネスが成長しています。また、資金決済システムの分野では、海外との連携強化を図る観点から、国際標準化や顧客のニーズへの対応といった動きも進み始めています。

本コンファレンスは、今般の金融危機の中、アジアの資金循環の活発化のために、今後アジアの決済制度はどうあるべきか、またそれを支える決済システムの現状と将来について、単なる制度設計のみならず決済ビジネス技術といった多方面からも検討を行いました。

セッションI:アジアにおける資金フローの現状と決済システムの関連性

セッションI:アジアにおける資金フローの現状と決済システムの関連性

セッションIでは、インドネシア、マレーシア、タイ及びフィリピンの出席者により決済システムと最近のリテール決済の動向について報告がなされ、各国ともリテールの分野でeバンキングや電子決済が利用され始めており、政府の施策や銀行業の発展、地理的状況を反映して、インターネット、ATMネットワーク、携帯電話と媒介するツールは国ごとで違うものの、そうした決済方法の普及の結果、中小企業金融のコストや利便性は向上していることが紹介されました。もっとも、利用状況は国によって区々であり、全体的には中小企業金融では新しい決済サービスをまだ十分に活用できていないとの認識が示されました。

その後、4か国の報告に対するコメントが中国とインドの参加者により行われ、電子的な支払の普及により現金取引が減少していること、決済サービスの発展が中小企業金融のコストを削減し利便性を高めていることが各国に共通する点として挙げられました。一方で、アジアには、銀行口座を有さず、銀行サービスにアクセスできない消費者がまだ存在することも指摘され、そうした人々が銀行サービスを享受できるようにすることが、国内需要を創出し、経済成長を促進することになるとの認識が示されました。また、電子決済やモバイル・バンキングが更に発展するためには、利用者及び銀行業に従事する人の情報リテラシーの向上が必要との指摘もなされました。なお、決済システムと資金フローとの関係を考える上で、決済についての的確なデータの収集が必要であるとのコメントがなされました。

セッションII:アジア域内における決済システムの現状と強化に向けた取組み

セッションII:アジア域内における決済システムの現状と強化に向けた取組み

セッションIIでは、民間事業者から新しい決済サービスについての最近の動向が説明されるとともに、金融庁及び日本銀行から決済システムの強化に向けた取組みについて報告がありました。すなわち、民間事業者からは、銀行によるリスク削減や流動性管理、ファイナンス等と組み合わせた新しいサービスの提供が紹介されたほか、電子記録債権法に基づく既存の手形に変わる決済手段を用いた中小企業金融ビジネスの動きが紹介されました。また、金融庁からは、我が国における近年の資金決済システムの強化に向けた制度整備の取組みが報告されたほか、日本銀行からは、決済システムの安全性・効率性に向けた取組みや、決済システム間の相互依存性の高まりへの対応等が報告されました。

これを受けて、韓国の出席者からは、為替取引に関する規制に関連し、韓国では投資会社が送金業を行うことを可能とする法律が最近施行されたことが報告されたほか、香港の出席者からは、アジアにおける資金循環を活発化するために、アジアの資金フローを地域化(“localization of funds flow in the region”)することが重要であるとして、韓国やマレーシア等との間で進められている決済システムの連携の仕組みについて紹介されました。

セッションIII:総括

セッションIIIでは、まず、財務省から、日本の地域金融協力のこれまでの取組みについて報告があり、アジア金融危機以降アジア経済が順調に成長を遂げ、キャッシュフローも増加し、地域内のつながりも一層深化しつつある現状の中で、ASEAN+3(東南アジア諸国連合及び日中韓)の枠組みの下、チェンマイ・イニシアティブ(CMI)等の地域金融協力を推進しているとの紹介があり、今般の金融危機でその重要性は増していると説明がなされました。

その後、吉野直行金融庁金融研究研修センター長(慶應義塾大学経済学部教授)から、これまでのセッションについて総括する以下の報告がありました。

  • 資金決済システムは、決済業務を行う主体が既存の金融機関以外に拡大し、さらにツールの拡大により、中小企業等小口ユーザーも簡単にアクセスできるようになり、利便性が高まっている。

  • 決済システムの効率性を高め、コストを低くするためには、競争が必要。ただし、競争・効率性と安全性のバランスを確保する必要があり、決済システムの安全性を確保するために規制・監督が必要。

  • アジアにおけるネットワークの構築は、制度や決済システムの発展状況の違い、会計制度や技術の違いという課題があるものの、アジアの貯蓄をアジア内で循環することにつながると考えられる。

セッションIII:総括

その後、総括を踏まえて行われたパネルディスカッションでは、まず、今般の金融危機の決済システムへの影響について議論があり、アジアに限らず米国においても決済システムの安定に問題が生じなかったことは評価できるが、望ましい決済システムはその国の経済の発展状況に依り、決済システムに関する課題も、規制・監督の面も含めて国ごとに異なるとの指摘がありました。

さらに決済システムの発展に関しては、法的な課題としては、統一した決済法制を各国が採用するのは困難であること、決済システムの規制の度合いについては、安全性確保とイノベーションの促進との二つの課題がありアジア各国とも手探りの状態であるという指摘がなされました。

最後に、今後金融危機の影響が続く中で、アジア経済が世界経済に与える影響は大きく、アジア経済の継続的な安定が望ましいとの認識は一致していますが、アジアの決済システムのより一層の強化が、新しいアジア内の資金フローを生み出していくことにつながると考えられるとして締め括られました。

※ 本コンファレンスのプログラムについては、金融庁金融研究研修センターウェブサイトの「国際コンファレンス「決済システムの強化を考える」の開催について」にアクセスしてください。なお、資料及び結果概要については、コンファレンス終了後、金融庁金融研究研修センターのページに掲載する予定です。


【トピックス】

「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)(案)」の公表について

  • 中間報告(案)の公表

    企業会計審議会の企画調整部会では、平成20年10月より、我が国における国際会計基準(IFRS)の取扱いについて議論を行ってきました。そして、本年1月28日に開催された第15回企画調整部会における審議検討の結果、中間報告(案)を公表し、広く一般に意見募集を行うことが了承され、中間報告(案)は2月4日に公表されました。意見募集期間は、4月6日までとなっています。

  • 検討の経緯

    会計基準の国際的なコンバージェンス(収れん)の流れの中で、我が国においても、コンバージェンスの動きが加速化しており、関係者の懸命な努力によって、我が国の会計基準は、国際的にもIFRSと同等と認められているところです(EUにおける会計基準の同等性評価については、アクセスFSA第74号を参照してください。)。

    しかしながら、IFRSを適用している国や適用に向けた動きが米国をはじめEU以外の諸国においても徐々に広がっており、今後、我が国を除く世界の主要な金融・資本市場においてIFRSが用いられる可能性があります。こうした動きの中で、我が国として、財務諸表の比較可能性の一層の向上、我が国企業の国際競争力強化などの観点から、我が国企業に対してIFRSに基づく財務諸表の法定開示を認め、ないしは義務づけるためのロードマップ(工程表)を作成し、具体的な展望を示すべきとの指摘が各方面からなされました。

    こうしたことから、企業会計審議会・企画調整部会において、我が国会計関係者が中長期的な展望を共有した上でIFRSの取扱いを検討することとしたものです。なお、我が国の会計を取り巻く国際的な諸情勢には流動的な部分も多いことから、諸情勢を見極めた上で判断する必要があるとしています。

  • 中間報告(案)の内容

    • (1)IFRS適用に向けての諸課題

      我が国におけるIFRS適用のための円滑な実務の準備のためには、その将来展望が示されることが有意義であると考えられますが、一方で、実務の準備・対応をはじめとする以下のような諸課題への積極的な取組みが重要であるとしています。

      • IFRSの内容

      • IFRSを適用する場合の言語

      • IFRSの設定におけるデュー・プロセスの確保

      • IFRSに対する実務の対応、教育・訓練

      • IFRSの設定やガバナンスへの我が国の関与の強化

      • XBRLのIFRSへの対応

    • (2)任意適用

      中間報告(案)においては、IFRSの将来的な強制適用の展望を示し、IFRS適用の前提となる課題に着実に取り組みつつ、任意でIFRSの適用を認めることが考えられるとしています。なお、今後、具体的なスケジュールを確定させるにあたっては欧米等の国際的な動向などの諸情勢を見極める必要があるとしています。

      その上で、IFRSの任意適用については、例えば、2010年3月期の年度財務諸表から、一定の上場企業の連結財務諸表に認めることが考えられるとされています。なお、任意適用の対象となる企業については、例えば、以下の条件のすべてを満たす上場企業が考えられるとされています。

      • 継続的に適正な財務諸表が作成・開示されていること

      • IFRSによる財務報告について適切な体制を整備していること

      • IFRSに基づく社内の会計処理方法のマニュアル等を定め、有価証券報告書等で開示すること

      • 次のいずれかに該当すること

        • (イ)国際的な財務活動を行っている企業

        • (ロ)市場において周知されている一定規模以上の企業

    • (3)将来的な強制適用の検討

      中間報告(案)においては、我が国として将来を展望し、投資者に対する国際的に比較可能性の高い情報の提供、我が国金融資本市場の国際的競争力確保などの観点から、我が国においてもIFRSを一定範囲の我が国企業に強制適用するとした場合の道筋を具体的に示し、前広に対応することが望ましいとしています。他方でIFRSの強制適用については、すべての市場関係者において十分な対応が進展いることが必要であることから、IFRSの前提となる諸課題の達成状況等について十分に見極めた上で、強制適用の是非も含め最終的な判断をすることが適当であるとされています。

      その上で、IFRSの強制適用については、一つの目途として2012年に判断されるが、諸情勢やIFRSの任意適用の適用状況次第で前後することがあり得るとされています。また、仮に、IFRSへの移行が適当であると判断された場合に、実務対応上必要かつ十分な準備期間(少なくとも3年間)を確保した上で上場企業の連結財務諸表をIFRSに移行することが考えられるとしています。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から、「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)(案)」の公表について(平成21年2月4日)にアクセスしてください。

平成20年9月期における不良債権の状況等について

金融庁では、平成21年2月10日、平成20年9月期の不良債権の状況等について公表しました。以下、平成20年9月期の不良債権の状況等について説明します。

平成20年9月期の全国銀行の不良債権残高(金融再生法開示債権ベース)は12.3兆円であり、平成20年3月期の11.4兆円に比べ0.9兆円の増加となりました。不良債権残高の区分ごとの増減についてみると、「要管理債権」が減少(▲0.3兆円)する一方で、相対的にリスクの高い「危険債権」以下の債権が増加(+1.2兆円)しました。

不良債権比率についてみると、全国銀行ベースで2.5%となり、平成20年3月期と比べ0.1ポイントの微増となりました。

業態別不良債権比率の推移

平成20年9月期における全国銀行の不良債権処分損(不良債権の処理に伴う損失)は1.3兆円であり、前年同期(平成19年9月期)の0.8兆円と比べ0.5兆円の増加となりました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「所管金融機関の状況(状況の一覧へ)」から不良債権の状況等について(20年9月期(平成21年2月10日))にアクセスしてください。

中小企業金融に関する意見交換会の結果について

金融庁では、中小企業の業況や資金繰りの状況等をきめ細かく把握し、金融行政に活用することを目的として、昨年10月から本年2月にかけて、金融庁(財務局)と中小企業庁(経済産業局)とが合同で、全国153か所、全ての都道府県で、中小企業者約1,000社と、意見交換会を開催しました。

その中では、民間金融機関からの融資に関し、中小企業からは、「金融機関の融資姿勢が慎重になっている。」といったものや「金融機関は、借手企業の経営実態や特性を踏まえたきめ細かい融資判断をして欲しい。」といった声が聞かれました。

また、新規借入に関する要望のみならず、既存融資の条件変更に関する要望が多く寄せられました。

なお、民間金融機関だけでなく、信用保証協会や政府系金融機関についても様々なご意見が聞かれました。

金融庁では、寄せられたご意見を金融行政の参考とさせていただくとともに、本意見交換会については、引き続き、年度末に向けて、中小企業庁と連携して開催していくつもりであり、今後とも中小企業金融の実態をきめ細かく把握することに努めていく予定です。

地域別参加企業者数一覧

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から中小企業金融の円滑化に関する意見交換会の結果について(平成21年2月13日)にアクセスしてください。

金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)の追加について

金融庁では、昨年11月7日、金融機関が中小企業向け融資の返済条件の緩和に柔軟に応じることができるよう、監督指針及び金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕を改定・公表しました。

~貸出条件緩和債権の見直しについて~

本改定については、パブリックコメントを省略したこともあり、各金融団体における説明会の際等に多数の質問が寄せられました。

そこで、特に質問の多かった項目に関して、「金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)」に追加し公表しました。

主な質問は以下のとおりです。

・本措置が適用される期間について

・経営改善計画の取扱い等について

・貸倒引当金の算出に用いる予想損失率について

※ 具体的な内容については、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)」の追加について(平成21年2月10日)にアクセスしてください。

(参考)

  • 中小企業向け貸出条件緩和が円滑に行われるための措置(平成20年11月7日)について

    貸出条件の変更を行った中小企業向け融資が、貸出条件緩和債権(不良債権)に該当しないために必要とされる経営改善計画の期間を3年から5年(経営改善が概ね計画通りに進捗している場合には10年)に緩和する措置。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトのアクセスFSA(第72号 平成20年12月9日発行)にアクセスしてください。

金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況等について

金融サービス利用者相談室(以下、「相談室」といいます。)に寄せられた利用者からの相談件数や主な相談事例等のポイント等については、四半期毎に公表しています。

平成20年10月1日から12月31日までの間における相談等の受付状況及び特徴等は、以下のとおりです。なお、今回の公表分とは別に、金融円滑化「大臣目安箱」情報として受け付け、大臣に直接届けられたものがあります。

  • 1.平成20年10月1日から12月31日までの間に、15,093件の相談等(詳細については、「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等(平成21年1月30日)をご参照ください。)が寄せられています。1日当たりの受付件数は平均229件となっており、20年7月1日から9月30日までの間の実績(201件)と比べ増加し、相談室開設以来最高の受付件数となっています。これは、中小企業の業況感が全般的に厳しさを増していること、株式市況等が大幅に変動していること等が影響していると考えられます。

  • 2.分野別の受付件数としては、預金・融資等に関するものが4,612件(31%)、保険商品等に関するものが3,077件(20%)、投資商品等に関するものが5,219件(35%)、貸金等に関するものが1,909件(13%)、金融行政一般・その他が276件(2%)となっています。

  • 3.分野別の特徴等としては、

    • (1)預金・融資等については、中小企業の業況感が全般的に厳しさを増していることもあり、いわゆる貸し渋り・貸し剥がし、金融の円滑化等の融資業務に関するものについての相談等が大幅に増加しています。

    • (2)保険商品等については、保険金の支払に関するもの、保険金請求時等における保険会社の対応に関するものについての相談等が寄せられています。

    • (3)投資商品等については、株式市況等が大幅に変動していることもあり、株式市況等に関する意見など行政に対する要望等が大幅に増加しています。

    • (4)貸金等については、個別取引・契約の結果に関するもの、一般的な照会・質問に関するもの、不適正な行為に関するものについての相談等が寄せられています。

  • 4.なお、受け付けた相談等の中には、検査・監督上参考となる情報(注)も寄せられており、利用者全体の保護や利便性向上の観点から、金融機関に対する検査における検証や監督におけるヒアリング等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。

    (注)検査・監督上参考となる情報の例

    • 預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢及び広告等の不適正な表示に関するもの

    • 預金取扱金融機関における本人確認や説明を求めた際の不適切な顧客対応に関するもの

    • 預金取扱金融機関が借り手に対する優越的な地位を利用して行った金融商品の販売に関するもの

    • 預金取扱金融機関の個人情報の取扱いに関するもの

    • いわゆる貸し渋り・貸し剥がしに関するもの

    • 保険会社等の不払い等(保険金等の不適切な不払い、支払漏れ等)に関するもの

    • 保険募集人等の不適正な行為(重要事項の不十分な説明、不告知の教唆、無断契約、保険料の立替等)に関するもの

    • 損害保険会社の火災保険の保険料過徴収に関するもの

    • いわゆる集団投資スキームを利用した法令違反のおそれのある行為に関するもの

    • 金融商品取引業者によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの

    • 証券会社の高齢者に対する勧誘に関するもの

    • 金融商品取引業者の不適正な行為(ホームページを閉鎖し電話に出ない等)に関するもの

    • 貸金業者による法令違反のおそれのある行為(取立行為規制違反、取引履歴の不当な開示拒否等)に関するもの

    また、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ45口座の情報提供を行っています。

    さらに、平成20年7月1日から9月30日までの間における情報の活用状況は以下のとおりです。

    • 監督において行った268金融機関等に対するヒアリング等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

    • 金融庁が着手した16金融機関の検査等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

  • 5.寄せられた相談等のうち利用者の皆様に注意喚起する必要がある事例等について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として周知しています。今回、新たに追加する「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」の項目・相談事例等は、以下のとおりです。

    • 預金・融資等

      • 融資に関する相談等

        • 金融機関が中小企業向け融資の条件緩和を行っても、不良債権にならない取扱いを拡充したと聞きましたが、どのようなものですか。

    • 保険商品等

      • 保険加入に関する相談等

        • 日本に支店等を設けていない外国保険業者と保険契約を締結したいのですが、何か規制はありますか。

    • 投資商品等

      • 金融商品取引業の登録に関する相談等

        • 取引がある金融商品取引業者の登録を確認するため、金融商品取引業者登録一覧を見ていますが、第一種金融商品取引業の登録を受ければ、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業に該当する業務を無条件で行えると考えていいでしょうか。

    • 貸金等

      • 完済後の書面交付に関する相談等

        • 貸金業者から借入れをしていましたが先月完済しました。業者から完済した証明書等が発行されると思っていましたが、いっこうに発行されないので問い合わせたところ、証明書の発行義務はないと言われました。本当でしょうか。

※ その他、金融庁のウェブサイト(「一般のみなさんへ」)では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しています。

金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況表(平成20年10月1日~12月31日)
金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況表(平成20年10月1日~12月31日)

預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について

平成15年9月12日、金融庁は、預金口座を利用した悪質な事例が大きな社会問題となっていることを踏まえ、当局が預金口座の不正利用に関する情報提供を受けた場合には、明らかに信憑性を欠くと認められる場合を除き、当該口座が開設されている金融機関及び警察当局への情報提供を速やかに実施する旨事務ガイドライン(現監督指針)を改正したところであり、その情報提供件数等について、四半期毎に公表しています。

これによると、調査を開始した平成15年9月以降、昨年12月31日までに、金融庁及び全国の財務局等において、21,617件の預金口座の不正利用に係る情報提供を行いました。

また、金融機関としても、預金口座の不正利用と思われる情報があった場合には、直ちに調査を行い、本人確認の徹底や、必要に応じて預金取引停止、預金口座解約といった対応を迅速にとっていくことが肝要であり、昨年12月31日までに、当局が情報提供を行ったものに対し、金融機関において、11,500件の利用停止、8,243件の強制解約等を行っています。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について(平成21年1月30日)にアクセスしてください。

預金口座の不正利用に係る情報提供件数等

「コンプライアンスWAN」の利用開始について

証券取引等監視委員会及び財務(支)局の監視官部門(以下、「証券監視委・財務局等」といいます。)では、証券会社等から有価証券の売買取引等に関する詳細な報告を求め、又は資料を徴取して、日常的な市場監視(取引審査)を行っています。

これまで、取引審査に係る証券会社との売買データの授受については、必要な売買データの提出依頼を証券監視委・財務局等からFAX等で行い、証券会社からは電子メールのほか、フロッピーディスクや書類の郵送等により売買データが提出されていました。しかしながら、こうした提出方法については、証券会社から、個人情報の漏洩リスクがある、発送手続に係る諸作業の事務負担が増大している、などの意見が多数寄せられていたところであり、また、証券監視委・財務局等においても、提出された売買データの受領事務やフロッピーディスク等の返送事務が増大していました。

このような状況の中で、平成18年3月に金融庁監督局に設置された「証券会社の市場仲介機能等に関する懇談会」の論点整理(平成18年6月)においては、「不公正取引に関する市場関係者(当局を含む)の情報交換を迅速かつ円滑に行うための電子データの様式の見直しやWANの構築等について検討を進める観点から、証券業協会及び証券取引所を中心として具体的な検討を行っていくことが必要」とされ、これを踏まえて証券業協会及び証券取引所を中心に具体的な検討が進められた結果、まず、それまで取引所ごとに異なっていた売買データの提出様式が平成20年4月1日より統一されました。また、平成21年1月26日からは新システム「コンプライアンスWAN」が稼働し、同日より証券監視委・財務局等、東京証券取引所及びその総合取引参加者が利用を開始しています(平成21年4月からは全国の証券会社と全国の取引所、証券業協会が利用開始予定です。)。

この新システム「コンプライアンスWAN」は、全国の証券会社と全国の取引所、証券業協会、証券監視委・財務局等との間を専用線によるネットワークで結び、売買データの授受を電子的、一元的に処理するシステムです。従来、フロッピーディスク、電子メール等で行っていた売買データの授受を、安全性の高い専用ネットワークを経由する方法に一本化することにより、

  • 売買データの授受の際の個人情報の漏洩リスク、記録媒体紛失リスクが低減し、

  • 売買データの徴求依頼・受領処理に要する時間が短縮されることで、取引審査事務の効率化につながり、

  • 証券会社においても、売買データの提出に要するコスト削減が見込まれる、などといったメリットがあります。

証券監視委・財務局等と証券会社との売買データ授受について

証券取引等監視委員会は、平成19年9月5日に公表した今後の取組み方針PDF「公正な市場の確立に向けて ~『市場の番人』としての今後の取組み~」新しいウィンドウで開きますにおいて「自主規制機関などとの連携」を重点施策として掲げていますが、今般の「コンプライアンスWAN」の利用はその取組み方針に沿ったものともなっています。

今後も、証券取引等監視委員会は、その使命である「市場の公正性・透明性の確保、投資者の保護」に向けて、自主規制機関などとも連携しながら実効性のある効率的な市場監視を行っていきます。

※ 詳しくは、証券取引等監視委員会のウェブサイト「コンプライアンスWAN」の利用開始について(平成21年1月26日)新しいウィンドウで開きますにアクセスしてください。


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