【特 集】
 
本人確認法施行令等の改正について


.本人確認法について
 本人確認法は、預貯金口座の開設や200万円を超える大口現金取引などを行う際に、金融機関に対して顧客の本人確認等を義務付ける法律で、平成14年4月に制定され、平成15年1月から実施に移されています。
 その背景には、平成13年9月の米国同時多発テロ事件の発生や、麻薬・銃器犯罪等の増加に伴うマネー・ローンダリング対策の必要性の高まり、といった国際社会の要請がありました。


.今回の改正の趣旨
 マネー・ローンダリング、テロ資金対策のための政府間機関であるFATF(Financial Action Task Force on Money Laundering:金融活動作業部会)は、2001年に「テロ資金供与に関する特別勧告」を策定しており、このうち「電信送金に関する特別勧告 VII 」において、2006年末までにFATF参加国に対し、1,000米ドル又は1,000ユーロを超える電信送金について、本人確認の強化等を求めています。
 我が国における上記勧告実施の一環として、今般、本人確認法施行令及び同法施行規則について、所要の改正を行いました(本年9月22日公布、平成19年1月4日から施行)。
 この改正の結果、平成19年1月4日以降、10万円を超える現金送金などを行う際に、金融機関は、送金人の本人確認等を行うことが必要になります。


.10万円を超える送金を行う場合の取扱い
 この改正が施行される平成19年1月4日以降、10万円を超える現金の振込みを行う際には、金融機関の窓口において、運転免許証、健康保険証、パスポートなどの本人確認書類の提示が必要になります。ATMでは10万円を超える現金の振込みはできなくなるので、注意が必要です。
 一方、現金でなく預貯金口座を通じて振込みを行う場合には、ATM、窓口のいずれにおいても、引き続き従来と同様のやり方で振込みを行うことが可能です(ただし、口座開設時に本人確認手続きが済んでいない場合には、本人確認書類の提示がないと振込みができないことがあります)。

○提示が求められる本人確認書類
 

個人の場合:

運転免許証、健康保険証、国民年金手帳、旅券(パスポート)、母子健康手帳、身体障害者手帳、外国人登録証明書、住民基本台帳カード(氏名・住居・生年月日の記載があるもの)など

法人の場合:

登記事項証明書など



.おわりに
 金融庁としては、この制度が円滑に実施されるように、ポスターの配布や新聞・雑誌への掲載など、広報・周知にしっかりと取り組んでいくこととしています。また、金融機関に対しても、窓口の混乱防止等のために必要な態勢整備を要請しており、今後もその実施状況をしっかりと注視していきたいと考えています。
 今回の措置により、利用者の方々にはご不便をおかけする面がありますが、このような措置をとることにより、金融機関を通じて不正な資金の移動が行われることを防止するとともに、仮に不正な資金の移動が行われた場合においても、そうした資金移動を事後的にチェック・追跡することが可能になります。
 マネー・ローンダリング、テロ資金対策という目的のため、国際的な要請を受けて行う今回の改正について、国民の皆さんのご理解・ご協力をお願いいたします。


 詳しくは、金融庁ホームページの「金融庁の政策」内の「政策の一覧へ」から「本人確認法について」にアクセスしてください。
 

 金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律


【金融ここが聞きたい!】


 このコーナーは、大臣の記者会見における質疑・応答(Q&A)などの中から、時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。
 もっとたくさんご覧になりたい方は、是非、金融庁ホームページの「記者会見概要」のコーナーにアクセスしてください。
 

〔保険金の未払い関係〕
Q:損害保険会社の保険金の未払い問題で、大量の未払いがあったという報告になることが確実視されていますが、大臣の印象と金融庁としての対応方針をお聞かせください。


:正式な報告はまだこれからですが、仮に追加的な未払いが認められた場合、報告内容について精査、確認を行い、経営管理体制、支払管理体制等を詳細に検証した上で、件数の多寡のみではなく、当該事実の内容に応じて、行政上の対応を含めて季節に対応を図ってまいりたい。
平成18年9月29日(金)閣議後記者会見 抜粋

 
Q:保険会社にとって保険金を支払うのは基本的な業務だと思うのですが、未払いが意図的でないからいいのか、意図的だからより悪質なのか、大臣のお考えをお聞きしたい。日本はオーバーバンキング状態であるという意見がありますが、特に、地方銀行に対しての見解をお聞かせください。


:意図的であるかどうかの挙証責任は、恐らく会社の方にあるだろうと考えております。一般論で言えば、商品がより細かく複雑化して容易に消費者に判断できないという観点からすれば、意図をせずしても消費者に何らかの損害を与えたならば、それについての挙証は会社側に委ねられるべきものであろうと思っております。
平成18年9月29日(金)閣議後記者会見 抜粋

 

〔北朝鮮関係〕
Q:(閣議における北朝鮮に対する経済制裁の大臣発言を受けて)金融庁としての対応はどうされますか。


:金融庁としては、そうした措置を受けまして、今後、各金融機関、特にそうした北朝鮮貿易との営業の中で、いわゆる国内企業、そうしたものに対する貸付等についての相談窓口等を設けて、経営に対して懸念がないように、また、関係金融機関で出来得ることに対して、出来るだけ政府系金融機関等とも話し合いの上で、民間金融機関にも努力をお願いしたいと促すつもりでございます。
平成18年10月13日(金)閣議後記者会見 抜粋

 

〔足利銀行の受皿選定関係〕
Q:栃木県知事から大臣へ要望が行われたと思いますが、大臣のご見解をお聞かせください。


:知事、県議会議長、特別委員長、そして選出の衆参の国会議員の先生方、またお出かけにならなかった国会議員の先生方からは伝言や欠席する旨ご報告があるなど、大変ご熱心な要望活動でございました。皆様異口同音に地域における金融仲介機能ということについて、持続的に、またさらに十全をきたしてほしいというようなご期待の発言が多く、ご熱心さに感銘を受けたというように感じております。
平成18年10月17日(火)閣議後記者会見 抜粋

 

〔その他〕
Q:福岡銀行が九州親和ホールディングスを事実上傘下におさめるとの報道があるが、大臣の所感を伺いたい。


:個別行のことについてはコメントできないが、一般論で申し上げますと、各地方銀行、それぞれ経営努力の中でご判断されるものだろうと思っております。特に各地域ごと景況感バラバラでございますので、なお一層、仲介機能にご尽力いただきたいと思っております。
平成18年10月13日(金)閣議後記者会見 抜粋

 
Q:本日、三井住友フィナンシャルグループが公的資金を完済すると、いわゆるメガバンクの公的資金は一通り完済されるが、大臣の御所見を伺いたい。


:目的に向かう一里塚として、記念すべき非常に喜ばしいことであろうと思います。将来、さらに各行活力を得て、対外的競争力や、利用者における信用、そういったものについて厚みを増していただいて、健全な金融市場を確立していただきたいと望んでおります。
平成18年10月17日(火)閣議後記者会見 抜粋

 


【お知らせ】


〇 大臣・副大臣・政務官への質問募集中

 アクセスFSAでは、読者の皆様から寄せられた金融を巡る大臣・副大臣・政務官へのご質問に、大臣・副大臣・政務官が直接お答えする【大臣に質問!】、【副大臣に質問!】【政務官に質問!】のコーナーを設けております。「金融庁のやっている金融行政って、よくわからないんだけれど、大臣・副大臣・政務官にこんなことを、是非、直接聞いてみたい!」というご質問がございましたら、金融庁ホームページの「ご意見箱」にお寄せください。その際、ご意見箱の件名の欄には、必ず「大臣に質問」「副大臣に質問」「政務官に質問」とご記入ください。また、本文の欄にご質問の内容をご記入下さい。ご意見箱のコーナーには、「45行以内」とありますが、「大臣に質問」、「副大臣に質問」、「政務官に質問」の場合には、ご質問の趣旨を明確にさせていただくために、恐縮ですが100字以内に収めていただきますようお願いいたします。お寄せいただきましたご質問の中から1問選定させていただき、「アクセスFSA」において大臣・副大臣・政務官の回答を掲載させていただきます。


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【9月の主な報道発表等】
 
1日(金) 足利銀行の受皿の検討について
  日本郵政公社の業務等の承継に関する実施計画の作成について(追加)
  証券会社の行為規制等に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)及び証券会社向けの総合的な監督指針の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果について
 
5日(火) 第1回 足利銀行の受皿選定に関するワーキンググループを開催
 
6日(水) 金融審議会第20回総会・第8回金融分科会を開催
  第43回金融審議会金融分科会第一部会を開催
 
8日(金) 株式会社豊和銀行に対する行政処分について(九州財務局長処分)
 
12日(火) 第二回金融機能強化審査会の開催
  第9回金融審議会公認会計士制度部会を開催
   
 
13日(水) 「証券取引法等の一部改正に伴う証券取引法施行令等の改正案」の公表について(パブリックコメント)
                                  
  第9回 証券取引所のあり方等に関する有識者懇談会を開催
   
  わが国証券取引所をめぐる将来ビジョンについて(論点整理(第三次))
 
14日(木) 公認会計士の懲戒処分について
 
15日(金) 「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)の公表について(パブリックコメント)
  消費者信用団体生命保険への対応について
  株式会社オリカキャピタルに対する行政処分について(関東財務局処分)
  三島信用金庫に対する行政処分について(東海財務局長処分)
  朝銀西信用組合に対する行政処分について(中国財務局長処分)
  佐原信用金庫に対する行政処分について(関東財務局長処分)
  銀行の合併について
  株式会社紀陽ホールディングスに対する資本参加の決定について
  「金融庁の1年(平成17事務年度版)」について
 
19日(火) 北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連する資金の移転を防止する措置について
  「新しい金融商品取引法制について」(パンフレット)を作成
 
20日(水) 銀行持株会社の設立認可について
  株式会社山口銀行、株式会社もみじホールディングス及び株式会社もみじ銀行の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について
 
21日(木) 金融審議会金融分科会第二部会(第32回)、情報技術革新と金融制度に関するWG(第18回)合同会合を開催
  中小・地域金融機関の主な経営指標を更新
 
22日(金) 札幌証券取引所に対する行政処分について
  福岡証券取引所に対する業務改善命令について
  熊本第一信用金庫に対する行政処分について(九州財務局長処分)
  福井信用金庫に対する行政処分について(北陸財務局長処分)
  クレディ・スイス投信株式会社に対する行政処分について
  「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案」、「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案」に対するパブリックコメントの結果について
 
25日(月) 学校における金融経済教育の一層の推進に係る文部科学省への要請実施
 
26日(火) 金融庁訓令「行政機関の保有する情報の公開に関する法律第9条各項の決定をするための基準」の一部改正について
 
29日(金) 証券会社に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令等(案)及び証券会社向けの総合的な監督指針の一部改正(案)について
   
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金融庁アクセスFSAアクセスFSA 第47号