ディスカッションペーパー

ディスカッションペーパーとは

金融研究センターにおける「ディスカッションペーパー(DP)」とは、当センター所属の研究官等が、研究成果を取りまとめたものです。随時掲載しますので、ご高覧いただき、幅広くコメントを歓迎します。

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令和3年度ディスカッションペーパー

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ファイル 題名 執筆者 年月
PDFDP2021-1
(PDF:1.79MB)
元本割れリスク回避行動と最適ポートフォリオ選択 吉野 直行
津曲 眞樹
2021年6月

ディスカッションペーパー要旨

DP2021-1
「元本割れリスク回避行動と最適ポートフォリオ選択」

   吉野 直行   金融研究センター長、慶應義塾大学名誉教授
   津曲
眞樹   金融庁総合政策局総合政策課課長補佐
         

 わが国では、元本割れを避けようとする投資行動が、家計、企業、機関投資家の運用では多くみられる。元本割れを避けようとする投資家の行動とは、ここでは、運用のリターンが、どのような経済・市場環境においても、マイナスにならないように、「常にプラスのリターンを保持できる資産に運用しようとする」日本に特徴的な投資家行動を指している。本稿では、元本割れリスクを回避する行動は、(リスクを勘案した上でも)より高い収益率をもたらす投資機会を逸失してしまう可能性を理論的に説明する。このため簡単なポートフォリオ理論を用いて、元本割れの行動は、リターンがリスクよりも小さくなる場合であることを図を使って説明する。さらに、元本割れリスクを避ける行動における最適ポートフォリオ選択と、そのような制約のない場合のポートフォリオ選択を比較する。後半では、日本の実証データを用いて、(i)1つの資産が元本割れリスクのあるケース、(ii)2つの資産ともに元本割れリスクのある資産のケースであっても、個別には元本割れリスクがあるにも関わらず、長期的にはより高いリターンとより低いリスクの組み合わせがあることを、実証的に説明する。
 短期的に運用資産の元本割れを避けようとする行動は、理論的/実証的に最適ポートフォリオ選択行動を却って歪め、日本の資産運用のより効率的な達成を妨げてしまっている可能性がある。資産運用の判断の際には、単年度の成績をみるのではなく、より長期の5年、10年といった移動平均の成績をみて、判断することが望ましいと考える。
 
キーワード:元本割れ回避行動、長期運用評価、最適ポートフォリオ選択、リスク分散効果
 

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