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渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年5月9日(金)9時31分~9時43分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。どうぞ。

【質疑応答】

問)

まず、国家公務員制度改革基本法案についてですが、今日から審議入りということで、法案の成立の見通しも含めて、改めて法案の成立に向けた決意、お考えをお聞きしたいと思います。

答)

出した以上は成立を目指します。今国会で是非とも成立をさせていただきたいと思います。この法案が成立しませんと、現状維持を望む人たちを喜ばせるだけであります。民主党が違いを強調するあまり、改革の方向性が同じであるにもかかわらずこれが成立に至らないということになりますと、大変不幸なことになるのではないでしょうか。是非とも成立を期したいと思います。

問)

先週、金融庁、金融専門人材に関する研究会が出しました(金融専門人材についての)基本コンセプトについてなのですが、大臣は過去、著書の中でご自身も「金融サービス士」という資格制度について言及されているのですけれども、これから広く意見を募るということでまだ形がどうなっていくのかというのは見えないのですが、民間の方では趣旨をめぐって不安に思っている方もいらっしゃるようです。改めて資格制度についてお考えをお聞きしたいと思うのですが。

答)

資格を作ることを決め打ちしているわけでは全くございません。金融専門人材を養成するにはどうしたらいいだろうか、という問題提起をしているところです。懇談会においては、民間資格も含めて議論をしていただいたわけです。このような金融専門人材、なかんずくコンプライアンス関係に詳しい人たちがいろいろな分野に散らばって配置されていれば、コンプライアンス感覚の共有が相当できるようになると思います。発行会社にも証券会社にも自主規制機関にも、また監督当局にもそのような人材が散らばっていることによって、いわば生態系の秩序が維持されるようになると思います。そうすると行政のコストは肥大化せずに済むようになるわけです。

我々は金融自由化の流れの中で、護送船団方式を止め、つまり事前の統制方式を止めたわけです。事前の統制というのはある意味では行政のコストが非常に小さくてすむわけです。箸の上げ下ろしまで統制していくわけですから、そんなに大きなコストは必要ないのです。しかし、事後チェック方式に大転換するということは、民間にはどうぞご自由にやってください、一方ルール違反は徹底して取締りを強化します、という一般的な流れなのです。そうすると、逆に行政のコストが非常に高くなってしまうということがあり得るわけです。したがって、我々は行政のコストを肥大化させずにルールとプリンシプルに基づいて民間がより自由な経済活動ができるようにするにはどうしたらよいか、ということを考えた結果、やはり金融の専門人材が圧倒的に不足しているのではないか、と考えてこのような提案をしたところでございます。是非、いろいろなご意見をお待ちしております。

問)

国家公務員制度改革基本法案なのですが、国会も後半に入りましたし、今後、道路整備財源特例法(道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案)の再可決も予定されています。日程的にかなり厳しいのではないかと思われるのですが、審議の見通しはどういうお考えをお持ちでしょうか。

答)

審議は国対(国会対策)委員長をはじめ国会関係各位が、「国会のことは俺たちに任せてくれ」とおっしゃっていますので、私も大船に乗った気分でやっていきたいのですが、どうしても日程を考えますと大船に乗った気分にもなれませんで、大変心配をしております。1日ずれるだけで成立の可能性がガクンと下がっていくわけでありますから、このあたりは国会を仕切っておられる方々が、是非とも今国会の成立を期してやるのだという思いを共有していただけると大変ありがたいと思っています。

問)

サブプライムに関して、国内の金融機関の決算にあたりまして、関連商品の保有状況、損失についての開示をするように要請を金融庁がされたという報道もあるのですが、このあたりは何か特別な要請をされているかどうかという状況について教えていただけますか。

答)

これは特別に何かをやったということではなくて、常日頃から金融庁は適時適切な開示をしてくださいということを言っているわけであります。サブプライム関連だけでなくて、この半年ぐらいでサブプライム以外の証券化商品にその損失が広がっているわけです。ですから、そういったものについても適切な開示を行って下さいというのは当然のことであります。そこから先は個別の経営判断でやっていただくことになるわけでございますから、とにかく疑心暗鬼を生まないために「転ばぬ先の杖」という感覚でやっていただくことが大事なことだと思います。

いつも申し上げますように、日本の場合には欧米に比べまして桁が一つ小さいわけでございます。しかし、そういった証券化商品の損失が拡大傾向にあるということは紛れもない事実でありますから、警戒水準を更に高めていく必要があるかと思います。

問)

関連ですが、先のG7(七か国財務大臣・中央銀行総裁会議)で示されたFSF(金融安定化フォーラム)の最終報告でサブプライム関連の詳細な開示基準が示されたわけですけれども、大手銀行の決算発表でそれに合わせた開示というのをするよう求めるお考えはあるのでしょうか。

答)

FSFの報告書において、金融機関の開示の重要性がかなり事細かに指摘されているのはご案内のとおりでございます。金融庁としては常日頃からこうした開示というのが市場の信頼性を確保する観点から十分やっていただきたいということを要請しているわけでありまして、その点は何ら変わることはないと考えております。

問)

今度の3月末決算での発表を期待、あるいは要請しているということですか。

答)

これは、特に3月で開示を強化せよということを言っているわけではなくて、常日頃から言ってきていることでありますから、3月末決算を取り上げて厳しくしてくれなどということはございません。

問)

公務員制度改革の関連ですけれども、日程的に厳しいということですが、民主党が対案を出している中で成立するかどうか鍵となるのはどういう点でしょうか。

答)

一つは前向きの議論をやっていただくということだと思います。とにかく後ろ向きの議論をやり始めたら、とめどもなく対立点だけが炙りだされるわけです。改革の方向性、基本理念が一致しているのであれば、細かいところの対立点を乗り越えていく、そういうのが国会の建設的な妥協というものではないのでしょうか。したがって、官房長官もこの前の内閣委員会の一般質疑でおっしゃったように、民主党も対案を作って下さいということで、その対案が、法案という形ではございませんけれども出てきているわけでありますから、そういうものに基づいて国会の質疑をとおして是非前向きの結論を出していきたいと考えております。対立を強調すれば、結局現状維持になってしまう、現状維持というのはまさにそれを望む人たちを利するだけだということを念頭に国会審議はやっていただきたいと思います。

問)

建設的妥協というのは、今の民主党で可能である、そういう議論ができて結果を出すことができるとお考えですか。

答)

それは、国会の審議を通じてこういった建設的な議論ができれば、まさにねじれ国会の一つのモデルになっていくのではないでしょうか。

問)

例えば、政府側も民主党の主張に応じて法案の一部を修正するとか、そのような用意もあるということでしょうか。

答)

最初から修正ありきということではなくて、国会の審議をまずやっていただき、その議論の中で次にどうするかということが出てくるのだと思います。

(以上)

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