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金融庁

金融上の行政処分について

○ 行政運営の基本的な考え方

  •  明確なルールに基づく透明かつ公正な金融行政の徹底
  •  利用者保護と市場の公正性の確保に配慮した金融のルールの整備と適切な運用

○ 基本原則

行政運営の基本的な考え方に基づき、金融機関等の業態や規模の如何、外国企業であるか国内企業であるかを問わず、法令に照らして、利用者保護や市場の公正性確保に重大な問題が発生しているという事実が客観的に確認されれば、厳正かつ適切な処分を行っている。

○ 行政処分の公正性・透明性の確保

1.事前にルールや解釈を明示

  •  検査監督上の着眼点や行政処分に関する事務の流れ等を、あらかじめ「監督指針」として定め、広く周知している。
    • (例1)銀行において、預金等の金融商品のリスクや重要事項の提示・説明を行わずに、顧客を誤認させて取引の勧誘・販売を行った事例については、あらかじめ主要行等向け監督指針 III -3―3「利用者保護のための情報提供・相談機能」に明確なチェックポイントが掲げてあった。

    • (例2)保険会社において、保険金の不適切な不払い等があった事例でも、あらかじめ保険会社向け監督指針  II ―3-5-2「保険金等支払管理態勢」、 II ―3-3「保険募集態勢」に明確なチェックポイントが掲げてあった。

  •  いわゆるノーアクションレター制度において、民間企業等が新規に事業や取引等を具体的に始めようとする際に、当該具体的行為が不利益処分の対象となるか等について照会を受け、回答を行っている。
    また、ノーアクションレター制度を補完するものとして、「一般的な法令解釈に係る書面照会手続」を導入し、個別事例から離れた一般的抽象的な法令解釈についての照会も可能としている。
  • (注1)ノーアクションレター制度の利用実績は、平成13年7月の制度導入以降、平成31年3月31日時点までで64件。うち、証券取引法、同施行令に関する照会・公表は7件。

  • (注2)「一般的な法令解釈に係る書面照会手続」におけるノーアクションレター制度との相違点

    • (1)個別具体的事例から離れた一般的抽象的な法令解釈に係る照会を可能とした

    • (2)個別事業者に加えて、事業者団体が自ら照会することを可能とした

    • (3)弁護士等(弁護士、公認会計士等、照会事項につき高い専門的知見を有する者)以外の者が代理人になることを可能とした

2.デュープロセスの遵守

  •  行政処分を行うにあたっては、行政手続法に則り、聴聞又は弁明の機会の付与を行っている。
  •  更に、行政手続法で定める手続きの前段階として、金融機関からの求めに応じ、意見交換を行う手続きを用意している(意見交換制度)。
  • (注) 更に、処分に対しては、行政不服審査法第6条に基づく異議申立てや行政事件訴訟法第8条に基づく処分の取消しの訴えを提起することが可能である。

3.透明性の確保

  •  行政処分については、他の金融機関等における予測可能性を高め、同様の事案の発生を抑制する観点から、財務の健全性に関する不利益処分等、公表により対象金融機関等の経営改善に支障が生ずるおそれのあるものを除きすべて公表している。
    その際には、原因となった事実関係及び根拠となった法令・条文等を必ず明示することにより、予測可能性を高めるよう努力している。
  •  また、行政処分事例集を取りまとめ、四半期毎に公表している。
  •  情報公開法の適用により、毎年多数の情報公開請求に応じている。

○ 行政処分の基準

  • 1. 具体的にどのような処分を行うかの判断については、まず、以下のような点を検証することとしている。

    • (1)当該行為の重大性・悪質性

      • 公益侵害の程度
        金融機関が、例えば、顧客の財務内容の適切な開示という観点から著しく不適切な商品を組成・提供し、金融市場に対する信頼性を損なうなど公益を著しく侵害していないか。

      • 利用者被害の程度
        広範囲にわたって多数の利用者が被害を受けたかどうか。個々の利用者が受けた被害がどの程度深刻か。

      • 行為自体の悪質性
        例えば、利用者から多数の苦情を受けているのにもかかわらず、引き続き同様の商品を販売し続けるなど、金融機関の行為が悪質であったか。

      • 当該行為が行われた期間や反復性
        当該行為が長期間にわたって行われたのか、短期間のものだったのか。反復・継続して行われたものか、一回限りのものか。また、過去に同様の違反行為が行われたことがあるか。

      • 故意性の有無
        当該行為が違法・不適切であることを認識しつつ故意に行われたのか、過失によるものか。

      • 組織性の有無
        当該行為が現場の営業担当者個人の判断で行われたものか、あるいは管理者も関わっていたのか。更に経営陣の関与があったのか。

      • 隠蔽の有無
        問題を認識した後に隠蔽行為はなかったか。隠蔽がある場合には、それが組織的なものであったか。

      • 反社会的勢力との関与の有無
        反社会的勢力との関与はなかったか。関与がある場合には、どの程度か。

    • (2)当該行為の背景となった経営管理態勢及び業務運営態勢の適切性

      • 代表取締役や取締役会の法令等遵守に関する認識や取組みは十分か。

      • 内部監査部門の体制は十分か、また適切に機能しているか。

      • コンプライアンス部門やリスク管理部門の体制は十分か、また適切に機能しているか。

      • 業務担当者の法令等遵守に関する認識は十分か、また、社内教育が十分になされているか。

    • (3)軽減事由
      以上の他に、行政による対応に先行して、金融機関自身が自主的に利用者保護のために所要の対応に取り組んでいる、といった軽減事由があるか。

      特に、金融機関が、行政当局と共有されたプリンシプルに基づき、自主的な対応を的確に行っている場合は、軽減事由として考慮するものとする。

  • 2. 上記1の諸要因を勘案するとともに、それ以外に考慮すべき要素がないかどうかを吟味した上で、

    • (1)改善に向けた取組みを金融機関の自主性に委ねることが適当かどうか、

    • (2)改善に相当の取組みを要し、一定期間業務改善に専念・集中させる必要があるか、

    • (3)業務を継続させることが適当かどうか、

    等の点について検討を行い、最終的な行政処分の内容を決定している。

○ チェック体制等

  •  行政処分の内容を検討するに当たっては、公平性を欠くことがないよう、過去の処分事例等を勘案するのみならず、複数の課室において慎重にチェックする態勢を採っている。
  •  庁内に、弁護士等により構成される独立した法令等遵守調査室及び金融庁(職員)の法令等遵守に関する情報の受付窓口を設置。

○ 事後のフォローアップ

  •  行政処分を行うのは、金融機関の財務の健全性、業務の適切性等の確保が主眼であり、処分そのものが目的ではない。
    行政処分に際して、業務改善計画の提出を求めているのは、ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス等について、金融機関が自ら抜本的な態勢の改善に取組み、その効果が将来にわたって持続的に発揮されることを期待しているため。
    このような観点から、当庁においては、金融機関の業務改善に向けた取組みをフォローアップし、その改善努力を促すことに注力している。

(以上)

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