市場へのメッセージ(令和元年9月30日)

<目次>

1.東郷証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について
2.村山一憲に対する検査結果に基づく勧告について
3.JPアセット証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について
 

1. 東郷証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

 証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」といいます。)は、令和元年8月2日、金融庁に対して、東郷証券株式会社(以下本節において「当社」といいます。)に行政処分を行うよう勧告いたしました。

【事案の概要等】
 当社の実質的経営者である取締役、代表取締役管理本部長、顧問として経理業務を担当していた者らは、顧客8名に対して、取引所為替証拠金取引について生じた損失の一部を補塡するため、商品差金決済取引を行ったかのように仮装したり、現金を提供する方法により、合計約6,970万円相当の利益を自ら又は第三者をして提供していました。
 本件は、当社の役員等が複数の顧客に対して損失補塡を行ったものであり、その合計額は高額で、悪質性が高いとともに、当社において法令違反行為を防止するための内部管理態勢等が欠如しているものと認められました。
 今後も、市場の公正性・透明性の確保に向けて、問題のある行為に対しては、厳正に対処していきます。
 
 なお、当社に対しては、令和元年8月9日に、関東財務局長から登録取消し及び業務改善命令の行政処分が行われています。
 

2.  村山一憲に対する検査結果に基づく勧告について

 証券監視委は、令和元年8月30日、金融庁に対して、村山一憲(以下本節において「村山氏」といいます。)に行政処分を行うよう勧告いたしました。

【事案の概要等】
 村山氏は、適格機関投資家等特例業務届出者(いわゆるプロ向けファンド業者)であり、適格機関投資家等特例業務の要件の1つに適格機関投資家(いわゆるプロ投資家)から出資を受けることがありますが、村山氏は、そのような出資を受けていないにもかかわらず受けている旨関東財務局長に虚偽の報告を行っていました。
 また、いくつかの匿名組合に関して無登録で投資運用業を行っている状況及び投資者から集めた出資金の杜撰な運用及び管理を行っている状況が認められました。
 今後も、投資者保護上問題のある行為に対しては、厳正に対処していきます。
 
 なお、当社に対しては、令和元年9月6日に、関東財務局長から業務廃止命令及び業務改善命令の行政処分が行われています。
 

3. JPアセット証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

 証券監視委は、令和元年8月30日、金融庁に対して、JPアセット証券株式会社(以下本節において「当社」といいます。)に行政処分を行うよう勧告いたしました。

【事案の概要等】
○顧客に対し特別の利益を提供する行為
 平成30年10月1日から令和元年5月7日までの間(以下「当該期間」)における当社の業務運営状況について検証したところ、以下のとおり、市場デリバティブ取引を行う顧客1名に対し、当該顧客が預託すべき証拠金について多額の証拠金不足が長期間にわたり発生している状況のもと、下記の取引を受託している状況が認められました。
・当該期間のうちの4営業日において、いずれも前日時点で当該顧客が預託すべき証拠金が不足している状況のもと、新規の市場デリバティブ取引の取次ぎを受託。
・当該期間のうちの53営業日において、いずれも前日時点で当該顧客が預託すべき証拠金が不足している状況のもと、実質的に新規の市場デリバティブ取引と同等の効果となる取引(買建玉数が売建玉数以上となっている両建ての状況の中で、買建玉を維持したまま売建玉を減らすもの)の取次ぎを受託。
 このような行為は、特定の顧客に対し、当社が不足証拠金を負担したうえで新たな市場デリバティブ取引を行う機会を与えているものであり、こうした利益の提供は、社会通念上、妥当性・相当性を著しく欠くものと認められます。
 今後も、市場の公正性・透明性の確保に向けて、問題のある行為に対しては、厳正に対処していきます。
 
 なお、当社に対しては、令和元年9月10日に、関東財務局長から業務改善命令の行政処分が行われています。


<発行>
証券取引等監視委員会 事務局 総務課
    (情報公開・個人情報保護係)
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東京都千代田区霞が関3-2-1
中央合同庁舎第7号館
電話番号:03-3506-6000(代表)

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