【金融ここが聞きたい!】 |
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このコーナーは、記者会見における質疑・応答(Q&A)などの中から、金融を巡る時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。もっと沢山ご覧になりたい方は、是非、金融庁ホームページの「記者会見概要」のコーナーにアクセスしてください。 |
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:「金融再生プログラム」につきましては、この2年間を対象にしていたわけであります。日本経済を長年苦しめてきた不良債権問題を終結するということを大きな目標にして、プログラムの策定をさせていただいたわけであります。そしてこのプログラムに基づいて各種の諸施策を展開し、不良債権比率を概ね半減するという目標を設定させていただきました。現状は、この目標に向かって順調に進捗をしていると考えておりますが、今はまだ不良債権問題が完全に正常化した状況ではありませんので、改革の手を緩めず金融再生の総仕上げを続けていかなければいけない。そうした問題意識の上に17年度から始まる2年間について、新しいプログラムを策定していこうということです。 その目指すところは国際的にも最高水準の金融機能を利用者のニーズに応じて提供できるような金融システムの構築ということであります。そうした問題意識の中でこのプログラムの策定に当たっていきたいと思っております。 今日、委員の先生方からはその先を見越して、理想とする日本の金融システム、金融機能の強化のあり方をどう考えるべきか、その中で17年度からの2年間についての議論をしっかりしていかなければいけないという御議論も出ておりましたし、御指摘もございました。 |
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:例えば、「国際性」という視点の中での議論として、日本の金融界はITの取組みが、国際的に見ると遅れているのではないか。国際的な視点の中で新しい技術革新に対応した取組みが非常に重要で、それを強化していくにはという御意見がございました。 「利用者の立場に立った」ということであれば、競争の促進と、新陳代謝というものが重要ではないかという御指摘がございました。 「利用者重視」という観点からは、特定分野に特化した金融機関とか、他業態からの参入がもっと積極的に行われても良いのではないかという御議論もございました。 金融機関を健全な競争環境に置いて、利用者がメリットを実感できる金融行政が求められているのではないかという私共金融行政に対する御指摘もございました。 地域経済の活性化や、中小企業の再生に貢献できる金融機能を強化していくことについては、特に事業再生の観点から、現在は事業再生を積極的に行っていくことが合理的という時代に入ってきており、事業再生を促すためには早く対応した方が合理的になる枠組みを金融行政として用意をしていく必要があるのではないかいう御指摘もございました。 ガバナンスの改善に向けた対応策、これも非常に重要なことであるという御指摘もございました。 |
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:公表された我が国の自己資本比率の規制案は、自己資本比率の計算に当たり国際的な枠組みを踏まえた上で、銀行が抱えるリスクをより正確に反映する内容となっております。邦銀のリスク管理の向上を通じ我が国の金融システムの強化に資するものであると考えているところでございます。このような新しい規制は今後の金融行政の柱となるものであることから、各金融機関においては新規制の実施に向け積極的に取り組んでいただきたいと考えています。 |
(平成16年10月29日(金) 閣議後会見 抜粋) |
※ | 自己資本比率の規制案について、詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表など」から「新しい自己資本比率規制の素案に対する意見募集の実施について」(平成16年10月28日)にアクセスしてください。(意見募集の〆切=平成16年11月30日(火)17時00分必着) |
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:何度となく記者会見でもお話をさせていただきましたように、証券市場の信頼を確保するためには、適切な情報開示が行われることが極めて重要であります。10月中旬以降、こうした情報開示を巡る不適切な事例が相次いで判明を致しておりましたので、これは情報開示制度、ひいては我が国証券市場に対する信頼を揺るがしかねない、そういう事態であると認識をしており、情報開示制度に対する信頼性の確保に向けて、私どもとして対応策をまとめさせていただいたものです。今発表させていただいた対応策を強力に推進をしていきたいと考えております。 |
(平成16年11月16日(火)「ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対策」発表記者会見 抜粋) |
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ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対策について、詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表など」から「ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応について」(平成16年11月16日)にアクセスしてください。なおこれに伴い、「ディスクロージャー・ホットライン」を設置しました。詳しくは、金融庁ホームページの「ディスクロージャー・ホットラインの設置について」(平成16年11月16日)にアクセスしてください。 |
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このコーナーは、とかく専門的でわかりにくい金融に関する用語や様々な疑問について、わかりやすく解説するものです。 今月のキーワードは「ラップ口座」「無認可共済」です。 |
「ラップ口座」とは・・・ |
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ラップ口座とは、証券会社が自社又は外部の投資一任業者(投資顧問業者のうち、顧客の資産の運用に関する意思決定を顧客から一任されている業者)を活用したうえで個人投資家の資産の運用・管理を行い、運用資産残高に応じて、運用報酬、売買執行に伴う手数料、口座管理料等を一括して徴収する口座のことです。ちなみに、ラップ口座の「ラップ」とは、英語の「Wrap(包む)」の意味です。投資家が支払う手数料が取引ごとではなく運用資産残高に応じて一定で、その中に売買手数料や口座管理料、投資顧問業者への運用報酬などが「包まれている」ことに由来しています。 |
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平成10年の金融システム改革法において、証券会社における手数料依存の経営体質からの脱却を図る等の観点から、証券会社における投資一任業務の兼業が認められました。これは、資産管理型営業(投資家の投資目的、投資期間、リスク許容度に適した資産運用を提案し、その管理もしていく営業の形態)への移行を促進するためです。ラップ口座は、手数料率が一定のため、投資家の資産が増加すると証券会社の手数料も増加します。このため、投資家と証券会社の双方の利害が一致し、投資家のニーズに合った運用が期待できます。また、投資家にとっては様々なサービスの提供を一つの口座で受けることができ、自分の投資方針に合ったポートフォリオ(株式や債券などの資産ないし銘柄の組み合わせ)を選択することが可能になる等のメリットがあります。 しかしながら、当初意図していたほど、資産管理型営業への移行は進んでいきませんでした。その一因として、証券会社にとって、(1)投資顧問業法上の自己売買に係る書面の顧客への交付義務が過大な負担になっているおそれがあること、(2)専業義務が課せられている投資一任業務等を兼業することにより、証券業以外の業務を営むことができなくなるおそれがあること、等が挙げられ、それに係る問題点も指摘されました。 |
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これを踏まえ、「有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律」の改正(平成16年4月1日施行)により、証券業と投資一任業務の兼業に係る規制の見直しを行いました。 |
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このようなことにより、個人投資家の裾野の拡大に寄与するとともに、「貯蓄から投資へ」の流れを加速させることが期待されています。 |
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「無認可共済」とは・・・ |
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そもそも共済とは、一定の地域または職域でつながる者が団体を構成し、将来発生する恐れのある一定の偶然の災害や不幸に対して共同の基金を形成し、これら災害や不幸の発生に際し一定の給付を行なうことを約する制度と考えられていますが、その中には共済事業につき根拠法を有する共済(以下、「根拠法を有する共済」)と共済事業につき根拠法のない共済があります。そして、共済事業につき根拠法のない共済は、「根拠法のない共済」又は「いわゆる無認可共済」(以下、「根拠法のない共済」といいます)と呼ばれています。 根拠法を有する共済は(注1)、「他の法律に特別の規定のあるもの(保険業法第2条第1項)」などに該当することから、保険業法の規制は受けませんが、これに代わる特別の法律による規制を受け、各々の主務官庁の監督を受けて事業を行なっています。 |
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これに対し、根拠法のない共済は、共済事業についてなんら保険業法その他特別の法律による規制・監督を受けておらず、保険会社と異なり、例えば募集規制や公的セーフティーネットなど、契約者保護のための規制や制度がないことに留意しておく必要があります。また、共済事業と称していても、不特定の者を相手にしている場合には、保険業法違反となり、当該事業を行った者に対して刑罰(三年以下の懲役もしくは三百万円以下の罰金又はこれの併科)が科される可能性があります。 従って、このような根拠法のない共済への加入を検討される際には、保険会社との制度上の違いについても留意し、どのような商品か、当該団体の財務及び業務が健全か、等について、十分確認することが重要です。 |
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なお、現在行われている金融審議会第二部会においては、「無認可共済」への対応について、事業者からヒアリングを行うなど、契約者保護等の幅広い観点からご審議を頂いているところです。 |
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また、平成16年10月5日(火)に公表した、「金融審議会金融分科会第二部会 『無認可共済』への対応に係る論点整理」について、10月25日(月)まで広く意見の募集を行い、119件のご意見を頂きました。 お寄せいただいた意見としましては、無認可共済に対する規制の基本的あり方については、「無認可共済には現行の保険会社に対する規制と同様の規制を課すべきである。」との意見が多数ありました。他方、「保険会社とは異なる」規制を導入すべきとの意見も相当数あったところです。 お寄せいただいた意見等を参考に、金融審議会第二部会では、更に「無認可共済」への対応に係る議論を行っていくこととしています。(金融審議会では、年内にも報告書の取りまとめを予定しています) |
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「ポケットバンク債権委員会からの緊急のお知らせ」と題するダイレクトメールについて |
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11月中旬、「ポケットバンク債権委員会からの緊急のお知らせ」というダイレクトメールが送られてきているとの問い合わせがあり、「ポケットバンク債権委員会」という業者から送られていることが判明しました。このため、下記のような注意喚起文を当庁ホームページに掲載するとともに、プレスリリースを行いました。 |
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上記のように、実在若しくは類似の会社名等(団体名・行政機関名等)を装ったり、無登録でありながら架空の登録番号や別の貸金業者の登録番号を詐称する違法な業者が、貸付けに関する広告勧誘や違法な債権回収等を行っている場合があります。こうした業者や登録の確認できない業者からの借入れ等はなさらぬようくれぐれもご注意ください。 |
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また、財務局登録番号を詐称しているような悪質な無登録業者に関する情報について、詳しくは、金融庁ホームページの「違法な金融業者に関するご注意」から「違法な金融業者に関する情報について」にアクセスしてください。 |
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〇 大臣・副大臣・政務官への質問募集中 本号では休載させていただきましたが、アクセスFSAでは、読者の皆様から寄せられた金融を巡る大臣・副大臣・政務官へのご質問に、大臣・副大臣・政務官が直接お答えする【大臣に質問!】、【副大臣に質問!】【政務官に質問!】のコーナーを設けております。「金融庁のやっている金融行政って、よくわからないんだけれど、大臣・副大臣・政務官にこんなことを、是非、直接聞いてみたい!」というご質問がございましたら、金融庁ホームページの「ご意見箱」にお寄せください。その際、ご意見箱の件名の欄には、必ず「大臣に質問」「副大臣に質問」「政務官に質問」とご記入ください。また、本文の欄にご質問の内容をご記入下さい。ご意見箱のコーナーには、「45行以内」とありますが、「大臣に質問」、「副大臣に質問」、「政務官に質問」の場合には、ご質問の趣旨を明確にさせていただくために、恐縮ですが100字以内に収めていただきますようお願いいたします。お寄せいただきましたご質問の中から1問選定させていただき、「アクセスFSA」において大臣・副大臣・政務官の回答を掲載させていただきます。大臣・副大臣・政務官へのご質問がございます方は、「ご意見箱」へどうぞ。また、「大臣・副大臣・政務官への質問募集中」にもアクセスしてみてください。 |
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