Englishopen new window

令和8年7月17日

金融庁

FSA Analytical Notes(2026.7)vol.1

「FSA Analytical Notes(2026.7)vol.1」を公表しました。 PDF全文

金融機関の経営環境や収益構造が変化していく中で、データに基づき、経済・市場動向を理解し、個別金融機関の経営状況や金融システム全体の強靭性・脆弱性を的確に把握することが重要です。金融庁では、こうした観点から、貸出データや企業の個社データ等の粒度の細かいデータ(高粒度データ)等を活用した分析に取り組んでおり、その一部は『FSA Analytical Notes ―金融庁データ分析事例集―』として公表する方針としています。

今回のレポートでは、『スタートアップ企業におけるVC投資と銀行融資の関係:資金調達の順序と構造に関する分析』及び『地域銀行の住宅ローンにおける気候関連リスク分析の試行』を掲載しています。

本稿では、本邦におけるスタートアップ企業の資金調達について、ベンチャーキャピタル(以下、「VC」)による投資と銀行による融資の関係に着目し、その関与順序及び資金供給構造の特徴を記述的に分析した。

分析の結果、VC 投資と地方銀行による融資の関係について、VC 投資が先行する企業が過半数を占める一方、約 40%の企業では地方銀行による融資が VC 投資に先行しており、資金調達の順序は一様ではないことが確認された。また、時系列でみると 2000 年代後半には地方銀行による融資が先行する企業が相対的に多かったのに対し、近年では VC 投資が先行する企業が約 80%を占めており、資金供給構造が時系列的に変化している可能性が示された。さらに、地方銀行による融資が先行する企業は若年企業に多く、信用保証制度融資が創業初期段階の資金供給の円滑化の一助になっている可能性が示唆された。資金供給主体別について、銀行系 VC は単独で主導的に関与するというよりも、CVC(Corporate Venture Capital)や独立系 VC と同時、またはそれ以降に関与する傾向が確認された。

本稿では、地域銀行が実行する住宅ローンの気候関連リスク(物理的リスク)について、貸出明細データ等を活用し、洪水による被害想定の確認と簡易的なシナリオ分析を試みた。分析の結果、住宅ローンの浸水ランク構成の違いが地域特性に起因する可能性について示唆を得た。他方、業態や住宅ローンの実行年度による顕著な差異は確認されなかった。簡易的なシナリオ分析においてはシナリオ毎の担保の毀損状況の差異が確認された。

金融行政におけるデータ活用の高度化は、中長期的な課題です。金融庁としては、今後とも、金融行政を不断に改善していく観点から、組織としてのデータ分析力の向上及びデータ整備への取組みを鋭意進めていきます。

※なお、特段の注記がない限り、本レポートにおける図・表は金融庁作成です。

目次へ戻る

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総合政策局リスク分析総括課マクロ・データ分析監理官室(内線2819、2828)
E-mail datastrategyoffice[at]fsa.go.jp

サイトマップ

ページの先頭に戻る