五味金融庁長官記者会見の概要

(平成18年4月10日(月) 17時01分~17時06分 場所:金融庁会見室)

【質疑応答】

問)

東京証券取引所の西室社長は先週、30分間短縮していた取引時間を月内に正常化する方針を表明されました。具体的な時期はライブドア株が上場廃止になる14日以降の取引の注文状況を見極めた上で、決定されるお考えのようですが、解除時期の妥当性について長官のお考えをお願いいたします。

答)

御指摘のような報道がありましたけれども、東京証券取引所からは「その件について正式に決定した事実はない」と伺っております。東京証券取引所では御承知の通り、2月21日に緊急的なシステム能力増強対応についてというものを発表しておられます。この中で、例えば1日あたりの注文処理可能件数を5月中にも引き上げるということ、また市場の動向等も踏まえて午後の取引開始時刻を従来どおりに戻すことについて検討しているというようなことを発表なさっておられます。

この解除時期についての私の考えというお尋ねですが、この点については大分前になりますけれども、1月23日の会見で申し上げましたように、できる限り早期に正常化されることが望ましいということ、ただその一方でこの時間短縮という取扱を解除するにあたっては、色々な見地から十分に検証を行った上で判断していただく必要があるのではないかということでございます。これは1月23日に申し上げましたが、現在でも私は同じ考えでおります。いずれにいたしましても、このシステム能力増強等の実施時期、取引時間の短縮の解除も含めて、こうした点については東京証券取引所において検討し、判断されるという事柄であると考えておりますけれども、取引が円滑に且つ安定的に行われると、これが何より大事なことであります。こうした観点からこの取引時間短縮の解除にあたっても、証券市場の運営に万全を期す観点で御検討、御判断をいただけたらと思っております。

問)

東京証券取引所と日本証券業協会は発行済み株式数の5%を超える誤発注によって成立した株式売買を取消すルールを導入する方針とのことですが、こうしたルールの導入で懸念される事態はないのか、長官の御所見をお願いします。

答)

証券業協会ではワーキング・グループを設置しまして、誤発注防止のために証券会社が遵守すべき自主規制ルール案、それから証券取引所に対する要望事項というものをまとめた中間整理を3月に公表なさいました。この中で誤発注によって規模が大きな約定が成立した場合の約定の取消制度、或いは受渡決済のあり方、こういうものについてワーキング・グループで諸外国の状況等も勘案しながら、現在検討を行っているところだと聞いておりまして、現時点で具体的な方針が固まったという事実はないと聞いております。

金融庁としては、この約定の取消制度というものを導入をもしなさるということであれば、それにあたっては、それが法的に実施可能なものであるのかどうか、それから約定取消に係る手続の詳細というのはどうあるべきなのか等、引続きよく検討しなければいけない論点があると考えております。この点について実際に制度を導入することになります証券取引所と関係団体において十分に必要な検討を行っていただくことを期待しております。

(以上)

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