五味金融庁長官記者会見の概要

(平成18年6月19日(月) 17時01分~17時10分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私の外国出張についてのお知らせでございます。明後日21日から米国、ワシントンDCとニューヨークに出張いたします。帰国は25日、日曜日の予定でございます。主な目的は、昨年から開始されました米国SECと金融庁との定期対話でございます日米ハイレベル証券市場対話、この第2回目に出席するものでございます。第1回目は東京でございました。ワシントンDCで23日にこの対話が開催されます。証券市場を巡る色々な問題への対応というものが必要になっております現状で、SECの委員長と私とが直接意見交換をする機会を持つということは有意義なことだと存じております。併せましてワシントンDC及びニューヨークにおきまして、SEC以外の銀行、証券関係の監督当局者との意見交換を行うという予定にしております。

私からは以上でございます。

【質疑応答】

問)

日銀の福井総裁ですが、村上ファンドに資金を拠出していたということで、これについてお考えがあれば教えてください。

答)

村上ファンドへの拠出という福井総裁のお話は、突き詰めますと日本銀行の服務に関連するお話になってくるように私は存じます。この日本銀行の服務に関しましては御承知と思いますが、日本銀行法の32条という法律がございまして、職務の適切な執行を確保するために服務に関する準則を定めてこれを財務大臣に届け出るとともに公表すると、こういった趣旨の条文でございます。従いましてこの服務に関する準則については、まずは法律の規定に従いまして、日本銀行自身で御判断されるということでございますし、財務大臣への届出というお話でございますので、金融庁長官という職責上、この点にコメントするというのは一公務員としては控えたほうがよろしいのではないかと考えております。いずれにしましても、国会審議等でこれまで伺っている限りでは、本件については、日本銀行は内部の服務ルールに則した取扱いを行ってきたと御説明をなさっていると承知いたしております。

問)

先週ですが、有価証券報告書の重点審査で投資ファンド、投資事業組合の開示状況を調べるという発表がございましたけれども、この狙いについて改めて教えてください。

答)

これまでも毎年、有価証券報告書の提出に合わせまして、各財務局で開示上重要と思われる事項に関して重点審査を行ってきております。例えば、昨年ですとコーポレートガバナンスの状況ですとか、提出会社の親会社等の状況ですとか、こういった点を重点審査しております。これは証券市場に対する投資家の信頼性を確保するという意味で、企業財務情報等の適切な開示というのが行われることが大変重要だと、こういう視点から毎年行っているものでございます。今年の重点審査におきましては、投資事業組合等に係る連結の状況等を重点審査として審査をするということにいたしました。

趣旨でございますが、現行の会計基準におきましては、会社が他の会社等の意思決定機関を支配していると認められる場合には、その他の会社等とを連結するとされています。この取扱いは、この連結対象となり得る他の会社等というのが組合等である場合も同様のわけでございますが、最近開示会社が実質支配しております投資事業組合について、適切な連結が行われていないというケースがあるのではないかという指摘が行われております。こうしたことも踏まえまして今年の重点審査を今申し上げたような点にしたわけでございます。

問)

海外出張の件ですが、最近こちらも新法の法案が成立したということ、ファンドへのSESCの方で規制がという話が出ておりますし、クロスボーダーの犯罪等との色々な話題が出ているということで、どのような点を中心にお話になるのかということをもう少し教えてください。

答)

当局者間の意思疎通ということで、非公式に行うものでございますから、具体的な内容を申し上げるというのはちょっとこの時点で控えさせていただきたいと思います。いずれにしても現状、当方が問題意識を持っている市場関連の話題については、当然話題とさせていただきますし、先方から提示される話題についても当方としての考え方といったようなものは意見交換することになります。帰国しました後で可能な範囲でどのようなやり取りと言いますか、少なくともどういう点を話し合ったのかということについては御説明したいと思いますので、それを待っていただければと存じます。

問)

今日の一部夕刊で、三井住友海上に対する業務停止について金融庁が方針を固めたという報道があるのですけれども、この点について何かあればお聞かせください。

答)

報道されているような方針を固めたという事実はありません。個別会社に関するお話ですので、現状においてこれ以上のコメントは控えさせていただきたいと思います。

(以上)

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