五味金融庁長官記者会見の概要

(平成18年12月18日(月)17時01分~17時11分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私からは特にございません。

【質疑応答】

問)

幹事から2点質問させていただきます。まず1点目なのですが、足利銀行の公募が先週金曜日に締め切られましたが、公募の状況を見て、長官のご印象を聞かせていただけないでしょうか。

答)

15日に締め切りをいたしまして、応募をいただきました。今後は、先般公表いたしました、受皿に求める基本的な条件に照らしまして応募書類を審査して、第二段階、つまり事業計画の提出です。この第二段階に進む受皿候補の選定作業を行っていくということでございます。途中経過でございますので従来と同様でございますが、金融庁としては、足利銀行が受皿への移行後においても、栃木県を中心とする地域において、利用者の信頼を確立して金融仲介機能を持続可能な形で発揮できるように、引き続き適切な受皿の選定に向けて努力をしていきたい、こう考えております。

問)

2点目、日興コーディアルグループの件なのですが、先程、日興コーディアルグループが会見で2005年3月期の不適正な経理処理について会見を行って、そういったことがあった事実を認めて役員の処分等を発表したのですが、これについては証券取引等監視委員会が金融庁に勧告を検討しているという報道もありますが、これについてどのようなご所見を持たれているでしょうか。

答)

日興コーディアルグループの決算の件につきましては、本日午後3時30分でございますが、証券取引等監視委員会から証券取引法に基づいて同社に対し課徴金納付命令を発出することを求める勧告がなされました。具体的には、重大な事項について虚偽の記載がある有価証券報告書に基づくものであったということでございます。この勧告の詳細は、証券取引等監視委員会から後刻発表がございますので、委員会の方にご照会いただきたいと思います。金融庁といたしましては、この課徴金納付命令の勧告を受けまして、直ちに証券取引法に基づく審判手続の開始を決定する予定でございます。

証券市場において、仲介者として重要な機能を果たします証券会社を母体として設立をされ、活動をしておられるグループであり、またこのグループ自体が市場におけるプレーヤーとしても活動しておられる。そうしたグループが、情報開示という市場の信任を確保する上で極めて重要な分野において、重要な事項について虚偽の記載のある発行開示書類に基づく募集を行ったという法令違反に問われたということは、市場の信任を確保するという意味で大変に残念な事態であると考えております。市場の信任は、当局による規制だけで確保できるものではございませんで、このように市場において実際に仲介をし、活動をする証券会社なりプレーヤー自身の倫理観によって支えられるというのが基本でございます。こうした事案が再び起こることのないような再発の防止策を是非講じていただきたい、そう考えております。

問)

銀行の自民党への融資について、りそな銀行が2003年の公的資金注入後に自民党への融資を相当増やしているということがわかったのですが、公的資金注入を境にして、無担保の融資を特定の先に急増させているということについて如何お考えですか。

答)

ご指摘のような報道がなされていることは承知しておりますが、特定の銀行の融資先についてのコメントはすることができません。個別の融資は各行の経営判断によるものでございます。担保を取るにせよ取らないにせよ、当局としての関心事項は融資のリスク管理というものが適切に行われているかどうか、この点でございます。一般論で申しますれば、そうした観点から我々は銀行の融資活動とういうものを日頃の検査・監督で検証をしているということでございます。個別の融資でございますので、コメントは控えさせて頂きます。

問)

個別の融資とは言え、監督当局のトップに自民党の政治家が就任しているわけで、融資を受ける方が監督をする立場、それもりそな銀行のように経営状態が悪化したところでありますのは問題ではないかという声もあるのですが。

答)

政治の基本的な仕組みと銀行という民間金融機関が行う営業の話を関連付ける必要はないと思います。個々の監督は、その監督の根拠になった法律に基づいて適正に行われるものでございます。

問)

一般論としても、例えば経団連が、返済原資として政治献金を当てるというような取り交わしがあったわけで、銀行が融資をしている自らの融資の返済原資に、今度は献金の問題がクローズアップされてきていますが、献金をするということについては如何ですか。

答)

その間にどういう因果関係があるか、私は存じておりませんし、経団連のご意見というのも聞いた事がありませんのでわかりませんが、銀行は融資する場合には、その融資先がどういう返済能力をもっているかということをきちんと検証した上で、ふさわしいリスク管理をしていくとこれが大切であると考えております。

問)

ミサワホールディングスの九州の子会社での不適切な開示が明らかになりましたけれども、これについて今、今後、金融庁としてどういう対応を取られるかということを教えてください。

答)

個別の案件についての報道のレベルの話でありますので、コメントは控えます。一般論で申しあげますれば、先程も申しあげましたけれども、証券市場に対する投資家の信頼確保という意味では企業財務情報といったものが正しく開示されていること、これが大変重要でございます。一般論でございますが、金融庁はこうした考え方にたちまして、証券取引法に基づいて提出されております財務諸表について、仮に法令に照らして問題があるということが判明いたしますれば、法令に基づいて厳正な対応をしてまいります。

(以上)

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