佐藤金融庁長官記者会見の概要

(平成19年10月29日(月)17時09分~17時16分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

大変お待たせをしまして、申しわけありませんでした。私の方からは特にございません。

【質疑応答】

問)

金融商品取引法が施行されて、ちょうど1ヶ月になりますが、トラブルや苦情など報告されていないか、また、現場に円滑に受け入れられているかどうか、今のところのご見解をお願いします。

答)

金融実務の現場において、特段、深刻なトラブルの発生があったとは承知いたしておりませんけれども、この全面施行後、金融機関や弁護士事務所等から法令の解釈等に関して、多くの問合せなどを受けているということであります。その中には苦情めいたものも含まれているのではないかと思います。ただ、法施行後、1ヶ月が経過しまして、その件数は、徐々に減少してきているということでございます。金融庁としては、法令解釈の問合せ等に対しては、できる限り迅速な対応に取り組んでいるところでありますし、また、こうした対応以外にも、この法律の内容に関する講演であるとか、刊行物への寄稿などを通じて、その理解の普及に努めているところであります。

確かに、苦情や様々なご意見をいただいておりますけれども、金融商品取引法は、利用者保護の徹底等の趣旨から、販売勧誘規制等を見直したものでございまして、金融商品取引業者がその遵守を現場に徹底していただく、そういう相応の取組みが必要であると考えております。各業者の皆様におかれては、移行期に当たってそれなりのご苦労もおありになろうかと思いますけれども、この金融商品取引法の趣旨を十分ご理解いただいて、適切な対応に向けて引き続きご尽力いただきたいというふうに思っております。「貯蓄から投資へ」の大きな流れ、また、我が国の金融・資本市場の国際競争力を強くするという大きな視点から見ても、この利用者保護、金融取引の透明性・公正性の確保というのは、インフラストラクチャーとして大変重要なものだと思っております。

問)

今日、首相に会われたと思いますが、どういったお話をされたのでしょうか。

答)

本日午後、総理のところにお邪魔をいたしまして、最近の金融情勢についてご説明を申し上げ、また、我が国の金融・資本市場の国際競争力強化というテーマについてご説明申し上げました。総理からは、「我が国の金融・資本市場の国際競争力の強化について、しっかり取り組むように。」というご指示をいただいたところであります。

問)

どれくらいの時間、お話になられたのでしょうか。

答)

かれこれ、30分近かったかもしれません。

問)

この国際競争力について、例えば、どういったご説明をして、総理からしっかりということ以外に、例えば、どういう要望なりありましたでしょうか。

答)

テーマは最近の金融情勢というのが前半。そして、我が国の金融・資本市場の国際競争力強化というテーマが後半という二本立てでございました。先ほど申し上げたポイント以上に細かい話を申し上げるのは差し控えたいと思います。

問)

先週末、民間の銀行がいくつかサブプライムの関連で損失計上を発表しましたけれども、これについてはどのような受け止め方をされていますでしょうか。

答)

欧米の大手金融機関や我が国の大手金融機関の一部が、サブプライムローンに関連した損失であるとか、あるいは中間決算の状況であるとかを公表しているということは承知をいたしております。我が国の大手金融機関の一部が、一定規模の損失額を公表しているということでございますけれども、その規模については、各社における自己資本の厚み、期間利益の規模などと照らし合わせて考えますと、相対的に限定されていると思いますし、各社自身の中でマネージできる範囲のマグニチュードであると理解をいたしております。サブプライムの問題を巡っては、大臣も仰っておられますように、疑心暗鬼ということが若干ありますので、各社においてきちんとした開示をしていくということが大事だろうと思っております。このような発表を受けた後においても、サブプライムローン問題が我が国の金融システムに深刻な影響を及ぼすような状況にはないという認識には変更がございません。

(以上)

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