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佐藤金融庁長官記者会見の概要

(平成20年5月12日(月)17時06分~17時17分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

お待たせしました。私の方からは特にございません。

【質疑応答】

問)

三菱東京UFJ銀行の件ですが、本日稼動しました新しい基幹システムの一部でシステム障害が発生しました。金融庁はこれまで同行のシステム統合作業について、ターゲット検査を行うなど監視を強めてきたわけですけれども、稼動初日のシステム障害についてどのように受け止めていらっしゃるのかということと、それから今後どのような対応を行っていくのかという点と、併せて、これから統合作業が段階的に続いていくわけですけれども、その作業について金融庁としてどう対応していくのかということをお聞きしたいと思います。

答)

三菱東京UFJ銀行におきましては、本日12日、旧東京三菱店舗のシステムを新システムへ移行し、今朝からオンラインがスタートしているということでございます。こうした中で、セブン銀行のATMにおいて旧東京三菱店舗発行のカードが使用不能となるという障害が発生したという報告を受けております。同行においては、障害発生の間、セブン銀行以外のATMに誘導する対策を取るとともに復旧作業に取り組み、11時55分ごろに復旧したというふうに聞いておりますが、顧客に影響が及ぶような障害が発生したことは遺憾でございます。

同行のシステム本格統合、いわゆる「Day2」は平成20年末の完了を目指して引き続き作業が続くところと承知をいたしておりまして、同行においては今後の取組みに万全を期していただきたいというふうに思っております。当局としても、今回の障害の原因等について確認をするなど、同行の取組みの状況を引き続き注視してまいりたいというふうに思っております。

問)

野村證券の元社員によるインサイダー取引事件についてお聞きしたいのですが、先ほど容疑者が再逮捕されたということで発表があったようなのですけれども、事件に対する見方を改めてお聞きしたいということと、今後焦点の一つになると思われる会社の内部管理態勢について、行政として今後どのような基準で判断していくのかお聞きしたいと思います。また、行政上の対応は、容疑者の起訴など一連の刑事手続の区切りを見た後で判断するという理解でよろしいでしょうか。

答)

改めまして、証券会社の職員によるインサイダー取引の容疑によって逮捕者が出るという事態に至ったことについては、金融当局としても極めて遺憾に感じております。

野村證券における内部管理態勢等については、現在、証券取引等監視委員会及び捜査当局において事実関係の解明が進められている段階でございますので、この段階において金融庁としての具体的なコメントは差し控えたいと思います。

それから、行政上の対応につきましては、今後解明される事実関係を踏まえて慎重に検討する必要があると思っております。ご案内のとおり一般的には、証券会社の内部管理態勢等に問題が判明した場合、その重大性・悪質性やその背景にある態勢面の適切性などを勘案した上で行政処分の要否について検討を行うこととしております。

なお、一般論として申し上げれば、証券会社には金融・資本市場におけるその役割にかんがみて厳格な法令等遵守態勢、内部管理態勢の整備が期待されているわけでありまして、更にその役職員も、証券会社の有する公共的な役割を個々に認識し、高い法令遵守意識、高い職業倫理と自己規律を持って業務を行うことが求められているわけであります。こうした観点から、証券会社においては、インサイダー取引の未然防止のために情報管理態勢を含めた法令遵守のための適切な内部管理態勢を構築することが重要でございます。

金融庁としては、先般4月28日に全証券会社に対して、役職員及び関係者による有価証券等取引の実態把握や情報管理態勢の再検証、また研修の実施などを内容とする要請を行ったところでございます。今後とも、こうした取組みを通じて証券会社全体としてコンプライアンス態勢の一層の充実を図り、透明で公正な市場の実現に努めてまいりたいと思っております。

問)

三菱東京UFJ銀行の件ですが、(金融庁は)システムに絞った検査をこれまでしてきています。今回の障害の被害というか問題の大きさというのを測りかねているわけではありますけれども、システムに絞った検査をしながら、やはり(障害が)起きてしまったことについて、長官はどのようにお考えでしょうか。

答)

金融庁としてもシステムにターゲットを当てた検査も行い、また、監督サイドでも準備の進捗状況等についてヒアリング等を行って、準備をしっかり行っていくということについて、できる限りのサポートをしてきたつもりでございますが、結果として初日にこういうトラブルが生じたということは、残念な結果であると思います。とにかく膨大なシステムでございますので、速やかに原因の特定をし、問題点の洗出しの結果に対応したきちんとした再発防止、その教訓を踏まえた今後の取組みということに早急に進んでいっていただきたいというふうに思っています。

一点付け加えますと、ご案内のとおり、コンピュータシステム障害についての報告徴求というのは、銀行法第24条に基づく包括的な報告命令というのを出してありまして、一般論でございますけれども、銀行法第24条に基づく報告の提出がなされることになるということが一般的でございます。

問)

セブン銀行の方に報告徴求を求めるお考えはありますでしょうか。

答)

そこは、まずはヒアリング等で事実関係についてよく確認をした上で、その必要性の有無について判断をしていくということになろうかと思います。今回のこのトラブルは、セブン銀行のATMにおいて、他の銀行のカード、他の銀行の取引等でトラブルが発生しているというふうには承知をしていないところであります。

(以上)

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