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佐藤金融庁長官記者会見の概要

(平成21年3月30日(月)17時01分~17時16分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私からは特にございません。

【質疑応答】

問)

今週4月2日にロンドンでG20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)が開かれます。先の(G20)財務相・中央銀行総裁会合では、銀行の自己資本規制の中期的な改革であったり、ヘッジファンド登録の必要性などが声明に盛り込まれました。こうした先日の声明を踏まえ、次のサミットではどのような金融規制が議論されうるのか、また日本政府、金融庁としてどのような提案、意見を出していくのか、ご所見を伺わせてください。

答)

今回の首脳会合については、議長国であるイギリスから議題の詳細はまだ公表されていませんけれども、今ご質問の中でも触れていただいたように、昨年11月の第1回会合で合意されている柱というものがあるわけでございます。金融の規制・監督に関しては、健全な規制や透明性の向上、国際連携の強化や市場の公正性、さらには国際金融機関の改革等について柱が立っておりますので、こういった項目について議論が行われていくと予想しております。

こうした国際的な議論については、そもそも今回の金融危機というものが市場を発火点としてグローバルなベースで発生しているという事実があるわけで、この点に対応して、各国が国際的に連携し協調して取り組まなければならないということだと思いますし、そういった共通の問題意識が、前回のサミット、今週行われるサミットでもベースになっていると理解しております。今般の首脳会議においても、こうした共通認識の下で、金融危機の再発を防止し金融システムを強化していくという共通の目標に向けて、実効性ある取組みを構築していくということで、この点についての首脳レベルでのコミットメント(決意)が確認されるということを期待しております。

今般の首脳会議における我が国としての具体的な対応の仕方については、官邸を中心として現在調整されているところでございますので、ここで私からコメントすることは差し控えたいと思います。

いずれにいたしましても、金融庁としては、今回のサミットにおいて最大の成果が得られるよう、国内の関係当局と連携しつつ、国際的な議論に積極的に貢献していければと思っております。

問)

4月から6月にかけて、金融庁は、金融機関の融資姿勢に焦点を絞った集中検査に取り組まれると聞いています。年度末時点での銀行などの貸出余力や融資姿勢をどのように捉えているのか、また今後の経済・市場動向次第では集中検査を通じて銀行に新たな資本増強を促す可能性などがあるのかどうか、そのあたりを伺わせてください。

答)

現在の状況というのをやや大きく捉えてみると、我が国の金融セクターは、金融セクターそのものを捉えると、欧米と比べると相対的には傷が浅い、相対的には健全性が維持されているということかと思います。他方で、我が国の実体経済の方は極めて急速に悪化しているということが様々な指標でも確認されているところでございます。こういう状況の下で、我が国においては、改めて、我が国の金融セクターが我が国の実体経済を金融面からサポートしていくという役割が極めて重要になってきていると、こういう局面かと思います。

こういった現状認識に基づきまして、金融庁としては、昨年の秋以来様々な措置を講じており、典型的には(金融)機能強化法の活用であるとか、(不良債権に該当しない)条件緩和債権の範囲の拡大であるとか、自己資本比率規制の一部弾力化といったことを講じてきているわけですが、先般3月10日に更に一連の追加的な措置を発表し実施に移しているということでございます。その中に今ご質問でも触れていただいた集中検査が含まれております。さらに、緊急保証に関する銀行サイドでのリスクウェイトの見直し、コベナンツ(借り手に対して一定の純資産の維持等を義務づける条項)への弾力的な対応に関しての要請なども行っているということでございまして、既往施策、追加的な施策、これらが総合的に効果的な力を発揮していき、そのことによって各金融機関における適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮が促されるということを期しているわけであります。

そのうちの一つの大きな柱として集中検査があるわけでございますが、これはこの年度末、それから年度末を越えて新しい年度に入って早々の時期、この時期が金融仲介機能の発揮に関してとりわけ重要な時期であるのではないかという認識に基づき、4月から6月にかけての約3か月に集中的に金融仲介の状況をチェックするということで、集中検査を実施することにしたものであります。この集中検査は、あくまでも金融機関による金融仲介機能の発揮に向けた態勢面の整備の状況に光を当てるということで、個別融資案件など金融機関の経営判断にわたる部分に立ち入るというものではございませんし、また、この検査を通じて新たな資本増強に取り組むように追い込んでいくというような意図もございません。

いずれにいたしましても、企業等に対する円滑な金融仲介機能を発揮していただくということは、金融機関の最も重要な役割の一つでございまして、年度末及び新年度入りのこの時期に、金融庁としても金融機関におけるそのような金融仲介の取組状況を注視していきたいと思っております。

問)

与党の方で、いわゆる株価対策の議論がずっとされてきまして、何らかの形が近く出てくると思うのですが、(銀行等保有株式)取得機構の買取り対象を広げる案などが検討されているのですが、そういったものが正式に示された場合、金融庁としてどのように手続をとっていくのか伺わせてください。

答)

しばらく前に、総理から与党に対して、所要の経済面での対応を検討するようにという指示が下りて、そういったことも受けて、与党の方でご検討が進められているという状況かと思います。その内容について様々な報道がなされていることは承知いたしておりますけれども、与党において検討が進められている状況でございますので、具体的な内容について、この時点で言及することは差し控えたいと思います。

いずれにいたしましても、与党の方でそのような、そのようなという意味は、今申し上げた総理からのご指示を受けて、―総理と言うより、正確には与党のお二人の党の代表からということだったと思いますけれども、その指示を受けて、―検討された結果が、最終結果が示された場合には、その内容をよく吟味して、この現在の我が国の経済の状況を良くしていくという心構えを共有しながら、どういった対応ができるか、行政サイドとしても検討をしていくということになるのかと思います。

(以上)

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