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佐藤金融庁長官記者会見の概要

(平成21年5月18日(月)17時01分~17時32分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私からは特にございません。どうぞ。

【質疑応答】

問)

先週末に、国内で(新型)インフルエンザの感染が判明しまして、政府の方でも対策会議等が開かれています。特に金融機関の中では、一部、関西、兵庫県で、感染者が出たということで対応した金融機関も出ていますが、金融庁として、ほかの金融機関でも起きて、対応しているところがあるかといった把握はされているのでしょうかということと、先ほどリリース文も出ましたけれども、金融庁としての対応について聞かせてください。

答)

金融庁所管業種における状況として一つ申し上げるべきは、三菱東京UFJ銀行におきまして、昨日5月17日、兵庫県の三宮支店の職員1名が新型インフルエンザに感染していることが判明いたしました。このことを受けまして、同行においては、この同支店で顧客への感染機会を極小化するため、念のために、原則、同支店の職員は管理職を除いて自宅待機をさせる、また、同支店の営業は代替の要員により継続するということで、一部、顧客を近隣の支店に案内する場合もあるといった対応を行う旨公表しているところであります。これ以外の金融機関については、現時点では、職員等の新型インフルエンザ感染が確認されたという報告には接しておりません。通常通り業務を行っていると承知をいたしております。

いずれにいたしましても、これらの地域の金融機関においては、感染機会を減らすための措置の導入や検討を行っていると承知いたしております。具体的には、職員のマスク着用、手洗い・うがいの励行、出勤前の検温、発熱者等の自宅待機、不要不急の外訪、外を訪問するということの自粛、時差出勤や自動車・自転車又は徒歩での通勤の容認、セミナー等の開催自粛といった措置が講じられていると承知いたしております。

金融庁としての対応ですけれども、5月16日土曜日に、政府において「新型インフルエンザ対策本部幹事会」が開かれまして、そこで「確認事項」というものが決定されましたので、これを踏まえまして、同じ16日に、金融庁から金融機関に対して、患者等が活動した地域等において、従業員の感染機会を減らすための工夫、また、事業運営において感染機会を減らすための工夫を検討することなどについて要請したところでございます。

金融庁としては、引き続き、各金融機関の状況についての情報収集に努めるとともに、金融機関に対しては、金融機関としての社会的役割の維持といった点にも配慮しつつ、適切な取組みを行うよう促していきたいと思っております。

問)

先週の金曜日に、大手銀行のみずほフィナンシャルグループが、普通株で最大6,000億円という大規模な増資を自力で行うということを表明しました。かねてよりといいますか、与謝野大臣などが官邸での会議の際に、大手行でも公的資金の活用をと示唆するような発言もありましたけれども、この1カ月ぐらい、水面下ではかなりそういった公的資金活用をめぐる動きもあったように、ちょっと公開できないですが、取りざたされていますけれども、これについての長官のご所感を伺えればと思います。

答)

先週、みずほフィナンシャルグループが、上限6,000億円の普通株式に係る発行登録を含む資本増強策を公表したことは承知いたしております。個別金融機関の資本政策は、経営判断に関する事柄でありますので、逐一コメントすることは差し控えたいと思います。

一般論として申し上げれば、現下の経済情勢を踏まえ、財務基盤強化に向けて資本の充実を図ることは重要であると認識しております。また、銀行の自己資本をめぐる国際的な議論の動向、そういった流れにも沿うものであろうかと思っております。

金融機能強化法の適用についてのお尋ねですけれども、この機能強化法は、そもそもそれを使ってもらうことそのものが政策目的ということではなくて、あくまでも、銀行にきちんとした金融仲介機能を発揮していただく、それが政策目的であって、それを支えるための備えという位置づけであろうかと思います。そしてまた、その際にも、そもそも資本政策というのは、各金融機関のすぐれて自主的な経営判断にかかわる話でありましょうし、資本調達というのは、民間ベースでの調達、市場での調達というのが基本であります。仮に、それがうまくいかない、困難な状況になったときに、それへの備えとして金融機能強化法が存在しているということは、有意義なことだろうと思っております。

いずれにせよ、資本政策に関して、各金融機関が「先を読む経営」の中で自主的に適切な経営管理を行っていっていただくということは、極めて重要なことだと思っております。

問)

金融機関に限らず一般企業でも、先週は決算がピークを迎えまして、かねてよりと言いますか、決算期を迎えると、この急激な景気の悪化の中で業績が悪化して、銀行など金融機関が貸し渋りをして、「5月危機」というようなことも言われていましたが、それについて、今、現段階ではどういう状況になっているのか、長官のお考えを聞かせてください。

答)

いわゆる「5月危機」という言葉で懸念されていた事態というのは、人によって多少ニュアンスの違いはあるかもしれませんが、この3月期の通期の決算に関して大幅赤字の決算が相次ぐ、それを受けて信用格付の引下げ、格下げが相次ぐ、また、外部監査で継続企業の前提に関する注記が相次ぐ、更には、株価が大きく下落する、そういった中で銀行の融資も絞り込まれ、また、社債・CP(コマーシャル・ペーパー)市場といった直接金融の世界でも目詰まりがあちこちで頻発する、こういったイメージで懸念されていたということかと思います。

大幅赤字の決算が相次いでいるという点については、そういう状況になっているということだろうと思いますが、他方で、決算発表を受けて信用格付の格下げが大量に起きるという状況には必ずしもなっていない、また、継続企業の前提に対する注記が相次ぐということにも、現時点ではなっていないということ、それから株価については、これも4月は、日経平均で見て大体8,000円台で推移しましたか、その後5月に入ってからは、もちろん日によって動いておりますし、今後、そうなるというふうにおよそ断定はできませんけれども、5月に入ってからは9,000円台で推移している、こんな状況でございまして、株価が大幅に下落するということも、そういう事態にはなっていないということでございます。また、銀行融資の絞り込みが急激に行われ、それが相次ぐということにも必ずしもなっていないというふうに承知いたしておりますし、更に、社債・CP市場に関しては、政策金融での対応といったことの効果も含めて、4月以降、少し回復基調を読み取れるようなことになっているということでございます。

そういったことで、現在、まだ5月中旬でございますけれども、これまでのところは、先ほど申し上げたような意味での、いわゆる「5月危機」ということが顕在化しているという状況にはなっていないと思っておりますし、今、掲げました様々な状況を考え合わせますと、今後、急激に状況が悪化するというふうに判断すべき材料も持ち合わせているわけではない、こんな状況かと思います。

問)

先週の土曜日に、民主党の代表選挙がありまして、鳩山新代表が就任されたわけなのですけれども、これまでおっしゃっていたことの中で、「脱官僚」ということを掲げていらっしゃいまして、例えば幹部人事の民間からの採用ですとか、人事評価を半年ごとに行って、その処遇を1年ごとに決める、または、天下りや渡りの全廃ですとか、そのようなことをおっしゃっているのですけれども、そこについての長官のご所見をお伺いできますでしょうか。

答)

コメントすべき立場にないと思います。

問)

アメリカで、店頭デリバティブの決済を一元化したり、その参加する金融機関に一定の資本規制を積むような案が議会に提出されましたが、この規制に対する評価をお聞きしたいのと、日本でも東京金融取引所とか東証で、2010年にCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の清算機関の営業を始めたいという計画があるようなのですけれども、この準備状況がどのようになっているかという2点お伺いしたいので、よろしくお願いいたします。

答)

先週、13日でしたか、米国政府が店頭デリバティブに係る包括的な規制の枠組みの提案をされたということは承知いたしております。

この提案では、店頭デリバティブ全体について、標準化された取引については、中央清算機関による清算や取引所取引への移行を求める、清算機関により清算される取引以外のものについては、取引情報処理機関への報告を義務付ける、また、更に、大きなエクスポージャーを有する業者については、資本や証拠金の規制を含む健全性規制・監督を導入する、更には、不公正取引等の防止のための措置を徹底する、こんな内容が盛り込まれていたかと承知いたしております。

大きく捉えますと、先のロンドン・サミット(第2回金融・世界経済に関する首脳会合)で、金融システム上重要な金融機関、それから全ての重要な金融商品、重要な市場というのが、適切な規制・監督の下に置かれるべきであるといった点が合意されております。その中で、今回の提案は、店頭デリバティブに係る規制・監督についての一つの枠組みというか、議論の方向を示したものであるというふうにも理解できるかと思いますが、この制度設計のあり方いかんによっては、金融取引に影響を及ぼし得るものであると思っております。店頭デリバティブについて、その取引に伴うリスクの低減、それから市場全体の透明性の向上ということに資するという狙いであるという点については、大変よく理解できるというものであろうかと思います。

いずれにいたしましても、米国政府も各国における同様の措置の実施を慫慂すべく、外国当局と協調していく旨、述べていると承知いたしておりまして、金融庁としては、この点をめぐる国際的な議論に引き続き積極的に参画していきたいと思っておりますし、その中で、この提案が我が国や世界の店頭デリバティブ市場等に与える影響等についても十分に考察していくべきだと思っております。

いずれにいたしましても、投資家保護、資本市場の機能の十全な発揮、それから先ほど申し上げた金融システム全体としてのリスクの低減、市場の透明性向上といった観点から、積極的に議論に参画していきたいと思っております。

我が国における店頭デリバティブをめぐる清算機関の議論に関しましては、ご案内のとおり、東京証券取引所グループ、及び、東京金融取引所が、店頭デリバティブ取引について、清算業務の提供を目指すべく検討を進めているところでございます。

決済インフラ機関である取引所や清算機関等が、清算業務の提供を行うことは、店頭デリバティブ取引の市場に係る透明性の確保や、カウンターパーティー・リスク等の軽減という観点から意義があるものと考えられます。市場関係者など関係者の皆さんで、この点についての議論が更に深まることを期待するとともに、金融庁としてもよりよい制度設計に向けて、しっかりと勉強していく必要があると思っております。

問)

新型インフルの対策のところで、金融庁として何か具体的に、例えば自転車通勤の駐輪場を広げるとか、マスクの備蓄を増やすとか、何か具体的にとっていることがあればということと、金融機関の事業の継続の要請の中で、日銀が主な仕事かもしれませんが、窓口の業務の継続であるとか、感染が広がった場合の窓口業務の維持などについてどのような要請を行っているか、もう少し具体的なところがあれば教えてください。

答)

後段のご質問に関しては、先ほどもちょっと触れましたように、各金融機関が担っている社会的な役割と申しましょうか、金融仲介、そして決済のインフラを提供しているということですので、そういった公共的な機能を維持していくということへの配慮も大変重要だと思っております。そういった点に配慮しつつ、他方で、感染機会をできるだけ極小化していくということに努めていくということで、全体の状況をよく見ながら、その辺のぎりぎりのバランスを考えていくということであろうかと思います。

具体的に、その機能の維持に関して、金融庁から業界への要請の中でどういったことを特定する形でお願いしているかということについては、ちょっと今、手元に資料がございませんが、基本的な考え方は、先ほど申し上げたようなことであろうかと思います。先ほどご紹介した三菱東京UFJ銀行の対応も、感染している蓋然性が相対的に高い三宮支店の職員は自宅待機させつつ、ほかの場所にいる職員が、いわば肩代わりして、そこの支店の業務をできるだけ継続していくという対応をしている。その中で、ATM(現金自動預け払い機)なども、機械の消毒をした上で利用に供し続けるといったようなことをしているというふうに報告を受けておりますので、感染機会の極小化ということと、サービスの継続、社会的役割の継続ということのバランスをそれなりにとっていただいているのかなと思っております。

それから、お尋ねは金融庁の職員そのものについての話かと思いますが、金融庁の職員自身については、全体の状況もよく見ながら、今後、検討していくということであろうかと思っております。

問)

金融機能強化法に関連して、先週末の銀行の決算の中で、地銀の中には申請を検討したりとか、将来への備えということで定款変更を表明したりというところがあったかと思うのですけれども、長官はかねて、足下では資本は必要ないとしても、将来への備えとして定款変更はしておくようにということを促してきたかと思うのですけれども、その促しに対応した地銀が、今のところ1桁にとどまっていると思うのですけれども、そこら辺の評価をお願いします。

答)

いざというときの備えとして、迅速に、機能強化法に基づく優先株による出資を受け入れるための枠組みを整えておくということで、この定款変更をあらかじめやっておくということは、大変賢明なご判断であろうかと思っております。先週15日には、長野銀行、鳥取銀行、島根銀行の3行が、将来への備えとして優先株式の発行を可能とするため、6月の定時株主総会で定款の一部変更を行う旨を公表したと承知いたしております。

評価というのは、決定された3行については、今、申し上げたとおりでございますが、それ以外の銀行がどういう対応をなさるかということについては、これも各銀行の資本政策の一環でございますので、すぐれて経営判断に関わる話でございまして、金融庁が強制するといった性格のものではおよそないということでございます。

ただ他方で、経済・金融情勢、不確定要因は引き続き様々存在しているという状況でございますので、いわば「先を読む経営」の中で、いろいろネガティブな動きが出てきたときにおいても、できるだけ金融仲介機能を維持していただく、発揮していただくという観点からは、こういった定款変更といった備えをしておいていただくということは、賢明な選択であろうかと改めて思っております。

(以上)

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